仙台駅から、およそ30分もすれば本塩釜駅に着く。
駅を出て本町通りへと向かうと、通りかかった闇市はすっかり空き地になっていた。
(↓かつての闇市:2011年1月撮影)
交差点で目印になる肉屋さんは、いつもどおりに営業中。右に入って本町の商店街へ。
浸水した文具屋さんでは、店頭に他所から頂いた応援の手紙を張り出していた。応援と感謝と、共に寄り添う心が嬉しい。(↓2013年4月17日:市川紙店)
昨年まであった建物が解体されている。津波の後に掃除して使っていたものの、時間が経つにつれて傷みが出る建物も多いようだ。(↓2013年4月17日撮影)
空き地も増えたが、建替え工事も所々で行われている。
(2013年4月17日撮影)
とすけやさんやお茶屋さん辺りも閉じている。
張り紙を見て驚いた。お茶屋さんまで解体されようとしていたではないか。
外から見ても趣きある建物で、歴史がありそうだと以前から思っていた建物だ。これが失われるのは何ともったいないことか。
しかし、有志が保存と活用に向けて動き出し、支援基金を募っていた。
調べてみると、保存会は先日、借り入れや募金で資金を工面し、買取契約をして保存活用の実現に一歩近づいたようだ。
今後も、保存活用の支援基金が集まれば、この塩釜の宝は守られる。近々また再訪して、ぜひ募金したいと思う。(↓2011年7月撮影)
町の歴史や文化を伝えるものは、今を生きる私らの財産である。
先人の暮らしを知り、かつてそこに生きた人々と、ひと時思いを重ねる。その場所は大切な宝だ。
取り壊してしまえば、そこに刻まれた歴史や文化が消えてしまうこともある。
新たに変わることも必要だが、残すことが大事な物もある。
ことに、震災で多くを失った私らにとって、震災を風化させないのと同じくらい、その町の歴史と文化を残すことに意味があろう。
そこに生きた人々の輝きを残すのも、とても大切なことだと、つくづく知ったのだから。