玉音放送により、天皇陛下から国民に降伏宣言がなされた8月15日。
日本はこの日を終戦と思っているが、正式な終戦はまだだった。
実際は、15日以降も戦闘を終えられなかった。
73年前の今日(1945/8/21)、ソ連による千島列島への攻撃があったのだ。
北端の占守島(しゅむしゅとう)では、武装解除の準備をしていた日本軍だったが、急遽、防衛のために戦闘開始したという。
必死の防戦でソ連軍の出端を挫き、北海道へのソ連軍侵攻を食い止めたのであった。
ことによっては、日本は分割占領されるかもしれなかったが、米国はソ連の提案を拒否。
米国による戦後日本の管理政策が打ち出され、日本は分割を免れた。
そして、正式に終戦宣言がなされたのは9月2日のことだった。
あれから73年目の8月を迎えた。
東京の靖国神社内にある遊就館には戦没者の写真が並ぶ。
仙台市にある護国神社内にも、英霊顕彰館があり、やはり戦没者の遺品や遺影が並んでいる。
この人々は、国と家族を守るために戦ったが、決して戦争したかったわけではない。
夢を諦め、愛する人との心温まる日々を断ち切って散っていったのである。
この戦没者も、きっと我々と同じく、こう願っているはずだ。
尊い命を無残に捨て去る戦争なんぞ、もう二度と起こさぬようにと。
(宮城県護国神社 英霊顕彰館にて:撮影日2018年5月15日)
参考:『池上彰の教科書に載っていない20世紀~戦後ニッポンを救った知られざる人々~』/浅田次郎著『終わらざる夏』/
国立国会図書館電子展示会『日本国憲法の誕生・詳細年表』/靖国神社遊就館/
SBクリエイティブ連載 松本利秋著『日本人が知らない終戦秘話』