夕方 、山口貯水池まで出かけてきた。
波ひとつ立たない、おさまりかえった湖面に白い雲が映っている。
貯水池の中ほどには水鳥たちが早々と眠りに付こうとしているようだ。
取水塔。雲がなければ森の向こうには富士山が見えるのだが……。
大勢のマガモが休んでいるところに、オオバンの群れがやってきた。
人影に驚いて水鳥たちが一斉に飛び立った。
冷たい風が吹き出し、辺りは茜色に染められていく。
遠くを一羽で泳いでいるのはカンムリカイツブリ
メスを追いかけているのはハジロカイツブリのようだ。
もっと奥に固まっているのはカンムリカイツブリの群れ
夕闇はまず森に生まれ、そして水面へと伝わっていく。
やがて熱と光を失って全てが闇に溶け込んでいく。
冬の短い夕暮れは本当にあっという間だ。