久しぶりに宮城の伊豆沼を訪ねた。前回来たのは2011年の一月、震災の起きる2か月前の冬だ。
静まり返った冬の未明、数万羽の雁たちの飛び立ちの光景と醸し出す音に
心が思わず震えたものだった。
新田駅に降りたのは午後3時半、日暮れまではあと一時間足らずしかない。
駅から10分ほど歩いて観察舎が見えてきた。
手前の小さな池で、母子連れが白鳥やカモに餌をあげている。
沼のほとりまで来た。水面は早や茜色に染まり始めている。
北西の方に見えるのは東北の背骨奥羽山脈の栗駒山や焼石岳の峰々だ。
塒入りは次第に佳境に入ってきたようだ。
黄昏のこの時刻、視線を少し変えると別の色を持った沼に変身していくのが面白い。こちらは北東側。
北西側では全く別の世界が見られた。
黄金色の夕景に変貌していく。
あっという間に冬日は山の奥に消えていった。沼の向こうには宮城県の伊豆沼サンクチュアリセンターが見える。
これが最終の塒入りだろうか。
不出来だが、 伊豆沼・内沼のマガンの塒入りの後の動画をつけておこう。
日の暮れた伊豆沼
日が落ちたばかりの伊豆沼
人家にも灯がともり始めた。
さっきの母子連れはもう帰っていない。ハクチョウたちもそろそろ眠りに付こうとしている。
私も今夜の宿に帰ることにしよう。