弓道（心構え）

「自分らしい弓道ができますように」
試合や審査前に、必ず思うこと。
今の自分のベストパフォーマンスができるかどうか。普段の稽古通りの弓が引けるかどうか。
勝敗や合否なんかより、後悔しない弓が引けるかどうかのほうが大切だと思う。

緊張や大舞台のプレッシャー、気負い、対戦相手への対抗心、自分を良く見せたい顕示欲…そんな余計な気持ちに囚われたまま本番に臨んではならない。

では、今の自分が未熟で、試合や審査に役不足だと感じていたら？
「もしかしたら本番で、実力以上の力を発揮できるかもしれない」などと奇跡を願っても無駄である。

恥ずかしいとか、やめておけば良かったなどというのも余計な気持ちだから、そこに囚われたまま最善を尽くせずに終わることのほうが恥ずかしい。
「今の自分はここまでです」と、開き直って、しかし、必死に本番に臨むこと。
未熟な自分を認識できたことに意義があり、その後どう修練するかに価値がある。


大切なものは、何か？
なぜその試合や審査に臨んだのか？
初心にかえる。

試合も審査も、修練の一過程にすぎない。
自分自身との対話、修練の方向性の確認の材料である。
自分を見つめ直す機会となれば、良いと思う。