古森義久産経新聞ワシントン駐在編集特別委員兼論説委員が、
アメリカが日本との集団的自衛権の行使を拒んだら、どうするのか――
今日本では、日本自衛の為にアメリカ軍との集団的自衛権行使を議論している。
あくまでも日本を自衛するためで、アメリカの自衛には無頓着、無関心だ。
アメリカ軍が日本防衛の集団的自衛権行使をするのは既定のことのように議論している。
日本の有事にはアメリカ軍が日米安保5条で出動するのは当然と言うわけだ。
だから日本自衛のために、米軍を支援する集団的自衛権がどうしても必要と言う論法だ。
これにアメリカの大学教授ジェームズ・アワー氏が日本側への公開質問をぶつけて来た。
どういうことかというと、
「もしもアメリカが日本に対し、法的には行使できるはずの集団的自衛権を日本のためには行使しないと政治的に決断したと、突然、通告したらどうなるか」
>[古森義久]【もし米が集団的自衛権の行使を拒否したら?】~安保法制反対論の大きな欠陥~
日本国内の米軍が直接に攻撃を受ければ、アメリカは個別とも呼べる普通の自衛権を行使して、日本攻撃の相手と戦うだろう。だが第三国の日本攻撃が尖閣諸島など米軍にはまったく触れない場合、米軍が日本を守る行動はアメリカにとって自国は攻撃されていない集団的自衛権の行使となる。
だからもしアメリカが日本への集団的自衛権に対して、ちょうど日本がこれまでしてきたように「保有はするが行使はできない」という政策をとれば、米軍は日本防衛にはかかわらないことになる。
アメリカが日本に対する集団的自衛権を行使しなければ、日本周辺で日本の艦艇や国民が攻撃を受けても、米軍は座視するだけともなる。こういう展望となった場合、日本はどうするのか、とアワー教授は問いかけるのだ。
同教授はこの問いを産経新聞8月11日付に寄稿した論文で明らかにした。だが彼は長年、日米間の防衛問題にかかわり、日本側の反防衛論者たちの主張には「火事が嫌いだから、消防署をなくしてしまえ、というのに等しい」と反論してきた。確かにいまの日本側の民主党、共産党、朝日新聞などの主張は「備えなければ、憂いなし」と総括できる現実無視の傾向が感じられる。
日本の戦後の安全保障は一貫してアメリカとの集団防衛によって成立してきたことは否定できない。だからその「集団」という概念を否定するような、いまの安保法制反対論には大きな欠陥がちらほらするのである。アワー教授の問いはその欠陥を衝いたようにも思えるのだ。
同教授はこの問いを産経新聞8月11日付に寄稿した論文で明らかにした。だが彼は長年、日米間の防衛問題にかかわり、日本側の反防衛論者たちの主張には「火事が嫌いだから、消防署をなくしてしまえ、というのに等しい」と反論してきた。確かにいまの日本側の民主党、共産党、朝日新聞などの主張は「備えなければ、憂いなし」と総括できる現実無視の傾向が感じられる。
日本の戦後の安全保障は一貫してアメリカとの集団防衛によって成立してきたことは否定できない。だからその「集団」という概念を否定するような、いまの安保法制反対論には大きな欠陥がちらほらするのである。アワー教授の問いはその欠陥を衝いたようにも思えるのだ。
フィリピンに駐留していた米軍は、1991年クラーク空軍基地とスービック海軍基地をフィリピンへ返還しフィリピンから米軍を全て撤退させた。
米軍撤退の経緯は、スービック基地の使用期限が1991年9月で基地使用期限の延長を交渉中だったが、この年の6月ピナトゥボ山が活動し始め、6月に大噴火した。
>スービック海軍基地はピナトゥボ山の近くにあったクラーク空軍基地の兵員の大半とその家族の避難場所になったが、屋根に降り積もった火山灰の重さで建物が倒壊して死者が出るなどの被害を受けた。アメリカ軍はクラーク空軍基地の放棄を決定する一方、スービック海軍基地については10年間の使用期限延長を望んだが、フィリピン上院は拒絶し、両基地は1991年11月26日に返還された。
wikipediaから引用
米軍の撤退を見透かしていたかのように、
1995年、フィリピンが領有権を主張していた南シナ海のミスチーフ礁(中国名:美済礁)に中国が建造物を構築する。
2012年4月からは、南シナ海・中沙諸島のスカボロー礁の領有権をめぐって、フィリピンは中国と小競り合いを続け死者が出る事態にまで発展した。
スカボロー礁はフィリピンが実効支配していた珊瑚礁で、ルソン島から230km、海南島から約1,200kmのところにある。
中国の軍事力に対抗する力はフィリピンにはありません。
フィリピンは軍隊を持たなければ、どこの国も攻めては来ないと思った。
日本でよく聞かれる台詞です。
米軍がフィりピンから撤退し、それまでフィリピンが自国の海と思っていた海域に力の空白が生じた隙を、中国が力を行使して占拠してしまったのです。
中国は、今このときにも尖閣諸島の領海内に公船と呼ばれる艦船を侵入させ、巡視船が警告すると、逆にここは中国領海、日本の巡視船は退去しろと拡声器で言い返すそうです。
こんな状況でも日本のマスコミは中国を批判しません。
それどころかこうした事実もなるべく国民に知らせない報道の自由を都合よく使い分けています。
実際アメリカは尖閣諸島で日中が紛争状態になったとき支援してくれるかわかりません。
それはオバマ大統領の発言にも表われているのです。
2014年5月28日、ニューヨーク州ウエストポイントの米陸軍士官学校で演説しました。
要点だけ言えばオバマは次のように指摘したのです。
実際に武力を行使することには、「米国への直接の脅威が前提」と慎重な姿勢を見せ、国際機関との協力や多国間協力を重視することで、外交による解決をめざす姿勢を強調した。
アワー教授が指摘したとおりのことを言っていたのです。
オバマ大統領の態度が変化したのは、安倍首相が4月に訪米し米議会で演説した以降です。
4月29日のオバマ・安倍の首脳会談でオバマ大統領は、
沖縄県・尖閣諸島の領有権について、米国は中立の立場を取っているとする従来の見解をあえて述べなかったのです。
米国は1972年の沖縄返還以来、尖閣諸島が日本の施政下にあると認める一方、尖閣の領有権がどこの国に属するかについては、中立的な立場を取ってきました。
中国や台湾が領有権を主張しているためです。
その後の中国の南シナ海でのサンゴ礁埋め立て、人工島の造営と南シナ海を中国の内海化する中国を危険視し、日米安保の必要性を認識し出したのだと思われます。
日本も自力で安全保障を保守出来ないだけに、今の中国を封じ込めるには米国の力がどうしても必要です。
そう考えると安全法制法案に反対し、中国を助ける活動に精出す野党やマスコミは国を売る連中としか思えない。