古典落語に「牛ほめ」という噺がある。この噺、「家ほめ」ともいう。
与太郎が、家を新築した叔父さんから小遣いをもらおうと、家をほめに会いに行く。事前に、家のほめ言葉を親父さんから教えてもらうのだが、与太郎のことだから全然覚えられなくて・・・というような話。(ちなみに最後の「落ち」が牛をほめて終わるため、「牛ほめ」というお題)
この噺の中に、昔の家の「ほめ言葉」がいくつか出てくる。
「家は総体ひのき造り、天井は薩摩の鶉木理(うずらもく)、左右の壁は砂摺りで、畳は備後の五分縁(ごぶべり)でございます」
「総体ひのき造り」は柱から板からすべて檜を使っているということ。
「うずらもく」は木目が美しい板で、うずらの羽の模様に似ているからこの名前がついている。
「砂摺り」は川砂を混ぜたしっくいで塗ってあるということ。
「備後の五分縁」は、高級畳の代表的なもの。
さて、現代における家の「ほめ言葉」ってなんだろう?
建材をほめるというのは昔も今もかわらない。
木材は、昔よりグレードダウンした水準でも自慢ができるようになっているかもしれない。「すべて国産材を使用」とか「床は無垢材」というくらいでほめることができそう。
壁などは、塗り壁というだけでもいいかも。ここのところは珪藻土とか使っているとほめやすい。壁紙でも、輸入物や和紙はほめる対象になりそう。
畳はあんまりほめる対象として意識されていないのではないか。縁(へり)つきの畳が高級だった昔と違って、縁なしの琉球畳の方が高くなっていたりして・・・。
昔はほめる対象にはなりにくかった住宅設備もほめる対象になっていそうだ。
グレードの高いシステムキッチンやバス、洗面、水栓金具などならほめられるだろう。
木製サッシなども対象になるか。
単純にみれば、昔も今も価格の高いものがほめる対象ということだろう。
ただ昔のように、ほめ言葉は定番化していない感じ。価値観多様化の表れなのか。
そのほか、最近は昔にはない「ほめ言葉」が出現しているように思う。
「○○ハウスの最高級グレードの△△」
「高気密・高断熱・24時間計画換気の□□工法」
「建築家が設計」
これらはあらたな切り口のほめ方と言えそうだ。
ただ、この3つ、それぞれの陣営がライバル同士という感があって、ちょっと面白い。
参考:
うずらもく→LINK
備後の五分縁→LINK
与太郎が、家を新築した叔父さんから小遣いをもらおうと、家をほめに会いに行く。事前に、家のほめ言葉を親父さんから教えてもらうのだが、与太郎のことだから全然覚えられなくて・・・というような話。(ちなみに最後の「落ち」が牛をほめて終わるため、「牛ほめ」というお題)
この噺の中に、昔の家の「ほめ言葉」がいくつか出てくる。
「家は総体ひのき造り、天井は薩摩の鶉木理(うずらもく)、左右の壁は砂摺りで、畳は備後の五分縁(ごぶべり)でございます」
「総体ひのき造り」は柱から板からすべて檜を使っているということ。
「うずらもく」は木目が美しい板で、うずらの羽の模様に似ているからこの名前がついている。
「砂摺り」は川砂を混ぜたしっくいで塗ってあるということ。
「備後の五分縁」は、高級畳の代表的なもの。
さて、現代における家の「ほめ言葉」ってなんだろう?
建材をほめるというのは昔も今もかわらない。
木材は、昔よりグレードダウンした水準でも自慢ができるようになっているかもしれない。「すべて国産材を使用」とか「床は無垢材」というくらいでほめることができそう。
壁などは、塗り壁というだけでもいいかも。ここのところは珪藻土とか使っているとほめやすい。壁紙でも、輸入物や和紙はほめる対象になりそう。
畳はあんまりほめる対象として意識されていないのではないか。縁(へり)つきの畳が高級だった昔と違って、縁なしの琉球畳の方が高くなっていたりして・・・。
昔はほめる対象にはなりにくかった住宅設備もほめる対象になっていそうだ。
グレードの高いシステムキッチンやバス、洗面、水栓金具などならほめられるだろう。
木製サッシなども対象になるか。
単純にみれば、昔も今も価格の高いものがほめる対象ということだろう。
ただ昔のように、ほめ言葉は定番化していない感じ。価値観多様化の表れなのか。
そのほか、最近は昔にはない「ほめ言葉」が出現しているように思う。
「○○ハウスの最高級グレードの△△」
「高気密・高断熱・24時間計画換気の□□工法」
「建築家が設計」
これらはあらたな切り口のほめ方と言えそうだ。
ただ、この3つ、それぞれの陣営がライバル同士という感があって、ちょっと面白い。
参考:
うずらもく→LINK
備後の五分縁→LINK
1、キッチン、トイレ洗面等の最新設備
2、開放感のある吹き抜け
3、収納の配置や大きさ
4、個人の趣味的な部屋、スペース
5、ハウスメーカー
くらいではないかとおもいます。
多分、今の僕なら、どんな新築の家に行っても、施主にとってストライクなほめ言葉を言う自信が少しあります(笑)。
これは是非とも竣工した我が家をほめていただかねば(笑)
さて、現代の「家ほめ」の権威がいることを思い出しました。
それは、渡辺篤史氏です。
「建もの探訪」で毎週家を見て回り、ほめまくっております。
「あれっ」「いやぁ」「ほうほう」などの感嘆した言葉を挟みながら、じつにスマートに家をほめます。
T.Fさんのいう吹き抜けもそうですが、渡辺氏はよく「大空間」なんて言葉を使いますね。
他にもよく出てくるキーワードがあるだろうし、ちょっと研究してみようかな(笑)。