「これ、三太夫、松山藩名村城にて何やら合戦があると聞こえておるが、」
「はは~流石、殿、地獄耳でございますな。ただ、合戦と申してもバテレン音曲を操る楽団による、お手合わせと相なりまする」
「面妖な、バテレン楽団とはいかなる物じゃ?」
「那覇二中藩、トミタ金融の守率いる「ていくあうと」楽団、これは、エレキテル、大太鼓、又、金筒笛、などの鳴り物に舞踊を散りばめ、米米倶楽部などの模写を行い、大人気を博しており、300人ほどのさぽーたーを動員し、こたびの合戦、盤石の布陣とのこと」
「ほほ~しからば、無謀な合戦の相手はいかなる楽団じゃ?」
首里一中藩、毬尾メヒコ酒膳の守率いる「坂東かりえんて」、でございまする。亜米利加加州の扉ず(ドアーズの事)やら、黒人青色曲、創作曲などで、「ていくあうと」に挑戦するとの事、しかるに結成4か月ばかりの弱小楽団、とてもとても太刀打ちできますまい。さぽーたーなど100人にも満たないとの事。秘密兵器と称し蛇腹式西洋鍵盤の使い手「香取ヤッホー」を客人として配しておりますが、合戦の結果は知れております」
「しかるに、三太夫、予の判官贔屓はよく存じておるであろう。その「坂東かりえんて」応援してやりたいの~。方法は無いのか?」
「殿、されば、ちけっとなる、交通手形を金子2000両にてお買い求めくだされ。さすれば、さぽーたーとなり、幾らかは助けに成りましょうぞ。更に間者「金蝙蝠砂川」によれば、「ていくあうと」あまりの余裕に楽曲の修練そっちのけで寸劇の稽古に没頭との事。油断大敵合戦の行方、まさかの番狂わせ起こらなくもないかもで、ござる」
「予の祭り好きに火が付きおったわい!!。馬を引け三太夫、いざ名村城に我参上じゃ~」
BY HACHI公