病室と輸血
集中治療室⇒個室⇒大部屋と回復するにつれて病院、患者双方とも緊張感が無くなります。で、やる事と言ったら24時間点滴、投薬、脈拍、血圧、体温のチェックだけ。病名胃潰瘍の為、絶食で入院中の楽しみ「お食事」はありません。お隣さんのお食事の様子を音で感じながら、しくしく泣くおいらさ。生まれて初めての輸血は「あ~これで純血でなくなってしまったねという喪失感51%と、献血してくれた方のお蔭で助かりましたという感謝の気持ちが49%です。真夜中の病室に静かにやって来て、そっと手を握ってくれる(脈拍チェック)看護婦さんが少しエロチックで、性的な刺激は病気回復のパワーになるねと納得。昔上京する船上でゲロ吐きながら女の事を考えて、男の業の深さに苦笑いした、MARIOさんの話を思い出してひとり暗闇で笑ったりして。
一番つらかったのは眠りが浅く、1時間おきに起床して誰もいない深夜の廊下を徘徊すること。昼間は読書、パズル、TVで暇つぶしできるのですが・・・。面白かったのは退院するまで一度も排便しなかったこと。(帰宅して消化器方面のスイッチが入ったのは体の不思議ですね)それと禁煙したこと。(帰宅後再開)
最終検査
内視鏡(胃カメラ)で患部の回復を確認してOKであれば待ち望んだ「お食事」が始まります。朝一番の検査予定がどこかの馬鹿が「血を吐いて緊急搬送されてきた」ので11時にプチ延期。迷惑ですね。自己管理の出来ない人はダメ人間です(キッパリ)。本番では過去2回暴れたせいかスタッフの皆さん(全員女性)「はちさん、暴れたら死なす」光線視線で優しく見つめてくれました。今回は暴れず、速やかに胃カメラ挿入成功。理由は「麻酔を使わなかったから」です。しっかり画面を見ながらピンクのぬるぬるが綺麗なのでホッと一安心。
1週間ぶりの待望のお食事は午後2時。病院の味気ない食器、蓋が高級料亭の膳に見え、震える手でふたを開ければ・・・あわわ、重湯(米粒は何処?)と具の入っていない透明なお汁(出汁は美味かった)と人参ゼリーの3品。お箸を落としてしまいましたが、お箸の出番はありませんでした。3品とも丸呑みの30秒で完食。
退院若しくは脱走。
「あ~はちさん、回復具合の確認で重湯から5分お粥の段階を踏んで様子を見て問題なければ退院です。今日が月曜日なので金曜日くらいになりますね」
「先生、実は私は日本国政府の特使を受け犬将軍のジャスパー&エルマー両氏から大変重要な使命があります。2日後の午後3時前に「建物等明け渡し仮執行宣告」に立会した後北朝鮮に渡りアリラン祭の司会と裏方を務めつつ金将軍にバックドロップご褒美を置土産後新都心サンエーにてドックフード39ケース購入し那覇市役所で転居届&扶養家族変更届、軽貨物業務開始届、みどり亀友の会会報編集など、極めて多忙であります。ついては退院時期について2日後の水曜日午前中を希望いたします。午後だと入浴時間が足りません」
「〇〇んdfhヴぉいえgmsrg~、(基地外は)仕方ありませんね、条件付きで退院を認めます。条件とはミッション終了後、必ず田崎病院(精神科)を受診する事、お前の頭は私には治せません」
ふたり「ぎゃはははは~」
こうして8日間の入院生活が終わる事になった。
あっ、ヤクルトも付いていたようですね。
よんでくれてありがとうございます。
あなたもご自愛ください。