<平時及び非常時兼用移動式住宅スマートモジュロ(注1)の先例か>
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大西 淳子(医学ジャーナリスト)
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2020/04/15
2020年2月に、COVID-19アウトブレイクと闘うために湖北省武漢に設置された、複数の臨時コンテナ病院は、公衆衛生のための新しい対応であり、COVID-19対策に苦慮する世界の国が参考とすべき特徴と機能を持っていた。
ドイツHeidelberg 大学のSimiao Chen氏らは、コンテナ病院が果たした役割をLancet誌電子版に2020年4月2日に報告した。
毎日数千人ずつ発症者が増加する事態になっていた武漢市では、2020年2月初めになると、COVID-19専門病院に空きベッドがなくなった。やむを得ず、軽症から中等症の患者は自宅に戻され、自宅隔離を余儀なくされた。
先ず、自宅隔離は、新たなインフラを必要としない、病院での隔離の代替として重要だが、中国当局は、軽症から中等症の患者の自宅隔離をよしとしなかった。
毎日数千人ずつ発症者が増加する事態になっていた武漢市では、2020年2月初めになると、COVID-19専門病院に空きベッドがなくなった。やむを得ず、軽症から中等症の患者は自宅に戻され、自宅隔離を余儀なくされた。
先ず、自宅隔離は、新たなインフラを必要としない、病院での隔離の代替として重要だが、中国当局は、軽症から中等症の患者の自宅隔離をよしとしなかった。
その理由は、家族が感染するリスクがあることだ。中国における初期の疫学調査では、COVID-19患者の半数以上で家族も発症しており、クラスターの75~80%は家族内で生じていた。
2番目の理由は、自宅隔離は患者にとって心理的な負荷が高いことだ。家族に感染させるのではないかという患者の不安は強い。
3番目の理由は、自宅隔離の厳格な実施を強制できないために、部分的な効果しか期待できないことだ。
4番目の理由は、自宅隔離となっている何千人もの患者に対する治療と監視を適切に行い、悪化した場合に速やかに病院に紹介することが難しい点にあった。
軽症から中等症の患者を隔離するための大規模な施設が必要になった武漢市は、専門家の意見を聞き、スタジアムや展示場などの公共な施設を転用して、大規模な臨時病院を設営することにした。コンテナ病院がオープンしたのは2月5日だった。その後数週間のうちに13病院が開設され、隔離が必要な、軽症から中等症のCOVID-19患者を収容して、治療と疾患の監視を行った。コンテナ病院開設前は、自宅で重症化した患者が3次医療機関に入院するまでに、最大で10日かかっていたが、コンテナ病院で隔離するようになってから、3次病院に移送するまでの日数は短縮された。
武漢市の新規発症者が減少し、臨時病院の必要性が低下した3月1日から、コンテナ病院は徐々に閉鎖され、3月10日に全ての病院が役目を終えた。コンテナ病院は、中国語でFangcang病院と呼ばれている。Fangcangはノアの箱舟のような意味を持つという。
病院内は、患者を収容する汚染エリア、医療従事者が個人防護具(PPE)を着脱する半クリーンエリア、納品を受けとるクリーンエリアと、2つの通路(一方は患者用で、もう一方は医療従事者用)からなる。
軽症から中等症の患者を隔離するための大規模な施設が必要になった武漢市は、専門家の意見を聞き、スタジアムや展示場などの公共な施設を転用して、大規模な臨時病院を設営することにした。コンテナ病院がオープンしたのは2月5日だった。その後数週間のうちに13病院が開設され、隔離が必要な、軽症から中等症のCOVID-19患者を収容して、治療と疾患の監視を行った。コンテナ病院開設前は、自宅で重症化した患者が3次医療機関に入院するまでに、最大で10日かかっていたが、コンテナ病院で隔離するようになってから、3次病院に移送するまでの日数は短縮された。
武漢市の新規発症者が減少し、臨時病院の必要性が低下した3月1日から、コンテナ病院は徐々に閉鎖され、3月10日に全ての病院が役目を終えた。コンテナ病院は、中国語でFangcang病院と呼ばれている。Fangcangはノアの箱舟のような意味を持つという。
病院内は、患者を収容する汚染エリア、医療従事者が個人防護具(PPE)を着脱する半クリーンエリア、納品を受けとるクリーンエリアと、2つの通路(一方は患者用で、もう一方は医療従事者用)からなる。
(注1)動く家 ムービングハウス 「スマートモデューロ」
<コロナ被災で、ドラッグストア景気が舞い上がる>
<コロナ被災で、休業業種リストラ社員を採用し、従業員負荷分散か>
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庄司 容子
しょうじ・ようこ
日経ビジネス記者
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日本経済新聞社に入社し、社会部、横浜支局を経て企業報道部へ。化学、医療、精密業界、環境などを担当。2017年4月から日経ビジネス記者。
※このプロフィールは、著者が日経ビジネス電子版に記事を最後に執筆した時点のものです。
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2020年4月15日
新型コロナウイルス=武漢離陸肺炎ウイルス=の影響で、多くの客が訪れているのがドラッグストアだ。マスクや消毒液などの関連商品を求める消費者に加え、新型コロナの発生以前から通っている慢性疾患を抱える患者などの顧客もいる。7都府県を対象に緊急事態宣言が発令されたが、ドラッグストアは日常生活の維持に必要な小売業として当然、営業を続けている。だが、最前線で働く従業員は、感染リスクによるストレスだけでなく、普段より多い来店客への対応や一部の心ない客から浴びせられる言葉などで疲弊しているのが実情だ。
全国で約1300店を展開する「スギ薬局」を傘下に持つドラッグストア大手のスギホールディングス(HD)は、4月7日から本部で働く管理系社員の3分の2を、店舗応援に送り出している。店舗の従業員が普段より休息をとりやすくするのが狙いだ。10日には、パート・アルバイトを含む約2万6000人の全従業員に特別手当を支給した。スギHDの創業者である杉浦広一会長に、現在の状況や見通しを聞いた。
4月上旬から、本部の社員が店舗に応援に行っているそうですね。
杉浦広一スギホールディングス会長(以下、杉浦氏):4月7日から、最低限必要な間接的な仕事をする2~3割の社員だけを本部に残し、ほかの7~8割の社員は店舗の応援に行っています。例えば私がいる愛知県大府市の本部は、普段は500人ほどが働いていますが、今ここで働いているのは100人ちょっと。常時、100人近くいる東京と大阪の本部も、基本的に2割くらいを残して、朝から晩まで店舗業務の支援をしています。
部長級などの管理職ももちろん、店舗に行っています。もともと5年ほど前から、本部の社員が週1回、店舗に行って仕事をするようにしていましたから、即戦力なんです。本部の社員が少しでも店に入って、倉庫の整理やトイレの掃除、レジなどの作業をして、店舗が本部と一体となって、スギ薬局の理念である「地域のお客様、患者様たちのために貢献する」ということを実現しようとしています。
毎日、幹部級社員も含めて現場に行くほど現場は切迫しているということですか。