【朝日は外国語を正確に訳すという基本的なタスクも怠っている。原稿を出しているのはカイロ支局の記者であるにもかかわらず、アラビア語を正確に訳せないのは不可解ですらある。単なる誤謬(ごびゅう)ではなく捏造(ねつぞう)のそしりも免れまい。】
★産経グループフジテレビ・・・は「飯山陽・・・イスラム教に関わる世界情勢の調査・分析者を」アフガニスタンの隣国のパキスタン・・・に駐在(注1)させて、現場現物現実の取材予算要員体制を強化して報道か>
「メディア〇〇〇さんは現場現物現実の取材予算要員体制を強化加速して“正直者のお手伝いさん5W3H”8人探し連れてきください」。
https://ja.wikipedia.org/wiki/5W1H
https://ja.wikipedia.org/wiki/5W1H
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2021/9/5 10:00
【プロフィル】飯山陽
いいやま・あかり 昭和51年、東京都生まれ。45歳。イスラム思想研究者。上智大文学部卒、東大大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。著書に『イスラム教再考』など。
飯山 陽(いいやま あかり、1976年(昭和51年)2月7日 - )は、日本のイスラム思想研究者、アラビア語通訳[1]。専門はイスラム法学[5]・イスラム教に関わる世界情勢の調査・分析など[3]。2017年(平成29年)からタイ王国のバンコクに在住していたが[3]、2021年(令和3年)7月に帰国した[6]。既婚。一女あり。夫はフジテレビディレクター。
「アフガン報道、朝日の不可解な誤謬 イスラム思想研究者・飯山陽」
アフガニスタン(注1)からの米軍撤退期限である8月31日を目前に控えた26日、首都カブールの空港そばで自爆テロが発生し、米兵やアフガン人を含む180人以上が死亡する大惨事となった。
犯行声明を出したのは「イスラム国」(IS)である。27日、朝日新聞デジタル版は「カブール空港近くの爆発、ISが犯行声明」という記事で、「声明は『米兵や彼らに協力した通訳やスパイどもの集団に、爆弾を仕掛けた車を突入させた』と主張」と報じた。
しかし、アラビア語の声明文には「自爆ベルトを爆発させた」とある。私がその旨をSNSで指摘した翌日、朝日は「声明文を読み誤りました」と修正記事を出した。
報道の役割とは何よりもまず事実を正確に伝えることであろう。朝日は外国語を正確に訳すという基本的なタスクも怠っている。原稿を出しているのはカイロ支局の記者であるにもかかわらず、アラビア語を正確に訳せないのは不可解ですらある。単なる誤謬(ごびゅう)ではなく捏造(ねつぞう)のそしりも免れまい。
アフガンでは6年前から「イスラム国ホラサン州」が活動してきた。「イスラム国」はタリバン同様、イスラム法による世界征服を目標に掲げて米国を敵視するが、タリバンも敵視する。「敵の敵は味方」という単純なロジックは通用しない。
その証拠に当該声明文には次のように書かれていた。「注目すべきは過去数年間にわたり米軍で働いてきた何百人もの外国人従業員、通訳者、スパイらをここ数週間以来、米軍がタリバン兵と協力して退避させてきたことである」
「イスラム国」にとって敵である米軍との協力は、たとえどのような目的があろうと許されない。敵との妥協は厳禁という信念は一般に、イスラム初期の7世紀に第4代カリフ・アリーが反逆者ムアーウィヤと和議を結んだことを非難したハワーリジュ派という分派のイデオロギーに由来するとされる。「イスラム国」にとってタリバンは腰抜けの裏切り者なのだ。
タリバンは外国メディアに対し、アフガンには平和が訪れたと繰り返し主張している。しかし、実際は「イスラム国」をはじめとする過激派が潜伏・活動しており、タリバンに全土の治安を維持する能力があるとは想定できない。
アフガンの試練はこれからだ。声明文すら正確に訳すことのできない朝日に、その複雑で困難な現実を正確に報じることを期待するのは無理というものであろう。
(注1)8/25(水) 6:01配信 古森 義久
古森 義久(こもり よしひさ、1941年〈昭和16年〉3月11日 - 80歳)は、日本のジャーナリスト。麗澤大学特別教授。産経新聞ワシントン駐在編集特別委員兼論説委員。国際問題評論家。国際教養大学客員教授。ジョージタウン大学「ワシントン柔道クラブ」で指導経験がある柔道家
日本とアフガニスタンの国家同士の交流は歴史が長いが、1996年にタリバンが政権を奪取してから、日本政府は後退し、現地の状況をみるという慎重姿勢となった。しかし2001年末の米国による軍事攻撃でタリバンが首都カブールから逃走し、2002年に反タリバンのアフガニスタン共和国が発足すると、日本政府は大幅な経済支援を開始した。現地の軍事制圧を果たした米国や、イギリス、ドイツ、イタリアなど北大西洋条約機構(NATO)諸国の治安維持活動を側面から支援する取り組みでもあった。
日本政府は2002年から2020年までの間に、アフガニスタン共和国に対して総額約70億ドル(現在の通貨レートで約7700億円)のODA援助を与えてきた。2019年には、日本の対外無償援助のなかでアフガニスタンへの1億2000万ドルが第2位の額だった。ちなみに1位の相手はミャンマーで1億7000万ドルだった。 アフガニスタン共和国に対する世界各国の経済援助の額では、日本は米国やイギリスなどに次いでいつも4位、5位の順位であり、アフガニスタンにとって重要な支援国となっていた。 日本政府の援助は、農業の整備や灌漑の建設などに始まり、幹線道路や空港の建設、整備などのインフラ建設に投入された。さらに日本のODAは、各地の難民の救済や警察官の訓練、警察機構への財政支援から、タリバンの武装解除、社会復帰、地雷の撤去などまで広範な領域に及んだ。 この日本の援助の究極の目的は、アフガニスタン共和国が民主主義、人権尊重、法の支配に立脚する近代国家に成長することで、イスラム原理主義のタリバンによる厳しい女性抑圧やアルカーイダのようなテロ組織との関連などを排することだった。要するに反タリバンの民主主義国家の成長を目標とする援助だったのだ。
日本は単に自国からアフガニスタンへの2国間援助を続けるだけでなく、国際的なアフガン支援の運動の推進役も務めてきた。2012年7月には、50数カ国の政府代表を東京に招き、「アフガニスタン支援の東京会合」という国際会議の主役となった。同趣旨の国際会合は2016年にもベルギーの首都ブリュッセルで開かれ、この時も日本は主要援助国として積極的な役割を果たしている。
そして日本政府は、菅政権となった2020年11月にも、スイスのジュネーブで開かれた「アフガニスタン支援の会合」に茂木敏充外務大臣がビデオ参加して、2021年から2024年までの4年間、アフガニスタンに毎年1億8000万ドルの経済援助を続けると宣言した。しかもその援助の内容はすべて民主化を支援する資金投入であり、かつてのタリバン政権によるイスラム的統治の否定でもあった。
■ 米軍全面撤退で国家の枠組みが崩壊 ところが「アフガニスタン支援の会合」からわずか9カ月後の2021年8月に入って、その計画は完全に崩れ去ってしまった。タリバンが勢力を強め、アフガニスタン共和国の政府や軍隊を崩壊させてしまったからだ。 その最大の原因は、米国バイデン政権の唐突な米軍全面撤退である。日本の経済援助は、実は米軍やNATO諸国軍隊の駐留によるアフガニスタン共和国の国家の枠組み保持があってこそ可能だったと言える。その枠組み全体が瓦解すると、日本のこれまでの政策は必然的に水泡に帰すというわけだ。 タリバンは、民主主義や人権尊重という価値観に依拠したアフガニスタン共和国の国家構築を根底から否定する。そのため、そうした国家を構築するための外国からの援助も否定されてしまうこととなる。日本の外交政策にとっては手痛い誤算であり、打撃である。 日本の外務省は今後タリバン政権に対してどのような態度をとるのか明らかにしてはいない。現地での予期せぬ激変に打つ手を失った、というところだろう。いずれにせよ現時点で明らかなのは、この展開が戦後の日本外交の大きな破綻となったという事実である。