「より一層の現場・現物・現実取材に必須の“正直者のお手伝いさん5W3H”8人ヒト・モノ・カネ体制強化加速に期待か」
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By - NEWS ONLINE 編集部 公開:2022-04-04 更新:2022-04-04
ジャーナリストの須田慎一郎が4月4日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ウクライナ情勢の今後の動きについて解説した。
〇ウクライナ政府がキーウ周辺地域を奪還したと発表
クライナのマリャル国防次官は4月2日、自身のフェイスブックに「キーウ州全域が侵略者から解放された」と投稿し、ロシア軍から奪還したことを明らかにした。一方、ゼレンスキー大統領はロシア軍が撤退の際に地雷を設置しているとして、安全が確認されるまでは住民たちに戻らないよう呼びかけている。
飯田)この週末4月2日は、ウクライナ情勢がかなり動いたなという感じがありました。
〇停戦のあり方として、オーストリアの中立をモデルにする
須田)停戦が強く意識されています。
すぐに停戦に至るわけではないでしょうけれども、そんな局面に入りつつあるのかなと感じます。
そのなかで、ヨーロッパサイドの停戦のあり方のモデルとして有力になっているのが、オーストリアのケースです。
飯田)オーストリア。
須田)オーストリアは第二次世界大戦でナチスドイツに併合され、枢軸国側に立って戦ったという経緯があります。
あまりよく知られていないのですが、第二次世界大戦の終戦によって、その全域が旧ソ連軍に占領されたのです。
〇NATOには加わらないがEUには加盟する
須田)占領しているソ連軍にどう撤退してもらうのかというところで、「永世中立国」という道を選びました。
これが1つの条件だったのです。
西側の軍事同盟には加わらないということが前提です。
そしてもう1つの条件が、ウィーンに旧ソ連軍の戦勝記念碑があるのですが、これを未来永劫保存するというおかしな条件も付いていました。
飯田)西側の軍事同盟に加わらない。
須田)「西側の軍事同盟には加わらない」ということを踏まえて考えると、NATOには加わらないけれどもEUには加盟する。
EUというのは経済的な結びつきであり、安全保障面の決まりもあるのです。しかし、軍事同盟という建て付けではないので、EUに加盟することで、
一定程度の緩やかな連帯を通じて安全保障を担保するというイメージが湧いてくるのです。
〇東部2州の独立とクリミア半島の主権問題
飯田)なるほど。当時、オーストリアは東側とも国境を接していて、条件としては近いものがある。これを参考にするということですね。
須田)中立化ということはヨーロッパからすれば、オーストリアの件が1つのイメージとしてあるのですが、それをロシアがのむかというのはまた別問題です。
飯田)ロシアが認めるかどうかは。
須田)ポイントは2つあります。
①東部2州をどうするのかということと、
➁クリミア半島の主権問題です。
➁クリミア半島の主権に関しては、15年間かけて協議するということをウクライナ側は主張していますが、おそらくロシアはのまないでしょう。
しかし、15年間の先送りということですから、ここはギチギチに詰めるような話ではないのかなと思います。
いずれにしても、東部2州のロシアによる占領をどこまで認めるかということになると思います。
〇ロシア軍が東部2州に限りある戦力を投入する可能性も
飯田)ドネツク、ルガンスクの両州に関しては、2014~2015年の侵略のあとミンスク合意が交わされました。
住民投票を行うなどという条項が入っていますけれども、この辺りをどう扱うのかということになりますか?
須田)ゼレンスキー大統領が停戦協議に入った当初に言っていたのが、「ロシア軍の侵攻が始まった2月24日以前の地点までロシア軍は撤退しろ」ということです。
そうすると、ロシアは承認しましたけれども、未承認国家と言われている自称共和国がありますが、あのラインまで下がらないといけないということです。
飯田)侵攻が始まる前の地点まで。
須田)プーチン大統領は、5月9日の戦勝記念日までに勝利宣言を行いたいと考えているようですが、そこまで下がったときに、勝利宣言と言えるのかどうかという問題があります。
飯田)旧ソ連の対独戦勝記念日に。
須田)今回のウクライナ侵攻に関して言うと、「ロシアが得たものは何なのか」ということになってしまいますので、ゼレンスキー大統領の要求はかなりボールが高いのです。
そこからロシア側の要求とすり合わせが行われるとなると、ロシアはそこで既成事実を積み上げるために、東部2州に限りある戦力を投入してくるのではないでしょうか。
飯田)キーウ周辺からロシア軍が後退したというのは、それだけで喜べるような話ではなく、むしろ東側の方がより苛烈になる可能性が高いということですか?
須田)もちろん、キーウ周辺の軍隊がそのまま移行するわけではないですけれども、そこに戦力と資金を集中して投入するということなのだろうと思います。