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中国人民解放軍による台湾ADIZ進入2022年11月17日 地域研究部米欧ロシア研究室 相田 守輝

2023-09-20 16:46:59 | 連絡
中国人民解放軍による台湾ADIZ進入①  ― この2年間を概観する ―
第246号2022年11月17日 地域研究部米欧ロシア研究室 相田 守輝
http://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary246.pdf
台湾周辺で軍事的プレゼンスを高める中国の言動は、周辺国のみならず、国際社会にとって強い警戒の対象となっている1。
中国と台湾との軍事力の差は今や明確であり、中国の力に物を言わせる強硬姿勢を受けて、2027年までに台湾侵攻が生起するのではないかとも懸念されている2。
その代表的な中国の軍事行動として、2020年頃から台湾の防空識別圏(Air Defense Identification Zone:ADIZ)に対し、中国人民解放軍(People's Liberation Army: PLA)の航空機が進入するケースが頻発している3。
台湾は2020年9月17日からインターネット上でこれら状況を、その都度発信しており、既に2年以上が経過している4。
本研究の目的は、中国の軍事行動が何を意味しているのかを考究することにある5。
そこで本稿では、その第一弾として台湾国防部が2年にわたり公表してきた全ファクト・データを分析評価することにより、PLA機による台湾ADIZ進入の状況を概観していく。
その際、2年間観測してきた筆者の視点から当時の背景情報などを補足しながら評価してくこととする。
一方、中国の軍事行動には非常に多くの特徴が見て取れる。
本稿では、紙幅の関係上、台湾ADIZ進入を概観するだけにとどめるが、更に掘り下げるべき内容に関しては、今後のコメンタリーにて検討を重ねていくこととしたい。
〇台湾ADIZ進入とは
そもそもADIZとは、航空機がその国の領空に到達する前に早期に識別することを目的に設定された空域のことである。
そのため、航空機の航空交通の安全に供する目的において特別な識別および報告手続きに従わせることを主権国家が要求できるように規定されている。
1950年代に米国をはじめ日本や台湾もADIZを設定しているが、台湾ADIZを議論する際には歴史的な文脈を踏まえる必要がある。
図1のとおり、ほぼ長方形のように境界線で囲まれた台湾ADIZでは、その一部が江西省にまで達するほど中国大陸の深くにまで及んでいることがわかる。
台湾国防部は、1954年の米華相互防衛条約が締結された当時の地図に基づいて、PLA機による台湾ADIZ進入の状況をインターネット上で公開しているが、台湾が喫緊の課題として窮状を訴えているのは、図中の「中間線」よりも南側で、かつ境界線で囲まれた空域で生起している事象のことである。
この「中間線」は、米国が台湾海峡を挟んだ中台の大規模な対立を防ぎ、かつ自制させる目的で設定した6。
では実際に、PLA機はどのように台湾ADIZへ進入してくるのであろうか。
台湾国防部のホームページによると、中国大陸の各飛行場から飛び立ったPLA機は、図1のように、様々なパターンで台湾ADIZに進入している。


最も多い典型的なパターンは、
図中Aのように、福建省南部沖の「中間線」の南側の空域から台湾南西部の空域に飛来し、反転した後に北上して大陸に戻るパターンである。
図中Bのように、台湾ADIZ境界線と必ずしも一致しないものの、南部の境界線に沿いながら台湾の東海上まで飛行し引き返すパターンもある。
これら図中AとBの進入パターンには、PLA機が飛行する針路の延長線上に米海軍などの主要艦艇が航行していたケースもあり、PLA機が編隊で飛行しながら対艦ミサイルなどの発射をデモンストレーションしていたものと考えられている。
また
図中Cのような進入パターンは、PLA戦闘機に多く見られ、ADIZ境界線を越え入域するとすぐに引き返し出域するケースも少なくない。
〇2年間にわたるPLA機の台湾ADIZ進入の状況とは
台湾国防部がインターネット上で公表をはじめた2020年9月17日から2022年9月17日に至るまでの2年間、PLA機はどのように台湾ADIZに進入していたのであろうか。
全データを統計すると、台湾ADIZへの進入機数は図2のとおりに推移しており、2年間の総数は2,324機にものぼる7。
本稿では概要を把握することに努めるため、多様なPLAの進入機をあえて
①「哨戒機・早期警戒管制機」クラス(青色)、
②「戦闘機・爆撃機」クラス(桃色)、
③「ヘリ・輸送機・無人機」クラス(緑色)と大きくクラス分けし、細部機種については図2の中で示した。
このグラフを見れば、台湾ADIZに進入してくるPLA機が次第に増加しているのが一目瞭然である。
青色で着色した
①「哨戒機・早期警戒管制機」クラスに関しては、月平均27機前後の機数で安定的に推移している。
実際、最低2日に1回程度はY-8ASWのような哨戒機が進入する傾向にあり、日常的なパトロール飛行を行っていることが伺える。
一方、
桃色で着色した②「戦闘機・爆撃機」クラスに関しては、その進入時期が流動的である。
2020年9月以降、徐々に増加傾向をたどっていたが、
2021年10月に160機と急増し、また
2022年8月に422機と急増した。
これらの要因分析は、中国の軍事行動を考究する上において有益な視座を与えている

台湾が公表をはじめた2年前の
2020年9月17日を思い起こせば、米国務省クラック(Keith Krach)次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が李登輝元総統の告別式(19日)に出席するために台湾を訪問した際に8、PLA機が18日に18機、19日には19機と進入してきた。
2020年9月当時には、PLA戦闘機が延べ36機ほど進入しただけで衝撃的なニュースとなっていた。
しかしながら、直近の2022年8月、米国のペロシ(Nancy Pelosi)下院議長が台湾を訪問したことを契機に、中国は台湾周辺で「重要軍事演習」を行い9、その演習の一環として戦闘機が多く活用された結果、延べ422機ものPLA戦闘機が進入しており、その烈度は2020年当時をはるかに上回るものとなっている。
米国の政府高官等が台湾を訪問するたびに、あるいは米軍等が台湾周辺で活動するたびに、中国当局が「不満を表す手段」として
②「戦闘機・爆撃機」クラスの航空機を進入させているが、2021年10月に戦闘機の進入機数が160機と急増した背景には複数の要因が考えられる。
まず、直前の9月の米英豪によるAUKUS結成の公表があり、台湾政府によるTPP加入の表明もあった。
また英海軍空母クイーンエリザベス号をはじめとする数か国の海軍艦艇による南シナ海でのFONOP活動や台湾近海での演習も一因として考えられる10。
更に、中国の国慶節(10月1日)と台湾の国慶節(10月10日)の間に、中国が国力の差を見せつけたと捉えることもできるだろう。
このように中国にとって政治的に敏感な情勢となれば、対抗する手段として、比較的に使い勝手の良いエアパワーを政治的に利用していると見ることもできよう。
③「ヘリ・輸送機・無人機」クラスに関しては、2021年夏ごろから台湾ADIZに様々な機種がしばしば進入しはじめている。
具体的には、2021年8月26日にはZ-9 ASW(対潜哨戒ヘリ)が、同年11月28日にはY-20AR(空中給油型輸送機)が、2022年9月5日以降にはBZK-005(偵察型無人機)などの無人機が、それぞれ進入している。
以下
このグラフを見れば、台湾ADIZに進入してくるPLA機が次第に増加しているのが一目瞭然である。
青色で着色した①「哨戒機・早期警戒管制機」クラスに関しては、月平均27機前後の機数で安定的に推移している。
実際、最低2日に1回程度はY-8ASWのような哨戒機が進入する傾向にあり、日常的なパトロール飛行を行っていることが伺える。
一方、桃色で着色した②「戦闘機・爆撃機」クラスに関しては、その進入時期が流動的である。
2020年9月以降、徐々に増加傾向をたどっていたが、2021年10月に160機と急増し、また2022年8月に422機と急増した。
これらの要因分析は、中国の軍事行動を考究する上において有益な視座を与えている。
台湾が公表をはじめた2年前の2020年9月17日を思い起こせば、米国務省クラック(Keith Krach)次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が李登輝元総統の告別式(19日)に出席するために台湾を訪問した際に8、PLA機が18日に18機、19日には19機と進入してきた。
2020年9月当時には、PLA戦闘機が延べ36機ほど進入しただけで衝撃的なニュースとなっていた。
しかしながら、直近の2022年8月、米国のペロシ(Nancy Pelosi)下院議長が台湾を訪問したことを契機に、中国は台湾周辺で「重要軍事演習」を行い9、その演習の一環として戦闘機が多く活用された結果、延べ422機ものPLA戦闘機が進入しており、その烈度は2020年当時をはるかに上回るものとなっている。
米国の政府高官等が台湾を訪問するたびに、あるいは米軍等が台湾周辺で活動するたびに、中国当局が「不満を表す手段」として②「戦闘機・爆撃機」クラスの航空機を進入させているが、2021年10月に戦闘機の進入機数が160機と急増した背景には複数の要因が考えられる。
まず、直前の9月の米英豪によるAUKUS結成の公表があり、台湾政府によるTPP加入の表明もあった。
また英海軍空母クイーンエリザベス号をはじめとする数か国の海軍艦艇による南シナ海でのFONOP活動や台湾近海での演習も一因として考えられる10。
更に、中国の国慶節(10月1日)と台湾の国慶節(10月10日)の間に、中国が国力の差を見せつけたと捉えることもできるだろう。
このように中国にとって政治的に敏感な情勢となれば、対抗する手段として、比較的に使い勝手の良いエアパワーを政治的に利用していると見ることもできよう。
③「ヘリ・輸送機・無人機」クラスに関しては、2021年夏ごろから台湾ADIZに様々な機種がしばしば進入しはじめている。具体的には、2021年8月26日にはZ-9 ASW(対潜哨戒ヘリ)が、同年11月28日にはY-20AR(空中給油型輸送機)が、2022年9月5日以降にはBZK-005(偵察型無人機)などの無人機が、それぞれ進入している。
このグラフを見れば、台湾ADIZに進入してくるPLA機が次第に増加しているのが一目瞭然である。
青色で着色した①「哨戒機・早期警戒管制機」クラスに関しては、月平均27機前後の機数で安定的に推移している。
実際、最低2日に1回程度はY-8ASWのような哨戒機が進入する傾向にあり、日常的なパトロール飛行を行っていることが伺える。
一方、桃色で着色した②「戦闘機・爆撃機」クラスに関しては、その進入時期が流動的である。
2020年9月以降、徐々に増加傾向をたどっていたが、2021年10月に160機と急増し、また2022年8月に422機と急増した。
これらの要因分析は、中国の軍事行動を考究する上において有益な視座を与えている。
台湾が公表をはじめた2年前の2020年9月17日を思い起こせば、米国務省クラック(Keith Krach)次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が李登輝元総統の告別式(19日)に出席するために台湾を訪問した際に8、PLA機が18日に18機、19日には19機と進入してきた。
2020年9月当時には、PLA戦闘機が延べ36機ほど進入しただけで衝撃的なニュースとなっていた。
しかしながら、直近の2022年8月、米国のペロシ(Nancy Pelosi)下院議長が台湾を訪問したことを契機に、中国は台湾周辺で「重要軍事演習」を行い9、その演習の一環として戦闘機が多く活用された結果、延べ422機ものPLA戦闘機が進入しており、その烈度は2020年当時をはるかに上回るものとなっている。
米国の政府高官等が台湾を訪問するたびに、あるいは米軍等が台湾周辺で活動するたびに、中国当局が「不満を表す手段」として②「戦闘機・爆撃機」クラスの航空機を進入させているが、2021年10月に戦闘機の進入機数が160機と急増した背景には複数の要因が考えられる。
まず、直前の9月の米英豪によるAUKUS結成の公表があり、台湾政府によるTPP加入の表明もあった。
また英海軍空母クイーンエリザベス号をはじめとする数か国の海軍艦艇による南シナ海でのFONOP活動や台湾近海での演習も一因として考えられる10。
更に、中国の国慶節(10月1日)と台湾の国慶節(10月10日)の間に、中国が国力の差を見せつけたと捉えることもできるだろう。
このように中国にとって政治的に敏感な情勢となれば、対抗する手段として、比較的に使い勝手の良いエアパワーを政治的に利用していると見ることもできよう。
③「ヘリ・輸送機・無人機」クラスに関しては、2021年夏ごろから台湾ADIZに様々な機種がしばしば進入しはじめている。具体的には、2021年8月26日にはZ-9 ASW(対潜哨戒ヘリ)が、同年11月28日にはY-20AR(空中給油型輸送機)が、2022年9月5日以降にはBZK-005(偵察型無人機)などの無人機が、それぞれ進入している。
このグラフを見れば、台湾ADIZに進入してくるPLA機が次第に増加しているのが一目瞭然である。
青色で着色した①「哨戒機・早期警戒管制機」クラスに関しては、月平均27機前後の機数で安定的に推移している。
実際、最低2日に1回程度はY-8ASWのような哨戒機が進入する傾向にあり、日常的なパトロール飛行を行っていることが伺える。
一方、桃色で着色した②「戦闘機・爆撃機」クラスに関しては、その進入時期が流動的である。
2020年9月以降、徐々に増加傾向をたどっていたが、2021年10月に160機と急増し、また2022年8月に422機と急増した。
これらの要因分析は、中国の軍事行動を考究する上において有益な視座を与えている。
台湾が公表をはじめた2年前の2020年9月17日を思い起こせば、米国務省クラック(Keith Krach)次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が李登輝元総統の告別式(19日)に出席するために台湾を訪問した際に8、PLA機が18日に18機、19日には19機と進入してきた。
2020年9月当時には、PLA戦闘機が延べ36機ほど進入しただけで衝撃的なニュースとなっていた。
しかしながら、直近の2022年8月、米国のペロシ(Nancy Pelosi)下院議長が台湾を訪問したことを契機に、中国は台湾周辺で「重要軍事演習」を行い9、その演習の一環として戦闘機が多く活用された結果、延べ422機ものPLA戦闘機が進入しており、その烈度は2020年当時をはるかに上回るものとなっている。
米国の政府高官等が台湾を訪問するたびに、あるいは米軍等が台湾周辺で活動するたびに、中国当局が「不満を表す手段」として②「戦闘機・爆撃機」クラスの航空機を進入させているが、2021年10月に戦闘機の進入機数が160機と急増した背景には複数の要因が考えられる。
まず、直前の9月の米英豪によるAUKUS結成の公表があり、台湾政府によるTPP加入の表明もあった。
また英海軍空母クイーンエリザベス号をはじめとする数か国の海軍艦艇による南シナ海でのFONOP活動や台湾近海での演習も一因として考えられる10。
更に、中国の国慶節(10月1日)と台湾の国慶節(10月10日)の間に、中国が国力の差を見せつけたと捉えることもできるだろう。
このように中国にとって政治的に敏感な情勢となれば、対抗する手段として、比較的に使い勝手の良いエアパワーを政治的に利用していると見ることもできよう。
③「ヘリ・輸送機・無人機」クラスに関しては、2021年夏ごろから台湾ADIZに様々な機種がしばしば進入しはじめている。具体的には、2021年8月26日にはZ-9 ASW(対潜哨戒ヘリ)が、同年11月28日にはY-20AR(空中給油型輸送機)が、2022年9月5日以降にはBZK-005(偵察型無人機)などの無人機が、それぞれ進入している。
以下
http://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary246.pdf

参照



台湾危機は2027年までに起きるのか? アメリカ、インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン前司令官2022年1月18日NHKスペシャル取材班

2023-09-20 15:12:42 | 連絡
「台湾を巡る危機が2027年までに顕在化するおそれがある」
こう警告するのは、去年まで現役だったアメリカのインド太平洋軍の前司令官です。
この発言がきっかけとなり、いま、中国が軍事力を背景に台湾統一に乗り出す日が近づいているのではないかという懸念が広がっています。
実際に起きてしまったら、アメリカの同盟国、日本にも影響がある台湾有事。危機は本当に近づいているのか?そして、中国は何を考えているのか?取材しました。
(NHKスペシャル取材班/国際部記者・濱本こずえ、沖縄局記者・高田和加子、中国総局記者・渡辺壮太郎)
国際部記者
濱本 こずえ
2009年入局。函館局、大阪局などを経て現所属。
関心分野は、アメリカ、中国、ITテクノロジー。
沖縄放送局記者
高田 和加子
2008年入局。2020年秋まで3年余、台湾で中台関係や日米台関係を取材。
 中国総局記者
渡辺 壮太郎

2010年入局。
徳島・沖縄・国際・政治などを経て、2020年8月から現所属。
::::: 
〇 台湾危機は2027年までに?“デービッドソン・ウィンドー”とは
 「中国が野望を加速させるのを懸念する。台湾は野望の一つであり、今後6年以内に脅威が顕在化する」
これは、アメリカ、インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン前司令官(去年4月まで現役。海軍大将として退役)が、去年3月、アメリカの議会上院軍事委員会の公聴会で発した警告です。
中国と対じするインド太平洋軍の現役司令官が、具体的な期限を示して中国による台湾侵攻の可能性を指摘したこの発言は、大きなニュースとなり、台湾有事が近づいているのではないかという懸念が広がりました。


デービッドソン氏の「今後6年以内」という発言をもとにすると、5年後の2027年までということになります。
どのような根拠に基づいて具体的な期限を示したのでしょうか?デービッドソン氏本人に尋ねました。  
デービッドソン前インド太平洋軍司令官
「(中国共産党の)人民解放軍は、米情報機関の分析よりも速いペースで兵器を開発している。これに習近平氏の任期をあわせて考えると、この時期が特に重要となる」
なぜ、デービッドソン氏は、中国共産党の習近平国家主席の任期に言及したのでしょうか?習主席は、ことし、党トップとして2期目の任期が終わり、異例の3期目を目指しているとされています。

それが実現すれば、3期目の任期の終わりは2027年になります。
デービッドソン氏は、この時期までに習主席が歴史に残るような「政治的な成果」をあげようとするとみていて、それが中国共産党にとっての悲願である台湾統一だろうというのです。
デービッドソン氏は、習主席が仮に侵攻の意図を持った場合、アメリカ軍のいまの戦力ではそれを抑止できないのではないかという危機感を抱いています。
その危機感が示されているのが、デービッドソン氏がアメリカ議会に提出した米中の戦力の比較などをまとめた資料です。
戦力という点で、台湾海峡を含む東アジアにおけるアメリカ軍の優位性が急速に崩れていると主張しています。
 資料には、この20年あまりのアメリカ軍と中国の人民解放軍の戦力バランスの変化がわかりやすくまとめられています。
いまから23年前の1999年にさかのぼると、アメリカ軍はこの地域で1隻の空母のほか、強襲揚陸艦を4隻配備していました。
これに対して、中国にそうした艦艇はありません。
中国の影響力がおよぶ範囲は、沖縄や台湾を結ぶ第1列島線と呼ばれるラインにとどまっていました。
実際に、1996年に起きた「台湾海峡危機」ではその差がものをいいました。
 当時、台湾では、独立姿勢を強めていると中国が警戒した李登輝総統が初の民主的な選挙で選ばれる可能性が高まり、中国は台湾海峡のふたつの海域を封鎖して、演習としてミサイルを発射。
軍事力を誇示して、選挙を控える台湾に圧力をかけたのです。
これに対して、アメリカは台湾周辺に2隻の空母を派遣、中国は力で押さえ込まれるかたちとなりました。
それから20年あまりがたった去年、2021年時点では、米中の戦力のバランスは中国側に傾いています。




アメリカの戦力は大きく変わらないのに対して
、中国は空母を2隻保有するようになりました。
そのほか、強襲揚陸艦や潜水艦、それに戦闘機の数でもアメリカを上回るまでに増強されています。

それに伴い、中国の影響力は、第1列島線を越え、グアムなどを結ぶ第2列島線と呼ばれるラインにまでに到達。日本もその範囲のなかに入っています。 
そして、さらに、いまから3年後の2025年の戦力比の予測では、その影響力は西太平洋全域に広がると指摘しています。




中国





が、この戦力の差を背景に、力で台湾統一を押し進めようとしたとき、アメリカはそれを思いとどまらせることができないおそれがある。

それがデービッドソン氏が伝えたかった懸念です。
デービッドソン前司令官
「この地域でのアメリカと同盟国の能力の低下を懸念している。台湾での危機は地域全体の危機にもなる」

デービッドソン氏が指摘した
2027年までの期間は、いまでは軍事関係者などの間で“デービッドソン・ウインドー”とも呼ばれ、危機までの残された時間、という捉え方をされるようにもなっています。 
〇台湾で懸念が高まる中国の脅威
では、台湾では中国の侵攻の可能性への懸念は高まっているのでしょうか?台湾で取材すると、中国の軍事的な圧力が強まっている一端が見えてきました。
取材をしたのは、台湾南部にある台南空軍基地。
日本のメディアが取材を認められるのは初めてです。
基地は、台湾の南西空域を管轄していて、スクランブル=緊急発進で戦闘機が飛び立つ回数は、台湾の基地のなかで最も多くなっています。
基地でミサイルの装填作業を撮影している間にも、スクランブルが行われていました。
台湾国防部の発表によれば、台湾が設定している防空識別圏の南西空域に中国軍機が進入したのは、2019年は10機ほどだったのが、2020年には380機ほど、2021年は1000機近くに急増しています。
<
中国人民解放軍による台湾ADIZ進入2022年11月17日 地域研究部米欧ロシア研究室 相田 守輝
https://blog.goo.ne.jp/globalstandard_ieee/e/0372ade1e25c9bfcf10aa9e2414a1266

>
これについて、中国は、主権と領土を守ることが目的だとしています。
基地では、急増するスクランブルへの対応で業務がこれまでになくひっ迫しています。
そうしたなかで、防衛の最前線に立ちたいと、戦闘機のパイロットへの配置転換を希望する人も出ています。
軍で事務の仕事をしていた女性。
厳しい訓練を続けています。
突然、基地内にとどろく「スクランブル!」のかけ声。
それから5分以内に戦闘機で飛び立たなければなりません。
  女性パイロット
「私の目標は台湾海峡の安全を守ることです。(家族は)反対していましたが、今は応援してくれています」
 
台湾の世論調査でも、中国による武力行使が現実味を帯びてきていると捉える人が増えています。
去年10月に行われた世論調査では、中国による台湾攻撃がありうると考える人は28.1%で、前回(3年前、2019年)の調査からおよそ12ポイント増えました。
蔡英文総統は、軍事的な圧力を強める中国に対し、台湾との立場の違いを平和的に解決するよう強く求めていて、今月1日に発表した新年の談話でも、中国当局に向けて、「情勢判断を誤ってはならず、内部で軍事的冒険主義が広がるのを防ぐべきだ。台湾海峡両岸の立場の違いを解決させる選択肢として軍事は絶対にない」と述べています。
 〇中国は台湾に侵攻するつもりなのか?
 それでは、中国の意図はどこにあるのでしょうか?台湾をめぐり、習近平国家主席は、去年10月の演説でこう述べています。 
習近平国家主席
「台湾問題は中国の内政であり、外部からのいかなる干渉も許さない。
祖国の完全な統一という歴史的な任務は必ず実現しなければならないし、実現できる」 
習主席の考えを知るとされるキーマンに取材を試みました。 
中国国防大学の劉明福教授。
 
習主席が掲げる「中華民族の偉大な復興を実現する」というスローガン、「中国の夢」に影響を与えたとされています。
 劉教授がおととし記した「強軍の夢」
 
と題する著書は、中国が海軍力を高めることで世界一の軍隊となり、アメリカの覇権を崩すことができると唱えています。
著書を出版したのは、中国共産党の幹部養成機関、中央党校の出版社。
つまり、その内容は、党のお墨付きを得ているともいえます。
「強軍の夢」の中に記されている一文です。
中国が国家の主権を堅く守り 国家の統一をはかり 民族の復興を実現する主戦場は海洋である。「海洋を制する者が世界を制する」
劉教授は、中国がアメリカに軍事力で押さえ込まれた1996年の「台湾海峡危機」を踏まえ、これまで軍備を増強し、それが習主席の時代にさらに加速していると指摘します 
劉明福教授
「中国の国力がアメリカを超え、アメリカが西太平洋から東太平洋に後退するまでそれほど時間はかからないだろう。中国の海洋戦略では、まず自国の海洋権益を守らねばならず、最優先事項は、台湾海峡だ。アメリカが台湾問題に干渉し、軍事的に中国の統一を妨害しているが、習近平の新時代に必ずやりとげなければならない」
その上で、2027年までに中国が台湾に侵攻するのか。
その可能性を問うとー
 劉明福教授
「これは最高軍事機密であって、絶えず変化しているものだ。『台湾独立勢力』の変化、アメリカの軍事力の変化、とくに中国の軍事力の発展と進歩に伴うもので、(デービッドソン氏のような)一種の具体的な意見にはまり込んではいけない。日本は、日米同盟である以上、アメリカの行動に協力し、ともに行動する必要があるが、アメリカとともに、中国の海洋権益を犯す動機があるのかどうかは、日本の国民が考えるべきだ」 
劉教授は、中国はこれから軍事的にアメリカに「追いつき」「並び立ち」、そして「追い越す」段階を踏んでいくとしています。

それに対してアメリカがみずからの覇権を守ろうと躍起になり中国への攻勢を強めれば、緊張がさらに高まる可能性もあると考えています。
それでも「台湾の統一は必ず実現する」と断言し、どんな状況に陥っても国家の悲願は譲らないという、強い決意と自信をにじませました。
 〇高まる米中の緊張に出口は?
中国による台湾侵攻の可能性が近づいているというアメリカの前司令官の警告。
その警告を入り口に関係者に取材して見えてきたのは、米中の軍事バランスの変化で不安定さが増す台湾海峡のいまです。
 台湾有事が2027年までに起きるのかは確信が持てませんでしたが、現実味が増しているのではないかという印象を持ちました。

その疑問を米中関係に生涯をささげてきたある人物にぶつけました。
50年以上前にアメリカと中国の国交樹立に向けキッシンジャー大統領補佐官(当時)とともに訪中した経験もある元外交官のウィンストン・ロード氏です。
ロード氏は、中国の軍事力の増強は、台湾の独立を防ぐことが目的で、侵攻する可能性は低いという見方を示しながらも、先を見通すことは困難だと語りますー。
ウィンストン・ロード 元アメリカ駐中国大使
「中国が今後どうなるかは50年関わってきた私のような者ですら予測するのは難しい。
問題は事故や誤算が起きる可能性があることだ。
台湾、東シナ海、南シナ海、どこでも起こりうる。
そうならないための“ガードレール”が必要だ。
今後も厳しい競争は続くだろうが衝突は避けなければならないし、避けられることを願う」
ひとたび起きてしまえばアメリカの同盟国である日本への影響は必至な台湾有事。
ロード氏が語るように、いまほどアメリカと中国の衝突を防ぐ「ガードレール」の存在が必要になっている時はないと感じました。
ー>
後編記事:
 “台湾危機” 米中のはざまで 日本は、2022年1月19日 16時12分  
に続く

9/20(水)白露13日#東京都大田区#洗濯指数#06:00発表#大変よく乾く、バスタオルでも十分に乾きそう

2023-09-20 08:00:31 | 連絡
◇東京都大田区の洗濯指数のサイト
https://tenki.jp/indexes/cloth_dried/3/16/4410/13111/

〇東京都大田区#洗濯指数#06:00発表
#大変よく乾く、バスタオルでも十分に乾きそう

 

9/20(水)白露13日#😀あご引き・胸出し・神経クリーニング

2023-09-20 07:47:17 | 連絡
◇神経クリーニングのサイト:
https://kudohchiaki.jp/director/publication/book
◇神経クリーニングの参考文献:女性自身  2016年12月13日号 のサイト:
https://kudohchiaki.jp/_p/acre/16656/documents/pub-2016-12_c.pdf




◇楽らくエクササイズのサイト
https://hibikikai-tokyo.or.jp/schedule/monthly-senior/




9/20(水)白露13日#脳神経外科医が教える#😀病気にならない神経クリーニング

2023-09-20 07:42:16 | 連絡
◇神経クリーニングのサイト:
https://kudohchiaki.jp/director/publication/book

◇神経クリーニングの参考文献:女性自身  2016年12月13日号 のサイト:
https://kudohchiaki.jp/_p/acre/16656/documents/pub-2016-12_c.pdf