シリア国境に近いトルコ南東部で6日未明、マグニチュード(M)7.8の大きな地震が発生し、これまでに両国で4000人近くが亡くなっている。
震源地のガジアンテプ市付近ではその後、余震を含む地震が多発しており、半日後にはM7.5規模の地震も起きている。
〇どれくらいの規模なのか
ユニヴァーシティ・コレッジ・ロンドンのリスク・防災研究所を所長を務めるジョアナ・フォーレ・ウォーカー教授は、「この10年で同程度の地震はわずか2回、その前の10年にも4回しか起きていない」と説明する。
しかし、被害の規模は揺れの大きさだけで決まるものではなく、建物の安定性も要因となる。
英ポーツマス大学で火山学とリスク・コミュニケーションを研究するカーメン・ソラナ博士は、「残念ながら、トルコ南部や特にシリアでは、耐震性のあるインフラはまばらにしかないため、人命救助の大半は、救助活動にかかっている。生存者発見には次の24時間が重要だ。48時間以降には、生存者の数は大きく減ってしまう」と述べた。
この地域では200年以上、大きな地震がなく、警戒すべき兆候もなかった。
そのため、地震の対応に慣れている地域に比べると、対策はできていなかったといえる。
地球の地殻はいくつかのプレートに分かれており、互いに寄り添っている。
プレートは動こうとするが、隣り合っているプレートとの摩擦に阻まれる。しかし時に、この圧力が貯まり、片方のプレートが急に動き、地表面が振動する。
今回の地震では、アラビアプレートが北方向に、アナトリアプレートをこすりながら動いた。
1822年8月13日にこの地域で起きた地震はM7.4と、今回の地震よりもマグニチュードはかなり低かった。
しかし、その被害は大きく、アレッポだけで死者は約7000人に上った。
その後、余震が1年近く続き、被害を重ねたという。
今回の地震でもすでに余震が起きており、科学者らは過去の地震と同じような傾向をたどるのではないかとみている。
モーメント・マグニチュード(Mw)と呼ばれる指標が、地震の規模を表す際に使われている。
以前はリヒター・スケールと呼ばれる指標が使われていたが、これは精度が低いと今では言われる。
マグニチュードは、断層が動いた距離と、断層を動かした力の見合わせから算出される。
M2.5以下の揺れは通常、感じることができないが、器械では計測できる。
M5までの地震は感じることができ、軽度の被害につながる。
今回のM7.8という揺れは「大地震」と分類され、深刻な被害をおよぼす。
M8以上の地震は大災害となり、震央に近いコミュニティーを完全に破壊する可能性がある。
2011年の東日本大震災はM9を記録し、各地に大きな被害をもたらした。
また、津波を引き起こし、沿岸の福島第一原発事故にもつながった。
https://blog.goo.ne.jp/globalstandard_ieee/e/6f4b10bdb3dd963bcd8bd92a47ebcddd
観測史上最も大きな地震は、1960年にチリで起きたもので、M9.5を記録している。
(英語記事 Why was the earthquake so deadly? )
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