日経Gooday(グッデイ)より抜粋
健康長寿の超エリート、スーパーセンチナリアン
日本では、100歳を超えて生きる人「百寿者」が増え続けている。住民基本台帳を用いた調査では、1970年の百寿者は310人、その30年後の2000年には1万3036人。その後は伸び率がぐんぐん上がり、2010年は4万4449人、2015年は6万1568人、そして2022年には9万526人にまで達している。10万人を超える日も近いだろう。
では、なぜ百寿者は長生きできるのだろう。健康長寿の秘密を探るために慶應義塾大学医学部では1992年以降、百寿者を直接訪ね、健康・生活状態を調査してきた。さらに2000年以降は百寿者を、できるかぎり亡くなるまで追跡する「コホート研究」を開始。その詳細を分析することで「長生きのカギ」を深掘りしていくためのヒントが見えてきた。
同大学 百寿総合研究センター センター長の新井康通教授は「2006年に私たちが発表したデータでは、百寿者のなかでも自分で着替えができる、食事ができるなど自立した生活を送っているのは2割ほどでした」と解説する。そして、2割の人のなかから105歳以上、さらには110歳以上まで生きる人が出てくることが分かったという。
同センターでは100~104歳を「百寿者」、105~109歳を「超百寿者(セミスーパーセンチナリアン)」、110歳以上を「スーパーセンチナリアン」として、105歳以上の本人の健康状態やその家族の特徴などに関するさまざまな情報を解析することで、「老化とは何か?」「老化は遅らせられるのか?」に対する答えを探っている。
特に世界の研究者が注目しているのは、「健康長寿の超エリート」と言えるスーパーセンチナリアンの研究だ。「スーパーセンチナリアンは100歳時点の認知機能がほぼ正常、日常生活もほぼ自立している」と新井教授。そのデータを100人分以上保持しているのは世界でも百寿総合研究センターだけだ。これまで対象者の血液中のバイオマーカー、解剖所見、家族を含めた遺伝的な特徴などを解析することで、なぜこの人たちは老化が遅いのかについての情報が集まってきた。
新井教授は「そこから健康長寿を実現するための生活習慣の提案や、さらには老化を治療するリジュベネーション(若返り)を目指す道筋も少しずつではあるが見え始めた」と話す。
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