風景写真春秋

残日録代わりの風景写真です。
もちろん「日残りて、昏るるに未だ遠し」という意味合いです。

吹屋・ベンガラの町 その1

2015-10-01 | 山陽
 今回の情緒のある町並みは、岡山県高梁(たかはし)市吹屋(ふきや)の重要伝統的建造物群保存地区です。
 吹屋は江戸時代以降、銅山とベンガラで栄えた町です。
 銅山は特に大正時代には、わが国三大銅山のひとつに数えられるほどの盛況ぶりでした。
 その銅鉱石ともに硫化鉄鉱石が産出し、それを原料とするベンガラが盛んに生産されました。
 ベンガラは防腐塗料や陶磁器の絵付けに使われる赤色顔料のことで、吹屋のベンガラは特に質がよく、重宝されました。
 なお、ベンガラとは、江戸時代にインドのベンガル地方で産したものが輸入されたことから、そう呼ばれています。
 吹屋は銅山とベンガラ製造で栄えた歴史的な町並みが見事に保存されています。
 私は1993年に来て以来、2度目です。

①~⑧吹屋の町並み。
 瓦は赤褐色の石州瓦、壁にもベンガラを混ぜた赤壁が使われていたり、格子戸などもベンガラが塗られていて、赤い独特な町並みが形成されている。
 初めてここへ来た時は本当に驚いた。
 中国地方の山中に突如現れた奇跡の町並みと思った。
 今から20数年ほど前、福島県の大内宿へ早朝行った時も同じような感慨を覚えた。「まだ、日本にこんなところがあるのか」と。
















⑨⑩硫化鉄鉱石が原料などというと有害物質と思われそうだが、様々な処理を経て人体に無害で安全であり、耐水性、防腐性、防虫性などにすぐれている。
 ベンガラを使った土産物も見られた。




⑪~⑯もちろん、ベンガラ色だけでなく、銅とベンガラで得た富により、白壁や凝った意匠の建物も多い。













⑰このベンガラ色の町並みには、郵便屋さんの赤いバイクがよく似合う。


⑱ここへ来る前に、寄ってきた広兼邸。
 江戸時代末期に銅とベンガラで巨万の富を得、この城塞のような豪邸を築いた。
 あいにく改修中で内部には入れなかった。
 映画「八つ墓村」のロケに使われたらしい。 


その2に続く。

鞆の浦 その2

2015-09-30 | 山陽
 広島県福山市鞆の浦です。
 運よく夕焼けが西空をおおってくれました。
 ほんの2分間ほどの束の間の夕焼けでした。
 なお、夕焼けの写真は、あわてていたこともあり、少し手ぶれしている写真がありますので、ご了承ください。

①~④夕焼けがいつ消えて行くかと気がかりだった。
 場所を移動するのも、小走りになる。
 しっかりと構図を決めているヒマもない。








⑤あっという間に夕焼けは終わろうとしている。


⑥西空から色彩が消え去った。
 港内は何事もなかったかのように、夕べの営みを続けている。


⑦常夜燈の上には人影が2,3人。
 




⑨5分間ほどたった。
 常夜燈へ登っていた人も下へおりた(^^)。


⑩港内に夜が訪れた。


⑪~⑬翌日は雨。





 
⑭走島行きのフェリーがもう着いている。


⑮⑯雨でも船の動きはある。




⑰鞆の浦の趣のある町並み。


⑱⑲常夜燈のまわりには誰もいない。




⑳雨の中、沖へ向かって船が出て行った。



鞆の浦 その1

2015-09-29 | 山陽
 広島県福山市の鞆の浦(とものうら)です。
 鞆の浦は瀬戸内海のほぼ中間部の潮の分かれ目に位置し、また周囲を山に囲まれたおだやかな入り江があり、古くから潮待ち、風待ちの港町として栄えてきました。
 あいにく当日は曇り空、翌日は雨で、青い空、青い海、輝く太陽の瀬戸内の海とは行かなかったのですが、それ相応の風景が待っていました。
 今月、15日、16日の写真です。

①今回が20数年振り、3度目の訪問となったが、あまり港の様子も変わっていないようだ。


②常夜燈の風景もほとんどそのままのようだ。


③④常夜燈は海の基礎部分からだと10m近くの高さがある。







⑥瀬戸内でよく見かける階段状の岸壁は雁木(がんぎ)という。
 潮の干満に対応して荷揚げができる。


⑦⑧もうひとつの瀬戸内の港の特徴はこの石積みの防波堤。
 無粋な三角テトラは入っていない。
 もっとも、おだやかな瀬戸内ということもあるだろう。
 ⑧の後ろの島は仙酔島。




⑨港内は船の動きも活発だ。


⑩弱々しい太陽が山の端に近づいてきた。


⑪ルアーの釣り人がひとり、そこへフェリーがやってきた。


⑫沖あい6km ほどにある、走島からのフェリーだ。
 3,4台の小型の車と数人の客が下りた。


⑬走島へ向かう人は10数人。
 福山で買い物でもして、島へ帰るのだろう。


⑭フェリーの奥が走島。いつしか灯台に灯りが入っている。


⑮曇りがちの空で夕焼けは期待していなかった。
 この程度で終わりかと思った。


⑯⑰港内の様々な明かりが灯りだした。




⑱常夜燈も明かりが入った。


⑲港口の方向を写していると、空がうっすらと赤みを帯びている。


⑳振り返って驚いた。
 あきらめていた西空がいつの間にか夕焼けに染まっている。


 その2に続く。
 




情緒のある町並み 倉敷 その3

2015-09-23 | 山陽
 岡山県倉敷市倉敷川畔です。
 早朝7時からの撮影です。
 観光客などがほとんどいない川畔です。
 まったく人の姿のない写真ばかりというのもさびしいので、自転車で通り過ぎて行く学生の通学風景など入れようかとも思ったのですが、早い時間帯過ぎたようです。
 これも説明は省きます。
 写真だけご覧ください。
 
①~⑳








































 明日は乗鞍紅葉その3です。

情緒のある町並み 倉敷 その2

2015-09-22 | 山陽
 岡山県倉敷市倉敷川畔です。
 重伝建の町並みを歩きます。
 日が沈み、夕焼け雲が西空を覆っています。
 川畔を歩いていた観光客の姿もめっきり少なくなりました。
 その1であらかた説明しましたので、個々の説明文はなしとします。
 写真だけご覧ください。
 
①~○25


















































 私は何回も来ているのに、夕景を撮ったのは初めてです。
 今宵会う人みな美しき、といった、倉敷の初秋の夕暮れ時でした。

 明日はその3、早朝の川畔です。