風景写真春秋

残日録代わりの風景写真です。
もちろん「日残りて、昏るるに未だ遠し」という意味合いです。

想い出の風景 室生寺・青もみじ 奈良県

2019-06-19 | 奈良県
 「想い出の風景」を季節に合った10枚以内の少ない写真で振り返っています。
 奈良県宇陀市、女人高野室生寺。
 室生寺は、厳しく女人を禁制した高野山に対し、女人の済度をもはかる道場として、女性の参詣を許してきた寺です。
 そういうこともあってか、室生寺は女性の参詣者の多い寺です。
 今回も、ツアー客は別にして、女性の2,3人の小グループやひとり旅の若い女性も3,4人見かけました。
 室生寺は大本山であるものの、見る者を圧する壮大な建築物がありません。
 五重塔も屋外では日本最小です。
 心やすらぐ、心なごむ古刹です

①室生川に架かる朱色の太鼓橋。
 私の好きな雨の朝です。


②元禄期に消失し、戦後再建されたこの仁王門だけが、少し大きいと感じるくらいです。








➄シャクナゲで埋められた鎧坂も、今は緑の葉だけが雨に打たれています。


⑥金堂。
 ひのきのこけら葺きの屋根に、青もみじが映えます。


⑦灌頂(かんじょう)堂(本堂)。
 青もみじが灌頂堂を覆い被すように、緑で包み込んでいます。


⑧下から見上げる優美な五重塔。
 総高16.1m、屋外に建っている日本最小の五重塔です。
 杉木立の中に建っており、下から見上げているとそんなに小さくは見えませんが、現存する最大の五重塔、京都・東寺の五重塔は54.8m、世界最古の木造建築でもある奈良・法隆寺の五重塔でも32.4mあります。
 東寺の五重塔の約三分の一、法隆寺の二分の一の高さです。





⑩太鼓橋のたもとの旅館は三百数十年の歴史を持つ老舗旅館です。
 雨が上がり、背後の山々を雲が流れて行きます。
 午後から晴れてきそうな室生の里です。

想い出の風景 長谷寺・あじさい 奈良県

2019-06-17 | 奈良県
 奈良県桜井市、四季折々の花々が咲き乱れる「花の御寺」長谷寺のあじさいです。




②撮影ポイント、本堂からの五重塔と吊り灯籠。
 雨にぬれた新緑が美しいです。





④奥の院へ向かう蓮華谷。
 深山を思わせる杉木立。





⑥礼堂内陣、大きな赤い座布団が敷かれています。
 弦楽四重奏曲の演奏があり、抽選で選ばれた100人が座って聴けます。


⑦本坊前からの本堂。


⑧音楽会の15分前となり、すべての灯籠の明かりが入りました。


⑨本堂下の石段。
 弦楽四重奏曲、モーツアルトの「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」が聞こえてきます。


⑩雨も上がり、雲が流れゆく初瀬の山々です。

想い出の風景 室生・滝谷花しょうぶ園 奈良県

2019-06-06 | 奈良県
 「想い出の風景」を季節に合った10枚以内の写真で振り返っています。
 奈良県宇陀市室生、滝谷花しょうぶ園です。
 広大な園内に花しょうぶやあじさい、睡蓮などが咲き乱れています。
 先日ご紹介したノハナショウブを原種としていますが、様々な色合いの花しょうぶがあります。
 小雨降る午前です。
 写真だけご覧ください。





























想い出の風景 談山神社・青もみじ 奈良県

2019-06-03 | 奈良県
 奈良県桜井市多武峰(とうのみね)談山(たんざん)神社です。
 645年、この地で中大兄皇子と中臣鎌足が大化の改新の密談をしたとの伝承が、この神社の名前の由来のようです。
 この神社の奥の山は談い山(かたらいやま)とよばれ、この地一帯は多武峰といわれています。

①朝8時半、開門と同時に西の入山口から入ります。私ひとりです。
 入ったすぐのところが、けまりの広場。
 そして誰もがまず、カメラを向ける神廟拝所と十三重塔。


②赤い垂木や肘木に青もみじがあざやか。





④談山神社のシンボル的な建物、十三重塔。
 これは1532年に再建されたもの。
 木造の十三重塔としては世界で唯一の建物。
 体が青く染まりそうな青もみじが、すがすがしいです。
 なお、五重塔などの「塔」は仏教の仏塔であり、仏教上の建築物です。
 神社に十三重「塔」があるのは多くなく、これはかっての神仏習合時代の名残りです。








⑦正面の140段の石段から右側の拝殿を見ます。
 石段の両側は城郭を思わせる石積み。


⑧拝殿の中は畳敷き。
 様々な宝物が展示されています。
 唐戸が開けられて、外の緑が目に飛び込んで来ます。
 三脚は禁止だが、撮影は許されます。


⑨拝殿の軒に釣られている数々の釣灯籠。
 笠の形は二種類あります。
 伊勢型紙のような透かしの文様は、微妙に違っています。




想い出の風景 不動七重の滝 奈良県

2019-05-30 | 奈良県
 奈良県奈良県吉野郡下北山村前鬼(ぜんき)の不動七重(ふどうななえ)の滝です。
 鬼ケ城の鬼とは違いますが、この前鬼は修験道の開祖、役行者(えんのぎょうじゃ)の従者の鬼にちなんだ地名のようです。
 この前鬼地区は、信仰の山、大峰山への大峰奥駆道ルートの登り口に当たります。
 熊野川の上流部前鬼川に沿って林道をさかのぼると、この不動七重の滝が目に飛び込んできます。
 落差100m、その名のとおり7段に分かれて落ちる段瀑です。
 日本の滝100選に選ばれています。

①釈迦ヶ岳・標高1800mを源流とする前鬼川。
 新緑の山々の間を、遠目にも水の清らかな滝が豪快に優美に落下しています。


②ただこの展望所からは七段すべての滝は見えません。



 

④この滝へ初めて来たのは20年ほど前
 今回はその時にくらべ、水量が少ないように思えます。
 ここへ立って新緑に包まれた山々と滝を見上げていると、なんだか山の霊気のようなものを感じる気がしてきました。
 あらためてこの付近の地図を見て驚きます。
 大峰山へ至る大峰奥駆道の山々の名前は、釈迦ヶ岳のほかに涅槃岳、地蔵岳、天狗山、仏生嶽などが記されています。