風景写真春秋

残日録代わりの風景写真です。
もちろん「日残りて、昏るるに未だ遠し」という意味合いです。

熊野灘の風景 大島・海金剛

2016-02-07 | 和歌山県
 和歌山県串本町、紀伊大島の海金剛です。
 豪快な断崖と島々や岩礁をうまく配置した絶妙な風景です。



②この前、三重県熊野市の海金剛をご紹介しましたが、三重県の海金剛は陸からは見えないこともあり、こちらのほうが有名です。


③④ひときわ目立つのは、研ぎ澄まされた刃物のような先端を持ったピラミッド型の岩礁です。
 岩礁は火成岩で節理をともなっています。




⑤この後向かう樫野崎です。
 岩場に釣り人の姿が見えます。


 冬の海は青く澄み切っていますが、おだやかで、夏と違って岩場へ砕ける大波もありません。
 船も海鳥もいなく、この風景は動きやアクセントが乏しい感じがします。
 釣り人が岩場にいるため、ここへ船はやってくるはずです。
 裏側の海を写しているあいだに、この場所へ船の来るのを期待することにしました。

⑥~⑨裏側の海は船の動きがありました。











⑩25分後、海金剛に船がやってきました。


⑪釣り人に弁当を運んだり様子を見に来ているのでしょう。


⑫⑬これで満足して、樫野崎へ向かうことにしました。
 ずっと私ひとりでしたが、入れ換わるように観光客が3人やってきました。




⑭樫野崎灯台。


⑮~⑰スイセンの花が咲く時期に来たのは初めてですが、写真集で見るのよりは、花がずいぶん少ないようです。









⑱遠方は熊野三山をようする山々。
 熊野灘はきょうもあくまでも青く輝く海です。


 長々と熊野灘の風景が続きました。
 お付き合いいただき、ありがとうございました。
 次回からは、湖北夕景です。

熊野灘の風景 太地海岸・梶取岬

2016-02-06 | 和歌山県
 和歌山県太地(たいじ)町の梶取(かんどり)岬です。
 太地海岸などと勝手に名付けましたが、正式な名称ではなく太地町の海岸という意味です。



②梶取岬とは、梶を取る人の目標となる岬に由来しています。
 灯台は1899年(明治32年)完成、海面から灯火までの高さは41mです。


③④灯台先は20数mの断崖絶壁です。
 かなたの岬は燈明崎です。


④見にくいかもしれませんが、遠くの船の左側の崖の上に木の柱が建っています。
 このあと向かう、元燈明崎の灯台跡です。








⑦私の好きなモノトーンの影絵のような光る海です。
 手前の小舟のむこうに、左から右方向に大きな船舶が通ってくれるといいのですが、これも世の中、そううまくは行きません(^^)。


⑧燈明崎。
 江戸時代初期に造られた、わが国で初めて鯨油を使った行燈式の灯台が再現されたものです。
 鯨を発見するための、見張り所でもありました。


⑨町内にあった元捕鯨船。
 かっての輝かしい歴史に幕を打った船を町が譲り受けたもの。


⑩⑪やぶ椿が至るところに咲いています。
 海岸の林は魚付林として、手厚く保護されています。




⑫遠方はさっきまでいた梶取岬。


⑬太地漁港。
 カモメは船べりで憩い、トンビは大空を舞っています。


⑭太地漁港灯台。
 遠くは那智の山々。


⑮⑯突然ですが、入れ場所を逸してしまった朝日の写真をはさみ込みます。
 橋杭岩から田原海岸へ向かう途中の国道42号からよく見える島で、右が鯛島、左が九龍島です。
 鯛島は形がもろにそのままです。



 
 明日は最終回 大島・海金剛です。
 

熊野灘の風景 田原海岸・海霧 その2

2016-02-05 | 和歌山県
 昨日の和歌山県串本市、田原海岸の海霧の続きです。
 日が昇り気温が上がってくると、霧は薄くなっていくようです。
 時間との戦いでもあります。
 その1はすべて堤防上の国道の歩道からの写真でしたが、今回は堤防の下の砂浜からも写しています。




②この真ん中付近に、釣り舟の一艘も配してほしいものです。


③時折り沖あいを、大型船が蜃気楼のように揺らぎながら通り、画面にアクセントをつけてくれます。











⑦この真ん中に、漁船を一艘、右から左へ向けて走らせてほしいものです。
 もうひとつお願いを。 手前の小さな岩礁の上には、羽根を広げて乾かしている鵜の一羽も(^^)。














⑫これは河口付近です。
 だんだん霧は薄くなっていったようです。

 
 明日は太地海岸・梶取岬です。

熊野灘の風景 田原海岸・海霧 その1

2016-02-04 | 和歌山県
 和歌山県串本町の田原海岸(荒船海岸)の海霧です。
 

 厳しい寒波が続いたあと、天気予報を見て風のおだやかな朝になりそうなので、急遽、田原海岸へやってきました。
 予想通り田原海岸に海霧が発生してくれました。
 以前にも海霧ねらいで来たことがあるのですが、まったく霧が湧かず写真にならなかったことがありました。
 気象用語では、海霧は夏北海道などの北太平洋で発生する霧を指すようですが、田原海岸の海で発生する霧=海霧で定着していますので、私もそう呼ぶことにします。

①冬の冷え込んだ早朝、田原川の上流で発生した霧と冷たい水が、河口部で暖かい海水に混じり合って朝霧が発生することがあります。
 最近では、年に数回程度らしいです。
 今回は霧の規模もやや大きいようですが、画面に漁船や釣り人、海鳥などの姿がないのがやはり物足りません。
 話をした大阪の人は4度目の正直で見られたといっていましたので、写せただけでも十分に満足と思わなければいけません。


②橋杭岩のあとでこちらへ来ましたので、太陽は昇っています。
 以下、写真だけご覧ください。



































 明日はその2です。

熊野灘の風景 熊野枯木灘海岸

2016-02-02 | 和歌山県
 和歌山県すさみ町の熊野枯木灘海岸の夕景です。


 厳密な熊野灘は潮岬から大王崎までの海域ですが、その海域をはずれ西側へ向かって熊野枯木灘とよばれている地域を訪れました。
 この地域は同名の和歌山県の県立自然公園だったのですが、昨年の9月にすぐれた景観などが評価され、吉野熊野国立公園に編入されました。
 今回の主目的はこの海岸が逆光に輝き、二つの黒島がシルエットを作る夕暮れの景観ですが、あいにく太陽はほとんど雲の中に隠れたままです。

①~③雲の隙間から天使の梯子ともよばれている太陽の光が降りてきました。
 国道の駐車スペースを見つけて、ハザードランプをつけたまま駐車し、少し離れたところで撮影をしています。



②あの光の下へ船が来てほしいのですが、なかなか姿が見えてきません。


③船は来そうもなく、路肩駐車も気になるので、撮影は切り上げました。


④二つの黒島へやってきました。
 手前が陸(おか)の黒島、右側が沖の黒島です。


⑤陸の黒島の真ん中で、左右から打ち寄せてきた波がぶつかります。


⑥⑦やっと、そこそこの大きさの船が来てくれました。




⑧⑨2枚撮って一応安心して、ほかの被写体を探していろいろ写していました。




⑩と、何としたことか、いつの間にか船は橙色の光の下を通り過ぎていました。
 目を離していたすきに、船も光も相当動いたようです。
 うかつでした。
 光は船を追っかけてくれず、船も後戻りしてくれません(^^;)。


⑪ほかの船を待ちます。
 しばらく待ってやってきたのは、残念ながらこの程度の小さな船で、しかも水平線近くではなく、陸寄りです。(少し見にくいかもしれません)


⑫じっと待つこと、三、七が21分。
 大きな船はやってくる気配はなく、太陽は雲の中へ入ったままで、やはり期待した逆光のシーンも撮れそうにありません。
 あきらめて帰り道へ向かって走り出しました。
 その途中、今度はスポットライトのような光に遭遇しました。


⑬⑭今度は光の真下に船が入るのを、しっかりとらえることができました。
 重なっているので、一隻の船に見えるかもしれませんが、二隻です。




⑮その場所で写した、光のない海岸です。


⑯満足の行かない写真が多かったので、駐車が出来そうな適当な海岸で、打ちよせる波を撮って遊んでみました。
 30秒のスローシャッターです。