渡辺竜王が、コンピューター将棋選手権優勝ソフトに快勝
2007年3月22日(木)01:19 (朝日新聞)
将棋棋士の渡辺明竜王(22)が21日、東京都内のホテルでコンピューターソフトと対戦し、快勝した。将棋のタイトル保持者が公の場でハンディなしにソフトと対戦するのは初めて。チェスでは97年に世界チャンピオンがスーパーコンピューターに敗れて世界的なニュースとなっただけに、日本将棋連盟(米長邦雄会長)もほっとした様子だった。
渡辺竜王に挑戦したのは昨年5月の「世界コンピュータ将棋選手権」で優勝した将棋ソフト「ボナンザ」(保木邦仁さん開発)。実力はアマ六段レベルとされる。対局は持ち時間各2時間、なくなると1手60秒未満で指すというプロ棋戦に近いルールで行われた。
戦型は先手・ボナンザの四間飛車穴熊に渡辺竜王が居飛車穴熊で対抗。中盤、渡辺竜王が不利と見られる局面もあったが、最後は攻め勝った。
終局後、渡辺竜王は「思ったよりも強くてびっくりした。実力がプロに迫るくらいまできていると認めないといけない」と話した。米長会長は「渡辺竜王が負けることも予想した。ほっとしたというのが本当の気持ち」と話した。
近年、将棋ソフトの実力は飛躍的に向上しており、研究者の間では「早ければ2012年にもプロのトップレベルに近づく」などと予測されている。将棋連盟は05年10月、棋士と女流棋士が公の場で許可なくソフトと対局することを禁止した。
今回は4月に始まるネット棋戦(インターネットを通して棋士が対局する)を盛り上げるイベントとして、将棋連盟が平手での対局を特別に許可した。
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*私も多少は将棋をたしなむのでパソコン将棋をするが、私が今遊んで貰っているソフトは既に何年も前に製造ー販売を中止した『金沢将棋3』という古いソフトなので、これは幾らでも騙しが効くから私でも何度でも勝つことが出来る。
以前このブログで対『金沢将棋3』限定の「必勝法」(←「初手▲7八銀戦法」である♪)を公開したが、今はもっと単純な新しい必勝法も発見してある。笑。ただこれはなぜかソフトが序盤早々疑問手を連発するから成立する必勝法であって、もうこのソフトで遊んでいる人も少ないだろうから発表はしない。ぶひひ。
しかし、『ボナンザ』となるとそうは行かない。これはフリーソフトだから私もダウンロードして何回か対戦したことがあるけれど一度も勝ったことがない。渡辺竜王が対戦したものより古いバージョンと思われるが、とにかくボナンザ他今名のある将棋ソフトは大変に強い。総合力でアマ高段者と同等かそれ以上の実力があるに違いないが、このソフトの開発者は将棋のことなどてんでわからない(?)門外漢だというから笑ってしまう。
『将棋の終盤』というのはそれが好勝負であればあるほど勝敗は通常『一手違い』になっているから、ちょっとした不注意や錯覚で形勢が逆転することは珍しくない。
ボナンザたちは終盤の『即詰』(←王手、王手の連続で敵玉を討ち取ってしまうこと)など一瞬のうちに読み切ってしまうが、だが渡辺竜王が説明してくれているように、終盤に必要とされる力は『即詰』を読み解く能力だけではない。それは単に「要請される能力の一部分」に過ぎない。
彼我の玉の守備力を初めとした盤上の各駒の働き、彼我の持ち駒の推移の分析(どの駒なら渡しても自玉は大丈夫だとかいうこと)、どちらが今現在「手番」を握っていて、それがいつまで維持出来るかという問題、或いは『必死』と言って即詰はないまでも、自分が主導権を握ったまま相手の王様を受けの効かない形に追い込めるのか否かという問題、或いは『速度計算』と言って双方が「手抜き」~「手抜き」(←相手の攻めを無視すること)の連続でやりあった場合最初に手を戻すのはどちらか考えること等々、一つしかないその将棋の「勝ち」を巡って死力を尽くし総力を挙げた読み合いが展開されるのが『終盤戦』なのである。
その際ソフトはリベラリストなのか(はあ?)読むべき手順と読む意味のない手順との分別が苦手な正直者らしい。w
演算が早いことを鼻にかけ(はあ?)なんでもかんでも読みまくってしまうらしいのである。一方人間様代表のプロ棋士の方はと言えば、「直感精読」(加藤一二三九段)が基本であって、核心に迫った手順以外には見向きもしない鍛錬が(多分)出来ているのである。
*将棋連盟は一時将棋ソフトとプロ棋士との公開対局を禁止したことがある。「負けたらかっこがつかない」という面子に拘った古い体質からである。まるで昔の剣術道場が「看板」を奪われることを恐れて「他流試合」を禁止したようなものである。
実際アマ高段者にボロボロ負けるような「弱い」プロ棋士では『ボナンザ』以下の強豪ソフトにコンスタントに勝てる保証などさらさらないし、現実に負けているらしい。
だが、かと言ってそれを「恥」と感じる必要などまったくない。将棋はゲームの一種であり、ゲームは高等数学(←学問としては『情報処理学』の一分野)だから、数学の計算がコンピューターより劣っていたとしても何ら人間として問題はない。(←あったりまえ!)たとえプロがアマという人間相手に負けることを恥と思うのは道理としてもだ。
チェスは日本将棋と違って取られた駒が復活することはないので、終盤へ行くに従って局面はどんどん単純化してしまう。その結果「この形、この駒数になったらどちらが勝つ(あるいは引き分けになる)」などということはチェスでは既に大方研究し尽くされており、簡単に分別出来るため、大きな試合の勝敗は通常何回も何十回も戦った後の「勝率」で判定される。
*将棋はまだチェスほどには解読されていないので、まだまだ人間(←但し一部の強豪に限る)の方が強いと思われる。
まして今回ボナンザの相手として登場したのが次代の将棋界を背負うとされる「エース=渡辺竜王」であるからには、余程のことがないと負けることはないとしたものだろうが、話題作りにはなったと思う。米長会長の「渡辺竜王が負けるかも知れないと思った」というコメントは単なるリップサービスである。
ちなみに「竜王位」というのは「名人位」と並ぶ二大タイトルの一つで、読売新聞社主催の『竜王戦』という新聞棋戦があるのである。
新聞棋戦は大概一年ワンクールで、竜王位のタイトルも一年限定の権利であり、その先はと言えば、一年間かけて予選を勝ち上がって来た唯一者=竜王戦挑戦者に七番勝負を挑まれるわけであって、その挑戦を退けて初めて次の一年間のタイトルホルダーたり得るという制度なのである。
アマにも「竜王戦」という大会があり、その「優勝者=アマ竜王」もこの棋戦にエントリーされるので、もしこれに全部勝って渡辺竜王に挑戦し、そこでも七番勝負に勝ち越せばアマでも「竜王」になれる理屈である。w
詳しくは読売か将棋連盟のサイトへ行けばわかると思うが、アマも毎年一番や二番は入っているようである。(←「一番入る」とは「一勝を上げる」という意味である。)
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*渡辺明ブログに行ってみたら3/22付で以下の記述があった。(抜粋)
(前略)今朝は8時に起床。フジテレビのとくダネ!でも取り上げられました。
すごいのは昨日のアクセス数です。
20日 17685 pv 7977 ip
21日 110415 pv 79013ip
7万ipの11万アクセスって・・・。いつもの10倍かなりの注目を集めていたことがここからもわかります。(以下略)
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cf.大和證券杯ネット将棋公式ホームページ
2007年3月22日(木)01:19 (朝日新聞)
将棋棋士の渡辺明竜王(22)が21日、東京都内のホテルでコンピューターソフトと対戦し、快勝した。将棋のタイトル保持者が公の場でハンディなしにソフトと対戦するのは初めて。チェスでは97年に世界チャンピオンがスーパーコンピューターに敗れて世界的なニュースとなっただけに、日本将棋連盟(米長邦雄会長)もほっとした様子だった。
渡辺竜王に挑戦したのは昨年5月の「世界コンピュータ将棋選手権」で優勝した将棋ソフト「ボナンザ」(保木邦仁さん開発)。実力はアマ六段レベルとされる。対局は持ち時間各2時間、なくなると1手60秒未満で指すというプロ棋戦に近いルールで行われた。
戦型は先手・ボナンザの四間飛車穴熊に渡辺竜王が居飛車穴熊で対抗。中盤、渡辺竜王が不利と見られる局面もあったが、最後は攻め勝った。
終局後、渡辺竜王は「思ったよりも強くてびっくりした。実力がプロに迫るくらいまできていると認めないといけない」と話した。米長会長は「渡辺竜王が負けることも予想した。ほっとしたというのが本当の気持ち」と話した。
近年、将棋ソフトの実力は飛躍的に向上しており、研究者の間では「早ければ2012年にもプロのトップレベルに近づく」などと予測されている。将棋連盟は05年10月、棋士と女流棋士が公の場で許可なくソフトと対局することを禁止した。
今回は4月に始まるネット棋戦(インターネットを通して棋士が対局する)を盛り上げるイベントとして、将棋連盟が平手での対局を特別に許可した。
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*私も多少は将棋をたしなむのでパソコン将棋をするが、私が今遊んで貰っているソフトは既に何年も前に製造ー販売を中止した『金沢将棋3』という古いソフトなので、これは幾らでも騙しが効くから私でも何度でも勝つことが出来る。
以前このブログで対『金沢将棋3』限定の「必勝法」(←「初手▲7八銀戦法」である♪)を公開したが、今はもっと単純な新しい必勝法も発見してある。笑。ただこれはなぜかソフトが序盤早々疑問手を連発するから成立する必勝法であって、もうこのソフトで遊んでいる人も少ないだろうから発表はしない。ぶひひ。
しかし、『ボナンザ』となるとそうは行かない。これはフリーソフトだから私もダウンロードして何回か対戦したことがあるけれど一度も勝ったことがない。渡辺竜王が対戦したものより古いバージョンと思われるが、とにかくボナンザ他今名のある将棋ソフトは大変に強い。総合力でアマ高段者と同等かそれ以上の実力があるに違いないが、このソフトの開発者は将棋のことなどてんでわからない(?)門外漢だというから笑ってしまう。
『将棋の終盤』というのはそれが好勝負であればあるほど勝敗は通常『一手違い』になっているから、ちょっとした不注意や錯覚で形勢が逆転することは珍しくない。
ボナンザたちは終盤の『即詰』(←王手、王手の連続で敵玉を討ち取ってしまうこと)など一瞬のうちに読み切ってしまうが、だが渡辺竜王が説明してくれているように、終盤に必要とされる力は『即詰』を読み解く能力だけではない。それは単に「要請される能力の一部分」に過ぎない。
彼我の玉の守備力を初めとした盤上の各駒の働き、彼我の持ち駒の推移の分析(どの駒なら渡しても自玉は大丈夫だとかいうこと)、どちらが今現在「手番」を握っていて、それがいつまで維持出来るかという問題、或いは『必死』と言って即詰はないまでも、自分が主導権を握ったまま相手の王様を受けの効かない形に追い込めるのか否かという問題、或いは『速度計算』と言って双方が「手抜き」~「手抜き」(←相手の攻めを無視すること)の連続でやりあった場合最初に手を戻すのはどちらか考えること等々、一つしかないその将棋の「勝ち」を巡って死力を尽くし総力を挙げた読み合いが展開されるのが『終盤戦』なのである。
その際ソフトはリベラリストなのか(はあ?)読むべき手順と読む意味のない手順との分別が苦手な正直者らしい。w
演算が早いことを鼻にかけ(はあ?)なんでもかんでも読みまくってしまうらしいのである。一方人間様代表のプロ棋士の方はと言えば、「直感精読」(加藤一二三九段)が基本であって、核心に迫った手順以外には見向きもしない鍛錬が(多分)出来ているのである。
*将棋連盟は一時将棋ソフトとプロ棋士との公開対局を禁止したことがある。「負けたらかっこがつかない」という面子に拘った古い体質からである。まるで昔の剣術道場が「看板」を奪われることを恐れて「他流試合」を禁止したようなものである。
実際アマ高段者にボロボロ負けるような「弱い」プロ棋士では『ボナンザ』以下の強豪ソフトにコンスタントに勝てる保証などさらさらないし、現実に負けているらしい。
だが、かと言ってそれを「恥」と感じる必要などまったくない。将棋はゲームの一種であり、ゲームは高等数学(←学問としては『情報処理学』の一分野)だから、数学の計算がコンピューターより劣っていたとしても何ら人間として問題はない。(←あったりまえ!)たとえプロがアマという人間相手に負けることを恥と思うのは道理としてもだ。
チェスは日本将棋と違って取られた駒が復活することはないので、終盤へ行くに従って局面はどんどん単純化してしまう。その結果「この形、この駒数になったらどちらが勝つ(あるいは引き分けになる)」などということはチェスでは既に大方研究し尽くされており、簡単に分別出来るため、大きな試合の勝敗は通常何回も何十回も戦った後の「勝率」で判定される。
*将棋はまだチェスほどには解読されていないので、まだまだ人間(←但し一部の強豪に限る)の方が強いと思われる。
まして今回ボナンザの相手として登場したのが次代の将棋界を背負うとされる「エース=渡辺竜王」であるからには、余程のことがないと負けることはないとしたものだろうが、話題作りにはなったと思う。米長会長の「渡辺竜王が負けるかも知れないと思った」というコメントは単なるリップサービスである。
ちなみに「竜王位」というのは「名人位」と並ぶ二大タイトルの一つで、読売新聞社主催の『竜王戦』という新聞棋戦があるのである。
新聞棋戦は大概一年ワンクールで、竜王位のタイトルも一年限定の権利であり、その先はと言えば、一年間かけて予選を勝ち上がって来た唯一者=竜王戦挑戦者に七番勝負を挑まれるわけであって、その挑戦を退けて初めて次の一年間のタイトルホルダーたり得るという制度なのである。
アマにも「竜王戦」という大会があり、その「優勝者=アマ竜王」もこの棋戦にエントリーされるので、もしこれに全部勝って渡辺竜王に挑戦し、そこでも七番勝負に勝ち越せばアマでも「竜王」になれる理屈である。w
詳しくは読売か将棋連盟のサイトへ行けばわかると思うが、アマも毎年一番や二番は入っているようである。(←「一番入る」とは「一勝を上げる」という意味である。)
============
*渡辺明ブログに行ってみたら3/22付で以下の記述があった。(抜粋)
(前略)今朝は8時に起床。フジテレビのとくダネ!でも取り上げられました。
すごいのは昨日のアクセス数です。
20日 17685 pv 7977 ip
21日 110415 pv 79013ip
7万ipの11万アクセスって・・・。いつもの10倍かなりの注目を集めていたことがここからもわかります。(以下略)
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cf.大和證券杯ネット将棋公式ホームページ