go on a picnic

モダンなライフスタイルにあう
気の利いたフラワーアレンジメントを
ブラジル生活の小話を交えて紹介します

The Queen

2007年11月19日 | へりくつ

映画「The Queen」をやっと観る

噂には聞いていたけれど
あまりのそっくりぶりに好感を持つ

自由奔放な故ダイアナ妃が
義母である崇高なエリザベス女王に厭われ
チャールズ皇太子には愛人問題で悩まされ
格式高い英国王室で孤立していたのは
周知の事実

この映画は、彼女の死によって明確に提示された
英国王室と一般市民との現実に対する温度差をなくそうと
当時、庶民の期待を背負って当選したばかりで
エリザベス女王の一番の敵と見られたブレア首相が
実は彼女の一番の理解者として、ダイアナ寄りにも女王寄りにもならず
現代における英国君主制のあり方を世界が納得する方向性で見出す
という流れになっていて
孤独という点では、エリザベス女王ほど孤高な人はいないのだ
という結論に至っている

伏線としての牡鹿狩りの話は象徴的で
折しも、女王が不測の困難に森で独り涙してしまったとき
近来まれに見る立派な牡鹿がどこからともなく現れ
彼女は「You are a beauty」と思わず感嘆する
この牡鹿は後に狩りの標的にされ死ぬが
「せめて苦しみが永くなかったことを望む」
との、その死を悼んだ女王の言葉は
そのまま故ダイアナ妃への言葉としてとらえられよう

故ダイアナ妃の弟のスペンサー伯が
彼女への弔辞として詠む中に
「whose beauty, both internal and external」
(外面と内面両方の美を持った)とでてくるが

彼女が死んだのは孤独だったからではなく
牡鹿同様、類いまれな美そのものであったがゆえなのだ

孤独と美
異なるようで似ているよう

二人の女王に敬服