go on a picnic

モダンなライフスタイルにあう
気の利いたフラワーアレンジメントを
ブラジル生活の小話を交えて紹介します

遠くの友

2007年11月30日 | 

日本からお客様がきてくれました
でも、滞在はわずか3時間半
仕事の移動途中に寄ってくれたので
空港の中だけでの再会となりました

実は新婚旅行でもあった、と聞いたのは
空港で奥様にお目にかかってから

まあ、びっくり
でも、ほんとうに嬉しかった

日本に住んでいないとなると
相手は油断するのか「実はここだけの話だけど」と
いろいろ打ち明けられることが多い
今回も日本の人はまだ誰も知らないらしい

年の差はあっても、価値観が同じようで
一緒にいると幸せが感染しちゃいそうなくらい
素敵なご夫婦です
初めて会ったとは思えないほど意気投合できた奥様は
またすぐにでも会いたいと思わせるのだけど
.......遠いのです、実際

月の光で写真を撮るという仕事をしている彼は
世界中の秘境で、普段人が目にしない光景を見ている人です
世界を裏側から見ているような

そちら側からの方が、真実や本質はわかりやすいかもしれない

そういう人に見初められてしまうって
すごいことですね












始まった~

2007年11月27日 | ブラジル

クリスマス商戦と雨のダブルパンチが
始まってしまいましたー

もう、どちらかひとつだけでも
大渋滞だというのに
両者がそろう年末は恐怖の一言

こちらは贈り物にかなりエネルギーを注ぐ方が多いし
クリスマスからカーニバルまで
一気に3ヶ月休む人が多いので
それまでに仕事を終わらせないと
年明けてからではお互い忘れてしまう!という危険回避のために
ここだけは必死に働くブラジル人達です

似たところで、W杯のブラジル戦がある日などは
会社、学校がお休みなのは当たり前
国中が機能しなくなるのです

うらやましいというか単純というか
このあたりがラテン系なんですね

こちらのプレゼントって規模が大きくて
TV・DVDセットとか鍋一式とか大げさなものが多いので
生花の指輪もかわいいなあ、と思ったけど
あげる人は選ばないとね

メイド

2007年11月25日 | ブラジル

メイド喫茶はないけど
本物のメイドが各家庭に普通にいるブラジル
これはかなり大きな利点です

旦那さんに来週から海外出張と言われても
「あ、そう」ですむものが
お手伝いさんに「明日休みが欲しい」とか言われると
「えええっ!ちょちょちょっと待って」とパニクるのです
やはり他国からお嫁に来た友達の場合は
「私がこの国にいるのはあなたのためじゃないわ
メイドがいるからよ!」とはっきり言ってのけたそう

この国に生まれ育った他の友達は
「あなたが大きくなる頃には、きっとメイド制度もなくなってるから
なんでも出来るようにならなくちゃダメよ」と言われて育ったらしいけど
なんのなんの、まだまだいます

でも、やっぱりいいことだらけではありません

大事にしているものを平気で壊されたり
香水や化粧品を無神経に毎日使われたり
電話をかけまくられたり
ちょっとお高いおいしそうなお菓子をどこに隠そうかと
自宅にいながらストレスを感じるのは

何か変

でもって、来週いよいようちのメイドさんが
4ヶ月間の出産休暇から復帰するにあたり
あせっていろいろ掃除しておこうと
気を使って疲れまくってるのは
もっと変だ

こういうのを主客転倒(まさに)というんでしたっけ?








クリスマスの準備

2007年11月23日 | ブラジル

南半球でのクリスマスも今年で11回目
といっても慣れたわけではありません

ディズニーランド並みに街中が電飾キラキラになって
まあ、見事ですけども
ヤシの木に電飾が巻かれているのは
なんだか毎年不思議なものを見ている気がします

こちらは夏のクリスマスですから
アレンジメントは「涼しげ」がポイント

でもホントは、寒っ!

ついうっかり「クリスマスに雪降るかな?」と
期待しちゃうくらいです(おおげさでなく)

世界第二位のクリスチャン大国ブラジルでは
レストランもみんな閉まってしまうくらい
家族そろって教会に行く厳密なクリスマスです

「日本にもクリスマスはあるの?」
とよく聞かれますが、私の答えはいつも一緒
「ええ。でもね、こっちのヴァレンタイン・デーみたいなの」

この答えは世界の七不思議に入るそうです




リカちゃんの想い出

2007年11月22日 | 

あれは小学校一年生のクリスマス
初めてリカちゃん人形を買ってもらったときのこと

その当時のリカちゃんは今みたいなロングストレート
ではなくて、くるりんと外巻き大きめカールになってました

でも、私が買ってもらったのは
カールもだらりんとほどけて(今でいう「蛯ちゃん風」)
独りぽつんとはじっこに置かれていた子
明らかに不良品

親は何度もホントにこれでいいのか、と聞き
レジのおばさんもわざわざ正規のものと
取り替えようとしてくれたくらいだったけど
断固、拒否
私にはどうしてもそれが一番可愛く見えた

今思えば、あれが初めて
「世の中はあっちだけど、自分はこっち」
と、恐れず「個」を意識して選択した瞬間だった
唯一無二の美を認識した時でもある

造ろうと思って出来ることじゃないことの持つ美しさ

曲がった花はそういう琴線に触れてくるので
どうしても誘われてしまう

あとは微妙な色目、あれにも弱い

くちなし

2007年11月21日 | 

子供のころ、家にくちなしの木がありました
これは母の趣味で、他に沈丁花もありましたが
彼らは花の季節以外は静かでぶっきらぼうで
いたって無口なカンジで地味に存在しておりました

毎朝の登校時、庭の犬に挨拶しようとすると
どうしてもそれらの前を通らなければ行けないのですが
くちなしには必ず大きな青虫がいたので
わたしはホントにこの木がキライでした

花の仕事で沈丁花を使ったことはありませんが
仕事を終え、終電で帰って夜道を歩いているとき
静かにどこからか香りが漂ってきて
とても慰められたのを覚えています

視覚が感覚の70%を支配していると言われても
嗅覚によって蘇ってくる思い出の威力は
瞬発性が高くて大きいですよね

初物のみかんの青酸っぱいにおいは
もはや私にとって運動会のにおいとして
インプットされていますし

犬がどんなにひどいいたずらをしても
おでこの匂いを嗅ぐと、もう気持ちは緩んでしまいます

年を経て、あの頃の母の年齢になってくると
結局おなじような趣味に行き着いてしまったりして
不思議な気持ちがします

写真からも匂いがあふれてきそうな
くちなしの束はお稽古用

くちなし、って名前は
語らずともわかるほどの匂いから
来てるのかしら?










The Queen

2007年11月19日 | へりくつ

映画「The Queen」をやっと観る

噂には聞いていたけれど
あまりのそっくりぶりに好感を持つ

自由奔放な故ダイアナ妃が
義母である崇高なエリザベス女王に厭われ
チャールズ皇太子には愛人問題で悩まされ
格式高い英国王室で孤立していたのは
周知の事実

この映画は、彼女の死によって明確に提示された
英国王室と一般市民との現実に対する温度差をなくそうと
当時、庶民の期待を背負って当選したばかりで
エリザベス女王の一番の敵と見られたブレア首相が
実は彼女の一番の理解者として、ダイアナ寄りにも女王寄りにもならず
現代における英国君主制のあり方を世界が納得する方向性で見出す
という流れになっていて
孤独という点では、エリザベス女王ほど孤高な人はいないのだ
という結論に至っている

伏線としての牡鹿狩りの話は象徴的で
折しも、女王が不測の困難に森で独り涙してしまったとき
近来まれに見る立派な牡鹿がどこからともなく現れ
彼女は「You are a beauty」と思わず感嘆する
この牡鹿は後に狩りの標的にされ死ぬが
「せめて苦しみが永くなかったことを望む」
との、その死を悼んだ女王の言葉は
そのまま故ダイアナ妃への言葉としてとらえられよう

故ダイアナ妃の弟のスペンサー伯が
彼女への弔辞として詠む中に
「whose beauty, both internal and external」
(外面と内面両方の美を持った)とでてくるが

彼女が死んだのは孤独だったからではなく
牡鹿同様、類いまれな美そのものであったがゆえなのだ

孤独と美
異なるようで似ているよう

二人の女王に敬服









ヒマラヤの塩

2007年11月18日 | お店

いつも行くオーガニックが売りのパン屋さん

オーナーはベルギー系ブラジル人なので
ここのチョコレートケーキは二味違います
ブラジルやアメリカでは
ケーキというのはものすごーく甘いものなのですが
彼はイギリスで修行したこともあって
スコーンも本場の味ですし
キッシュ類はまさに絶妙なフランスの味ですし
ドライイチジクとナッツが絶妙に混ざったパンや
くるみとポピーシードとくろすぐりのミックスパンや
なにより赤いフルーツよりどりあわせたパンプディングが
おいし~い、のです

いつもはお持ち帰りですが
初めてサラダを店内で食べてみたら
「なんで同じ野菜がこうも違う味なの?」
と、驚くことしきり

原因は塩、でした
よく見たら販売もしているピンクの塩
「ヒマラヤ」と書かれています

こちらでは、ドレッシングは即席
というと聞こえがいいですが
「オリーブオイルとビネガーと塩を
取り分けた個々のお皿に各自でそれぞれ好きなだけかける」
のが流儀
(日本のおいしいゴマだれドレッシングなどの反則もときどき有)
だから直接素材の味がまともに出てきます

こ、これでパスタゆでてもおいしいよね?
そりゃあね、もったいないだろうけどね
そ、そっか

一番そのまろやかな甘みが引き出されるのはサラダなのかなあ?
他に直接塩にかぶりつくようなもの、あったかしら?

あんまり感動したので活け込みの残りの野草を
写真と同じようにお店の袋にアレンジにして
あげてきました

あら、名刺も置いてくれば良かったかも

PAO
Padaria Artesanal Organica
R. Bela Cintra, 1618 Jardins
3384-6900










突然は当然?

2007年11月17日 | 

魚が死んだ

というと、犬と猫だけでは飽き足らず
魚まで、と思われるでしょうけど
毎週2回活け込みに行く和食レストランで
鑑賞用になっていた魚達のことです

種類も名前も知らないけど
黒くて薄くて眼が青いのと
黄色いヒレがヒラヒラしてJ・オングさんのようなやつ
ちょうど花器のすぐ裏に水槽が配置されていて
いつも「お、今日は何を持ってきたんだ?」
とでも言うように、必ず花活けのときはそばでじっと見てた

珍しいものばかり5、6匹ほどいたのが
一気にいなくなってたということは
水に問題があったのでしょう

空っぽの水槽を見ながら「みんなどこへ行っちゃったの?」
と聞くと「ああ、今度の火曜日までには新しいのが来るから
心配しないで」とのこと

いえいえ、ディスプレイの問題ではなくて
友達を失ったんですよ

そういえば、火曜日最期に見たとき
岩陰に隠れるように、じっと潜んでたっけ

いつもと違う兆候があったのに
いつもと同じ「じゃね、バイバイ」とだけ言って
出てきてしまった

どうしてわかんなかったんだろう

黒い方がどんな形だったのか思い出せない
会えばすぐに「この子だ」って見分けがつくのに