あれは小学校一年生のクリスマス
初めてリカちゃん人形を買ってもらったときのこと
その当時のリカちゃんは今みたいなロングストレート
ではなくて、くるりんと外巻き大きめカールになってました
でも、私が買ってもらったのは
カールもだらりんとほどけて(今でいう「蛯ちゃん風」)
独りぽつんとはじっこに置かれていた子
明らかに不良品
親は何度もホントにこれでいいのか、と聞き
レジのおばさんもわざわざ正規のものと
取り替えようとしてくれたくらいだったけど
断固、拒否
私にはどうしてもそれが一番可愛く見えた
今思えば、あれが初めて
「世の中はあっちだけど、自分はこっち」
と、恐れず「個」を意識して選択した瞬間だった
唯一無二の美を認識した時でもある
造ろうと思って出来ることじゃないことの持つ美しさ
曲がった花はそういう琴線に触れてくるので
どうしても誘われてしまう
あとは微妙な色目、あれにも弱い