2023/11/25付ブログ記事「続:松本市の路線バスのキャッシュレスはQR決済&タッチ決済のみで実現へ」の続報です。
上記記事で、
>当初時点では、長野県の企業が独自開発したQRコードによるキャッシュレス決済アプリ「Ticket QR」のみですが、2024/2からは全国各地で急ピッチに導入が進んでいるクレジットカードのタッチ決済併用方式に機能を拡充する予定とのこと。
と書きましたが、実際には2024/10/15から全路線でタッチ決済対応になったようです。
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/soshiki/224/51014.html
交通機関のタッチ決済対応システムは、全国的には三井住友カードが提供する公共交通機関向けソリューション「stera transit」が主流のようですが、松本市ではそれとは一線を画したルミーズ株式会社(長野県小諸市に本社をおく各種決済サービスを提供する会社)・Ticket QRの開発元である有限会社和晃(長野県坂城町)・クレディセゾンが共同開発したシステムを導入しています。
https://www.remise.co.jp/press/20241015.html
なお、上記リリース文中に出てくる「ABTシステム」のABTは Account Based Ticketingの略です。認証媒体のIDと紐づいた利用者の乗降情報をクラウドサーバ側で管理する方式で、広く使われている機器側で計算処理が行われる従来のCBT(Card Based Ticketing)方式と異なりシステム全体のコストダウンや複雑な運賃計算にも対応が可能となっており、広島電鉄などが導入した「MOBIRY DAYS」もABTシステムです。
ということで松本市はあくまでも交通系ICカードに背を向け続けていますが、同様にTicket QRの導入を推進している長野県上田市では、少なくとも2023年春の段階では、タッチ決済のほかSuica等の交通系ICカードとの連携の仕組みを模索中だったようです。