関連ブログ記事・・・2023/4/1付「阪急バスの大阪・阪神エリアで2023/9以降運賃値上げ」
運輸審議会に諮られていた阪急バスの乗合バス上限運賃変更(=値上げ)認可申請事案ですが、2023/7/18付で申請どおり認可することが適当である旨国土交通省に答申しました。
https://www.mlit.go.jp/report/press/unyu00_hh_000272.html
但し2023/7/28時点ではまだ国土交通省は認可しておらず、値上げの詳細は未公開です。
一方、運輸審議会での審議内容は2023/7/28朝に公表されていますので、その内容をピックアップして紹介します。
<第1回の配付資料>
https://www.mlit.go.jp/common/001621709.pdf
基準賃率は値上げ前が33円60銭、値上げ後は上限運賃ベースで38円60銭となっており、まだまだ割安です。ちなみに、同じ関西で路線バスを運行する奈良交通の場合、13年前の2010年の段階で既に基準賃率が50円00銭となっており(奈良県北部や京都府南部の住宅地路線も、奈良県南部などの過疎路線も同じ賃率)、運賃に大差がつく結果となっています。
https://www.mlit.go.jp/common/000052621.pdf
<第1回の議事概要>
https://www.mlit.go.jp/common/001621702.pdf
運輸審議会委員から「今回の申請は大阪と兵庫となっているが、京都は申請しないのか」との質問がなされていますが、その回答は
京都地区に関しては「令和元年5月に地方運輸局長権限により上限運賃で平均改定率21.67%、実施運賃でその半分程度の11.4%の運賃改定を行い、昨年度に上限運賃の範囲内で実施運賃の改定等を行っているところである。
となっています。
京都地区の直近(2022/6/1実施)の値上げに関する阪急バス側からの公開情報は以下の通りとなっており、
https://www.hankyubus.co.jp/news/images/20220412n.pdf
https://www.hankyubus.co.jp/news/images/20220601_kyoto_unchinkaitei.pdf
2019/5/8実施の値上げ時点では実施運賃を上限運賃より抑えめにしていたのを、コロナ禍による利用減少を踏まえ上限運賃レベルまで値上げ(この場合届け出のみでOK)したものです。長岡京市内の路線(隣接自治体をまたがる場合も含む)に関しては、これまで区間により170円~400円だった運賃を230円均一に変更しています。
<第2回の配付資料>
パブリックコメントの結果が公開されています。
https://www.mlit.go.jp/common/001621710.pdf
また、兵庫ブロックの「運送費に占める人件費の割合」が大阪ブロックより高い理由として、阪急バス唐櫃営業所管内の路線を神鉄バス(神戸電鉄子会社)に委託しているための「運行委託料」が兵庫ブロック側に含まれていることを理由としています。
https://www.mlit.go.jp/common/001621711.pdf
ちなみに、唐櫃営業所はもともと神鉄バスのもの(自社路線のほか貸切バス・スクールバスなどを担当)でしたが、2003年に路線バス部門のみ阪急バスに移管され、乗務員は引き続き神鉄バス社員という扱いになっています。貸切バスやスクールバスは引き続き神鉄バス直営で、規模は年々拡大して付近の複数個所に車庫を持っています。
<第3回の議事概要>
https://www.mlit.go.jp/common/001621704.pdf
阪急バスはこれまで15年を目安に車両を更新していましたが、現在3年延長に向けて事前補修がどの程度必要になるのかなど、子会社の整備会社と協働で検討を進めているそうです。