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神戸・須磨海岸の自動運転EV実証実験結果の発表内容について

2023/9/24付ブログ記事「神戸・須磨海岸の自動運転バス体験乗車会の様子」の続報です。

この自動運転バス(乗車定員8名ですからバスとまではいえない?)の実証実験結果が、2023/10/10付で実施主体のボードリー社から発表されました。

神戸市須磨海岸で自動運転 EV「MiCa」がレベル 4 相当での運行に成功

「成功」の評価基準は、以下の通りとなっています。

・自動運転での障害物回避は1 往復当たり平均約5回行われ、避ける際のルートや加減速は自然な挙動を実現した

・期間中の自動運転率は99.3%

・車内のコントローラーによる手動運転は、今回は車庫入れなどの一部の場面に限って利用

・参加者へのアンケートで、須磨海岸内の移動手段として「利用したい」または「やや利用したい」と回答した方は合わせて93.4%、乗車することで須磨海岸での滞在を「魅力的に感じる」または「やや感じる」と回答した方は合わせて92.3%

そして、走行速度については以下のように考察されています。

===========引用開始

今回のルートは、一部区間で凹凸のある路面を通過することや、乗客にビーチの景色をゆっくりと楽しんでもらいたいという観点から、最大時速を 12km に設定して片道 10 分弱で運行しました。体験乗車会の期間中、同区間を走行する他の車両は時速 12km 以上で走行していると見られたことや、「MiCa」の障害物回避機能が十分に有効で安全に運行できることを確認できたことから、速達性を高めるために、今後は須磨海岸において最大時速 20km での運行も検討していく予定です。

===========引用終了

確かに、時速12kmというのは実際に走っているのを見ると明らかに「遅い」わけで(小走りでも追いついてしまい、自転車には簡単に抜かれる)、お試し乗車ではなく実用的な交通手段とするには速度の向上は必須ですね。管理用車両は概ね時速30km程度で走ってましたし。

ということで、裏を返せば、上記ブログ記事で触れた以下の点は評価基準に入っていないわけです。

・予定では片道10分弱のところ、実際には10分では走破できず、遅れが積み重なっていった

・自動運転EVの前に複数人の歩行者が並んで歩いており追い越すことができない場合、歩行者を排除を促すための仕組み(クラクションを鳴らすとか「よけてください」の自動音声を流すとか)は実装されておらず、添乗員も声掛けできないので、歩行者の後ろをゆっくりと走るしかないこと・・・これも「接触しない」という意味では立派な障害物回避ではありますが

そして、リリース文には、小さい文字で「9 月 23 日は関係者向け乗車会の実施や充電機材の都合により一部運休しました」の文言があります。関係者向け乗車会は当初から実証実験初日(=私が報告した日)の9月23日の10時台に予定されており、リーフレットにも「9/23は1~4 便は運休、5便から運行開始となります。予めご了承ください。」と明記されていましたが、充電完了後の15:30以降の運行の一部も運休したようですね。

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