2024/10/1付ブログ記事「「くまモンのICカード」は年間3億円の赤字→全国交通系ICカード撤退は事業再生の好機?」の続報です。
肥後銀行が開発を表明していた「くまモンのIC CARD」の発展形となるスマホアプリ「くまモン!Pay」の詳細およびリリース時期が2024/10/30付でついに発表されました。
https://www.higobank.co.jp/showimage/pdf?fileNo=2857
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC3088L0Q4A031C2000000/
最初にリリースされるのは以下の3つの機能で、iOS版は2025年5月末・Android版は2025年6月末となります。
1. Visa・iD ブランドのバーチャルプリペイドカードによるタッチ決済等
2.金融機関預金口座からのチャージ(Bank Pay に接続する金融機関限定)
3.ご利用金額に応じた決済ポイントの付与
そして、2026年1月には以下の機能が追加される予定です。
4.独自に発行する 2 次元バーコードをスマートフォン搭載のカメラで読み取る QR 決済
5.自治体・商工団体等で発行されるデジタル商品券
交通定期券との連携などはさらにその後を予定しています。
日経の報道によれば、肥後銀行側は2028年時点で月間17万人がアプリを利用すると想定しているとのことです。
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これまでの報道では「くまモンのICカード機能をスマホアプリに搭載する<モバイルSuicaやモバイルICOCAの如く>」のか「タッチ決済機能をスマホアプリに搭載するのか」が不明確でしたが、後者だったわけですね・・・ このアプリの公開により、(交通機関での利用範囲が変わらない)くまモンのICカードの利用者の多くがアプリに移行し、最終的にくまモンのICカードは「高齢者・子ども・障がい者など割引運賃で乗車される方向け」「クレジットカードを持たない方向け」のためのキャッシュレス決済手段にシフトする可能性もあります。
<2024/11/6追記>
11/4付の朝日新聞熊本版でくまモン!Payのことが記事になっていますが、
https://www.asahi.com/articles/ASSC342SHSC3TLVB008M.html
他の報道にはない内容が含まれていました。
・くまモン!Payは、「くまモンのICカード」の後継サービスである
・肥後銀行は利用者の購買や行動履歴を分析し、データを自治体や加盟店に提供する
・肥後銀行の頭取は、記者会見で「現状ではデータが県外に流出している。決済データを熊本に残さなければという問題意識がある」と狙いを説明し、さらに「データとマネーが地域内で循環する、地域経済の持続的な発展を実現したい」と説明した
地元金融機関が交通系キャッシュレス決済一切を仕切っているのは全国的に見ても熊本県だけなので、他県で追随する動きはまずないものと思われます。