玉陽庵 算命学ブログ

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六神獣

2014年11月22日 | 算命学 あれこれ
キトラ古墳の壁画などで描かれている、「四方四神」をご存知でしょうか?
北の「玄武」、東の「青龍」、南の「朱雀」、西の「白虎」のことです。

最近は漫画やゲームなどでもこれらの名称を使うことがよくありますし、
歴史の好きな方なら、「白虎隊」であったり、「朱雀門」であったり、
名前だけなら聞いた事がある、という方も多いのではないでしょうか?

算命学でも「運型」と呼ばれるものがあり、星符をお持ちの方は、必ずどこかに
「玄武型」「青龍型」「朱雀型」「白虎型」「騰陀型」のどれかが記してあるはずです。

ここで、あれ?と思った方もいらっしゃると思います。
日本では馴染みの無い「騰陀」という神獣がいるからです。

名称が一部同じなので混同しがちですが、算命学で用いているのは実は「六神獣」。

私も「四方四神」を詳しく知っているとは言えないですし、おそらくルーツは同じだと思うのですが
日本で用いられる「四方四神」は、どうやら天空を四方向に分け、そこに神獣を配置した
もののようですね。

以前少しお話したこともあるかと思いますが、算命学で用いているのは「立体五行」。
(平面五行も用いますが、話がややこしくなるのでここでは省きます)

地上の東西南北と中央の五方向に、「天」が加わるという立体構造です。

古代東洋の思想家は、動物たちをこの地上の五方向に分け、天地を行き来することのできる
架空の動物を残りの「天」に分類しました。
これが、「六神獣」です。

日本では馴染みがありませんが、東西南北の四神の他に、地上の中央には「勾陳(こうちん)」、
天には「騰陀(とうだ)」が分類されるのです。

高松塚古墳やキトラ古墳の図像をご覧になったことのある方はご存知かと思いますが
「四神」は割と言葉通りの姿-白虎なら白い虎、青龍なら青い龍の形で描かれていますね。
「玄武」は亀に蛇を組み合わせた独特の姿ですが。

「六神獣」の場合、地上の「五神獣」は地上の動物を分類したもので
「龍」や「麒麟」といった架空の生き物は「騰陀」に含まれます。
それでは、「青龍」、すなわち東方世界の生き物として分類されるのは何かと言いますと、
「樹林・草原・森林等に生息する動物」=「馬、牛、羊、鹿」。


ちなみに、中央世界の「勾陳」は「大地に密着し、土中に生きる動物」
=「ミミズ・ヘビ・モグラ」。


古代史のお好きな方なら分かっていただけるかと思うのですが。
古墳の壁画で描かれているのが、「六神獣」に分類される実在の動物たちだったら、どうだったろう?
と想像せずにはいられないのです。

天井に龍や麒麟が描かれるのは、良いのです。北の「玄武」も、おそらく亀だけになるでしょうが
問題ありません。西の「白虎」も、虎がライオンになるだけで、それほど遜色はないでしょう。
南の「朱雀」もワシなどの鳥が描かれて、無問題。

ただ・・・東の「青龍」に鹿や牛、地面の「勾陳」にミミズやモグラが描かれていたら・・・
そう思うと、うっかり笑いが込み上げるのは私だけでしょうか?

もちろん、たとえ「六神獣」の思想が入っていたとしても、それらは神として架空の姿で
描かれるのが当然なので、こんなことはあり得ないのでしょうが。
あの美しい高松塚古墳の壁画に描かれていたのが、いわゆる「四方四神」で良かったな~と
心ひそかに思ったのはここだけの話です(^^)