・・・前略・・・
最初の患者が不妊手術を進めるために再び大学へやってきた。
組織の生検をした医師は すぐさま結果をスキャケベクに知らせた。
重大な問題があったのだ。
患者はがんだった。
病巣は精巣にあり 以前に奇妙な細胞が発見された まさにその場所だった。
生検結果は確認のため 急いで研究室へ送られ 結果は30分もたたずに伝えられた。
間違いなく悪性腫瘍だった。
それも非常に浸潤性が高く 進行の早い腫瘍だった。
当時スキャケベクは 精巣がんに関する知識に乏しく
患者にがんを告知した経験も無かった。
さらに悪い事には 患者は将来のある若者だった。
その時のことは スキャケベクの心に忘れられない記憶として残っている。
・・・中略・・・
スキャケベクは精巣がんの研究を続けているうちに
本来ならごくまれにしか発生しないはずの この病気が
あまりに多いことに驚いた。
・・・略・・・
腫瘍は長い期間これと言って特別な症状をあらわしません。
腫れがやや気になるくらいで 一般的に特に痛みはないのです。
しかし 他の組織に侵入する以前のこの時期
それは 精巣内部に じっと潜んでいるのです。
そしてホルモン環境が大きく変化する思春期以降になると
潜んでいたものが一気に目覚め 癌に成長します。
侵襲性が特に強いタイプでは
精巣に自覚症状が出る前に転移が起きてしまい
その場合 部位によって下腹部や背中の痛みを感じるようになります。
「ほぼ例外なく 両側の腎臓の間のリンパ節に広がり
リンパ節が腫れると 背中の痛みが起こる」と
コペンハーゲン大学病院の癌専門医マイケル・ロース教授は言う。
「次は肺で 咳が出るようになる。咳き込んで少し血を吐くこともある。
それでもたいていの場合 患者は一見元気で 大した自覚症状もない。」
つづく
2020年3月 クマちゃんは この石にくっついて寝るのが好きです^^
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます