「神様がね、この世に誕生した最初の男女に、二種類の死に方を選ばせたの。ひとつは樹木のように、死んで種を残す。自分は死んでも、子孫を残す道。もうひとつは、月のように、死んでも何回も生れ変わる道。そういう伝説がある。死の起源をめぐる有名な伝説。知らない?」
瑠璃も玻璃も照らせば光る
「現実から『追放』される体験、というのはこれなんですかね」
だもんで、ひとつの現実の、イメージとうまく調和できない体験は『追放』される。
前世なんて、前々世なんて、そんな非科学的なもの、あってたまるもんですか
自分の瞳か、瞳に映る世界かのどちらかがぐるつと回るような症状を、ここ半年のあいだに、彼女は何度も体験していた。そしてそのたびに、なにがしかの記憶がよみがえること――取るに足らない記憶もふくめて、目を瞑ると闇の彼方から映像が福引の赤玉みたいに転がり出ること――も学んでいた。
ずっと待ってたんだよ、と彼は言った。
*平成二十九年九月一日抜粋終了。
*三木成夫『胎児の世界』人類の生命記憶 の現象論になつているようだ。
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