
内容紹介
吾十有五而志于学(孔子・論語)に適い、千葉の片田舎の中学卒業を期に、香取飛行場跡から蒸気機関車で上京。「私とは何か」という述語探しのオブセッションの果てに、八月の京都駅頭で覚醒する物語です。
著者から一言
拙著『述語は永遠に……』(四〇〇字詰原稿用紙六三六枚・昭和五十六年)で探求していたのは、「心の動き、すなわち刹那ごとの消滅のくりかえしによる連続は消滅」しないという、述語探しによる連想過多症のつきなさを書いていたことになります。長いこと、この作品のポジションが分からないままでしたが、七五歳になって、『大乗起信論』第三段・解釈分のこの一文に出逢って、四〇歳の著作時にはそれと知らぬまま六三六枚を要していた事態が飲み込めました。
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