二重スリットによる電子の自己回折現象

2005-06-23 | 自然科学
電子がひとつずつ打ち込まれたときも、向かう二重スリットの向こう側にあるスクリーンを感光させた模様は、干渉縞となる。
ひとつの電子が薄く弱い像を複数干渉縞として一度に感光させるのではなく、ひとつは一点に感光させているし、スリットの左右どちらか一方を通過しているにもかかわらず。

なぜこんなことが起こるのか?

多世界解釈とは異なる独自の解釈を思い切ってしてみた。

Wウェル構造の静電ポテンシャル内に閉じ込められた電子の波動関数は、
トンネル効果のため、ウェル間のポテンシャル障壁が十分低いとき、両方のウェルに広がっている。
結晶格子の中に、電子がバンド構造のように全体に広がるのも、似たような効果である。
この点は、量子力学的に納得しやすいことである。
ひとつの電子も、トンネル効果のため、両方に存在する確率が存在するのだから。

スリットもこれと同じである。

スリットに近づくと、電子はスリットのポテンシャルを感じるようになる。
そして、スリットの間隔が十分狭いならば、スリットを通過する瞬間には両方のスリットに存在確率が存在するのだ。トンネル効果である。

だから、実験で干渉縞が見えるとき、スリットの間隔がトンネル効果が生じるだけ十分狭いことと、スリットを通過する時の粒子の速度が、両方のスリットに波動関数が広がるのに間に合う上限以下であるかどうかを確認するべきなのだ。

もし、トンネル効果が生じる条件を満たさないほど、間隔の広い、そして、速度の大きな粒子が、スクリーンに干渉縞を作ったとき、

そのとき初めて多世界解釈をするといいのだと思う。
それまでは、ミクロな世界は、確率解釈をしておけば、ミクロな世界を制御してゆけるのではないだろうか?

反論のある方は、コメント願います。お待ちしております。

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