花地蔵つれづれ日記

古美術、芸術全般、日々気になること。

李朝 鶏龍山刷毛目茶碗

2020-06-03 05:37:11 | アート 文化 古美術


李朝時代前期の鶏龍山刷毛目茶碗です。
鶏龍山特有の、鉄分の多い茶褐色の胎土の上を、スピード感のある刷毛目が、草原を吹き抜ける疾風のように、一気に勢いよく刷かれています。
胎土と、刷毛目の白土とのコントラスも美しく、碗の側面と見込みの刷毛目跡とともに見事な景色を作り出しています。
使い込まれた年月が、見込みの刷毛目の白土に味わい深い陰影を与え、刷毛目跡からは、この茶碗を愛しんできた人々の思いが滲み出ているようです。
窯の中で生じた器の歪みが、口辺に美しい曲線を描き出しています。日本の茶人はこうした「歪み」を賞玩してきました。
金繕いもアクセントとなり、器の造形の変化の一助となっています。
変化に富んだ、力強い迫力ある造形です。
お茶を点てると、茶の緑が映え、器も生き生きとした姿を見せます。多彩な表情で、目を楽しませてくれる茶碗です。

花地蔵のサイトとfufufufuのサイトに掲載中ですので詳細をご覧ください。

https://hanajizou.com/


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