Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

いぬさふらんと万霊節

2010年10月22日 18時15分01秒 | Weblog
今日もよしこちゃんと合わせでした。かなりいい感じになっています。苦手だった曲も、どうにか手の内に入りそうです。反対に、大好きな曲も数曲入っているので、二人の合言葉は「気合い入れすぎると帰って緊張するので、好きな曲は気楽に行こう」でした。

その中でも、シュトラウスの「万霊節」は、亡くなった恋人をヨーロッパのお盆である11月1~3日に迎える用意をするところから始まるのですが、そこに出てくる花が、匂いのいいレゼーダと言う花と、赤いアスターの花なので、今回この「花いっぱいコンサート」に選曲したのですが、そんな花を飾って、かつての5月のように…と。この人には、亡くなった恋人が天国から降りてくるのも見えているし、もう一度幸せを追体験しているのが、その和音からよくよくわかるんです。なので、大好きなので、絶対いい感じで歌いたいって思えば思うほど、プレッシャーが!

当日のプログラムが簡易なので、曲の解説ができません。なので、今日からこのブログでもいくつか曲紹介をさせてもらいますね。(だって、この先毎日「今日も練習しました」しか書けないので)

同じリヒァルト・シュトラウスの「いぬさふらん」

いぬさふらんという花です。みためピンクのクロッカスみたいな。
秋に刈り取られた後の畑の横に咲いていたりします。さながら彼岸花のヨーロッパ版。
でももっとかわいい素朴な感じ。歌の中でも、「その姿はユリの様、色はバラの様」というくらいですので。(バラと言ってもピンクのほう)

ところがそれこそ彼岸花と同じように毒があります。その球根も茎も葉も、そして花までも本当に猛毒で、食べると死んでしまうこともあるそうです。

(季節の最後に咲く)「最後の花も、最後の恋も、どちらも美しいが…死に至る。」

怖い曲です。たった1ページの曲ですが、その中には語りきれないくらいたくさんのお話が詰まっている感じがします。

昔一度書きましたが、ウィーン郊外の花の博物館で集まっていたおばさま方の前でこの詩を朗読したんです。すると、「最後の花も、最後の恋も、どちらも美しいが…」と言った後、全員が声をそろえて「死に至る」と声に出した。みなさん、かなりのご高齢でしたが、死にいたるような激しい恋を経験してこられたんでしょうか。とっても素敵な時間でした。

どちらもリヒャルト・シュトラウスが、わずか20歳になるかならないかで作曲しています。どうぞ会場で聞いてみてください。とても20歳とは思えない完成された内容です。

音楽がお得意でない「はにゅうす」ファンのみなさんに、念のために書いておきます。
りヒァルト・シュトラウスは、あのワルツのヨハン・シュトラウスとは、赤の他人、まったくの別人。そして親戚でもありません。

もちろん私はどっちのシュトラウスも大好きです!
コメント
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