小泉郵政民営化は「悪い民営化」 8月25日

民営化にも「良い民営化」と「悪い民営化」がある。

民営化というと聞こえは良いが、小泉改革における「民営化」は、本当の意味での民営化の趣旨とは、まったく異質なものだ。小泉改革における民営化の目玉が、「道路公団民営化」と「郵政民営化」の二つ。いずれも、中身を知ったら最後、とてもたとえ一歩であっても前に進められるような代物ではない。

しかし、これまで「不偏不党」「政治的公平」の原理を完全無視して、小泉流民営化を後押ししてきたメディアの刷り込みのおかげで、国民の多くが小泉流民営化の真実を知らされぬまま今日まできている。小泉さんはもとより、退廃したメディアの責任は、非常に大きい。ここまで来ると、マスコミに携わる人たちの人間の質が問われてもおかしくない状況だ。

小泉流の郵政民営化は、民営化は民営化でも、「悪い民営化」だ。イラクへの自衛隊の派遣の際、ほぼ独断で強行した小泉さんの姿を思い出して欲しい。あの時、天下に響き渡ったではないか、「小泉さんは、アメリカのポチ」だと。小泉さんの「判断材料」は、アメリカへの媚しかない。毎年寄せられるアメリカからの「年次改革要望書」の通りに、今回の郵政民営化も強行しようとしているに過ぎないのだ。なにしろ、小泉さんはサミットでのブッシュ大統領のお誕生パーティの席で、エルビスの「I WANT YOU I NEED YOU I LOVE YOU」を熱唱した、その人なのだ。

「官から民へ資金の流れを移行したい」と、小泉さんが本当に考えているのなら、今、この瞬間に、「特殊法人に流れている資金のムダ使いである郵貯・簡保を原資とする財投債の発行を止めます」とさえ言えば済むことだ。しかし、小泉さんの口からは、そんな言葉は一切出てこない。当然だ。だって、アメリカ資本に日本の資産を明け渡すための民営化であって、日本の財政再建をするための民営化では、決してないからだ。

残念ながら、多くの国民が、このような小泉流郵政民営化の「真実」を知らされないままでいる。小泉流郵政民営化法案は、日本の国民のためではなく、生活者斬り捨てと対米従属の「悪い民営化」なのだ。

更に小泉流の道路公団民営化も、郵政民営化に匹敵する「悪い民営化」だ。いまだに談合・天下りが横行する道路公団の実態は、副総裁の逮捕・起訴でも知られるように明らかだ。今ならまだ、「官製談合」という名目で罪に問えるが、小泉流の民営化が断行されてしまった後は、談合さえも罪に問えなくなるのだ。しかも、今まで以上に天下りも増えるに違いない。

小泉さんは、自民党はぶっ壊すことは出来ても、政官財の癒着のトライアングルを断ち切るどころか、更に強化しようとしているのだ。メディアが「不偏不党」「政治的公平」の原理を無視し、大政翼賛会なみの偏りで間違った情報を国民に発信するおかげで、今回の総選挙でも、国民に間違った選択を強いることになりかねない状況にある。

小泉流の民営化は、「悪い民営化」だ。「良い民営化」なら、誰も反対しない。何故、自民党の中からも造反者が出たのか。明々白々に小泉流の民営化が「悪い民営化」だからだ。押され気味の民主党が、最終コーナーで盛り返すためのキーワードは、「悪い民営化」以外にない。ガンバレ民主党!
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