ルース・ベイダー・ギンズバーグ米最高裁判所判事の死去を受けて、共和党が後任の指名と承認を強行しようとするなか、政治家としてとりわけ注目されているのがスーザン・コリンズ上院議員(メーン州選出)だ。下院も含めてニューイングランド(北東部6州)選出の唯一の共和党議員で、党内に残る数少ない穏健派の1人でもあるコリンズ氏はすでに、再選を目指す11月の上院選で初当選以来最大の苦戦を強いられていた。原因の一つは2018年、トランプ大統領による(編集注:性的暴行疑惑がもたれた保守派の)ブレット・カバノー氏の最高裁判事指名を支持したことだ。
コリンズ氏は19日に出した慎重な文言の声明で、大統領が次期最高裁判事に指名した候補について上院司法委員会が選挙前に審査を行うことに「異論はない」としながらも、「米国民への公正性において、終身制の最高裁判事の指名に関する決定は11月3日に選ばれる大統領によってなされるべきである」と表明した。遠回しな言い方は、トランプ時代に残った最後の穏健派議員の1人として、コリンズ氏が直面している難局を映し出すものだ。 (以下 小見出しと 文末 原文をおよみください)
■民主党候補優勢に
■過去の遺物
■ジャガイモ掘りで育つ
「ほとんどのメーン州民がコリンズ上院議員と会っている。彼女はどの町にも行っている」。上院共和党トップのマコネル院内総務の「手下」であるなど、コリンズ氏に対する批判について、陣営関係者は大部分が女性差別によるものだと退ける。批判派がコリンズ氏の政治的打算を難じる一方で、陣営側は政治生命を保つうえで他に選択肢はほとんどないと反論する。1970年代からの知己で、最初の上院選の選挙運動を取り仕切ったボブ・タイラー氏は言う。「自分を人気のある存在に変えることに全ての時間を費やしていたら、議会での投票行動に『満足』していると言う人たちも、そこにたどり着くまでのやり方に尊敬の目を向けはしないだろう」(*日経 FT記事より)写真:世論調査でコリンズ議員(右)はギデオン氏(中)の後塵を拝している(11日のポートランドでの討論会)=ロイター . . . 本文を読む