jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
I feel, I feel いっぱい会いたいのボクだって

ファイアボール・ブルース/桐野 夏生

2009年04月11日 | 読書
女子プロレスの小説ってありそうでないと思っていた。
ちゃんとあったんですね。
作者のホームページによると、タイトルの『ファイアボール』は、
薔薇の品種だそうで、DEEP PURPLEの曲とはまったく関係がないみたいです。
作者のHPを見るまでもなく、火渡抄子はやはり神取忍がモデル。

一応、長編ミステリーという扱いらしいが、
わし個人的にはミステリーと呼ぶにはかなり抵抗がある。
なぜなら、殺人事件の犯人があまりにも露骨で無防備でアタマ悪すぎだから。
警察は登場しないが、かなりマヌケである。
女子プロレスラーと編集者が探偵ごっこをしている間に、(この小説の世界に警察が存在するとして)警察はいったい何をしていたのだろう?
正直なところ、殺人事件は要らなかったのでは?

むしろ、名前だけ登場して描写がほとんどない三好、権藤、神林、キメラ、北本といった団体所属選手をもっと書き込んで欲しかった。
団体内の派閥争い、世代抗争などの人間模様をもっと深く追求してくれたら、
よりリアルなプロレス小説となりえたような気がする。



ファイアボール・ブルース
桐野 夏生
出版社: 文芸春秋 (1998/05)
ISBN-10: 4167602016
ISBN-13: 978-4167602017
発売日: 1998/05