科学的には説明できない何者かの存在を強烈に感じた体験はありますか?
わし個人的には、今回で2度目となります。
最初は2016年4月に京都で起きた。
その時のことは、いずれまた。
2度目は、つい最近9月9日。
台風15号の影響で首都圏の交通機関はめちゃくちゃに破壊された。
地元の電車も工事現場の囲いが線路内に倒壊し、架線を切断。
始発から運休となり、架線の修理は午前中いっぱいかかるとの情報。
クルマで出勤を一瞬考えたが、首都高速は通行止めがあちこちに発生し、都内への移動は絶望的。
首都高速へ繋がる駅前の幹線道路は激しい渋滞でピクリとも動かない。
マイカー、バス、タクシーのクルマ関係は、諦めることに。
朝6時半頃から地元駅で情報収集しつつ、あらゆるルートや手段を考えながら2時間ほど粘ってみたが、
事態は良くなる兆しはまったくなく、諦めていったんうちに戻ることにした。
JRが全滅。
JRと平行して走っている京急に乗るにもかなり難しいことがわかり、
無理して横浜駅へ行っても仕方がなく、うちで休みながら状況を見守る方が得策といえた。
話は変わって猫のチビ太。
8月第4週頃から外に出て以来うちに戻っていない。家出からおよそ3週間が経過していた。
相変わらず家にいるよりも、外出の日数の方が圧倒的に多い困った猫である。
台風の豪雨と強風は酷かっただけに、果たして無事なのだろうか?
台風一過で気温が激しく上昇し、日差しも強烈になってきた昼頃に、小田急江ノ島線が動き出したとのニュース。
炎天下でやりたくはないが、自転車で小田急江ノ島線の駅まで行って都内を目指すとするか。
自転車の場合、普段うちから地元駅へ歩いていくルートとは異なる道を通ることになる。
いつもと違う坂道を下り、右折してしばら進み、何気なく見た右手のマンション裏口に茶色の猫が視界に入った。
え?チビ太?
慌ててUターン。
猫はまだその場所にいた。
例の懐かしいダミ声。
チビ太本人だった!!
自転車を放り出して猫に近づこうとする。
チビ太は後ずさり。
距離が縮まらない。
携行しているチュールでおびき寄せるしかない。
チビ太は警戒して動かない。
辛抱強く名前を呼びながら待つ。
やがて空腹といい匂いの誘惑に負けてこちらに近づいて来た。
チビ太を上から押さえつけるようにして、ようやっと捕まえた。
自転車はそのまま放置して、猫をぎゅっと抱きしめて、うちまで無事に届けることに専念した。
というわけで、今回のチビ太発見劇は、
何者かが導いてくれたおかげで成し遂げることができた、という不思議な感覚がとても大きい。
なぜなら?
台風が来なければ、
台風で電車が止まっていなければ、
もう一回お昼過ぎに出かけることはなかった。
自転車に乗ることもなかった。
自転車でなければ、チビ太がいたマンションの前は通らなかった。
いつもの朝6時半にいつもの道を通って駅に向かっていたらチビ太に会えなかった。
その時間!
その場所!
この両方がドンピシャで合致して、初めてチビ太を発見することができる。
全部「偶然」で片付けるのが、おそらくもっともかんたんで正しい科学的かつ論理的思考なのだろう。
しかし、自分をチビ太の元に導いてくれたのは、いったい何だったのだろう?
考えたところでわかるはずもないけれど、こっちを考えるほうが個人的には好きだ。
神の導きによって捕まった犯人はこちらです。