芳野星司 はじめはgoo!

童謡・唱歌や文学・歴史等の知られざる物語や逸話を写真付でエッセイ風に表現。

益川敏英先生の怒りと懸念

2016年07月20日 | 言葉
                                                                

 安倍晋三首相は、今までで最悪の総理です。自民党はすでに派閥が力を失って、そんな安倍首相の暴走を止められる勢力はありません。みんな陣がさ議員になって、首相が右向け右といったら、みんな向いてしまう。自民党に300近い議席を与えてしまったのが間違いです。


 ノーベル化学賞の益川敏英先生は、研究者が自分の研究に夢中になるばかりで、それが容易に兵器などに応用されることに関心や意識が薄いことを懸念している。
 そもそもノーベルも、その技術が戦争に使用され多くの生命を奪ったことの罪障感から、晩年に賞の創設を決めたのだった。キュリー夫人もそれが悪用されることに警告を発していた。
 科学者は常に政治や平和に関心を持ち、政治が暴走し、科学技術を大量殺人の兵器に悪用されることに、反対し待ったをかけなければならないと言うのである。それは非常に困難なことだろう。科学技術は容易にデュアルユースなものだからだ。だから常に権力の動向を監視し、意見を言わなければならない。
 戦前・戦中に権力は、強制的に大学や民間の研究者を取り込んで動員したが、現在の政権は実に巧妙なのである。先ず研究予算の削減を持ち出す。次に研究機関自体が産学協同で金を稼がなければならないよう仕向ける(それができぬ、あるいは成長戦略に役立たぬ文系などは無用、要らぬとまで言うのである)。そして政府から、あるいは政府がセッティング、またはマッチングした企業からの「研究資金援助」というエサで研究者を釣る。
 2013年、安倍政権は大学の軍事研究の有効活用を目指す「国家安全保障戦略」を閣議決定した。その後、その戦略に沿い、東京大学も軍事研究を一部容認したと報道された。
 益川先生は、安倍政権が進める「軍学共同」「産学協同」に強い警戒感を抱いている。だから言い続ける。政治的発言をし続けると言うのである。それが焼夷弾が降り注ぐ中を、親子で逃げ九死に一生を得た、悲惨な戦争を体験をした最後の世代の役目、そして科学者の役目だと言うのである。