いろいろな方々の「言葉」を、このブログで紹介し続けている。今日は大山朝常さんの「沖縄独立宣言」から、彼の血を吐くような最後の言葉を紹介したいと思ったが、それを数行にするのは無理と知った。それで、抜粋しつつ、かなり長めの引用となった。
できれば彼の「沖縄独立宣言」を手に取り、お読みいただきたい。
沖縄戦でおびただしい血を流したうえ、戦後は米軍の占領下で塗炭の苦しみを味わってきたのが沖縄人です。その苦しみから抜け出る唯一の道として、私たちが願ったのが「日本復帰」でした。
ご承知のように、日本は「平和憲法」をかかげて、戦後、再建の第一歩をしるしました。「戦争を放棄し、武力を保有しない」と宣言した日本本土は、戦後もなお米軍の準戦時体制にあった沖縄にとって、“帰るべき平和な祖国”そのものでした。その祈るような願いを込めた対日講和条約でしたが、願いは断ち切られ、沖縄だけが米軍支配下にとり残されました。
その「屈辱の日」から、「平和憲法下日本への復帰」は単なる願いを超えて、積極的な運動に高まっていきました。
復帰後、…広大な沖縄の基地はそのまま存続し、「核つき」の疑惑は消えず、そこへ本土自衛隊が配備されました。基地からの脱却どころか、一層の強化に過ぎません。
…
沖縄人があれほど「祖国復帰」を願ったのは、「平和憲法の日本に復帰」することで、「核も基地もない平和で豊かな沖縄」を回復したいという切実な思いの故です。ところが、その思いは日本政府によってまったく無視され、「日米安保体制への復帰」にすりかえられていたのです。しかも、本土法の適用によって、沖縄の自治体としての権利すら奪われました。いわば日本への隷属です。
… 歴史的に見れば、むしろ「第三の琉球処分」と呼ぶべきです。明治十二年の琉球処分に続き、昭和二十六年の対日講和条約における沖縄切り捨てが第二の琉球処分、そしてこの復帰という名のもとに行われた日本政府による沖縄支配は、まさに第三の琉球処分そのものです。…
私たちが悲願をこめて「祖国復帰」と呼んだ運動は、本土では「沖縄返還」と呼ばれていたことに、すでに今日の悲劇の根がひそんでいました。
… 自分の手元に戻ってきた沖縄に、日本政府は安全保障や事実上の重要性を理由に特別な役割を負わせました。沖縄を、日米安保体制のタテにしたのです。
沖縄は日本ではない。沖縄人は日本人でない … ひたすら日本を祖国と仰ぎ見て、日本人であろうとして耐えつづけたことが、逆に沖縄戦をはじめとする多くの悲劇を招いてきたのではないでしょうか。私にはそう思えてなりません。
併せて竹中労氏の「琉球王国 汝花を武器とせよ」もお薦めする。
できれば彼の「沖縄独立宣言」を手に取り、お読みいただきたい。
沖縄戦でおびただしい血を流したうえ、戦後は米軍の占領下で塗炭の苦しみを味わってきたのが沖縄人です。その苦しみから抜け出る唯一の道として、私たちが願ったのが「日本復帰」でした。
ご承知のように、日本は「平和憲法」をかかげて、戦後、再建の第一歩をしるしました。「戦争を放棄し、武力を保有しない」と宣言した日本本土は、戦後もなお米軍の準戦時体制にあった沖縄にとって、“帰るべき平和な祖国”そのものでした。その祈るような願いを込めた対日講和条約でしたが、願いは断ち切られ、沖縄だけが米軍支配下にとり残されました。
その「屈辱の日」から、「平和憲法下日本への復帰」は単なる願いを超えて、積極的な運動に高まっていきました。
復帰後、…広大な沖縄の基地はそのまま存続し、「核つき」の疑惑は消えず、そこへ本土自衛隊が配備されました。基地からの脱却どころか、一層の強化に過ぎません。
…
沖縄人があれほど「祖国復帰」を願ったのは、「平和憲法の日本に復帰」することで、「核も基地もない平和で豊かな沖縄」を回復したいという切実な思いの故です。ところが、その思いは日本政府によってまったく無視され、「日米安保体制への復帰」にすりかえられていたのです。しかも、本土法の適用によって、沖縄の自治体としての権利すら奪われました。いわば日本への隷属です。
… 歴史的に見れば、むしろ「第三の琉球処分」と呼ぶべきです。明治十二年の琉球処分に続き、昭和二十六年の対日講和条約における沖縄切り捨てが第二の琉球処分、そしてこの復帰という名のもとに行われた日本政府による沖縄支配は、まさに第三の琉球処分そのものです。…
私たちが悲願をこめて「祖国復帰」と呼んだ運動は、本土では「沖縄返還」と呼ばれていたことに、すでに今日の悲劇の根がひそんでいました。
… 自分の手元に戻ってきた沖縄に、日本政府は安全保障や事実上の重要性を理由に特別な役割を負わせました。沖縄を、日米安保体制のタテにしたのです。
沖縄は日本ではない。沖縄人は日本人でない … ひたすら日本を祖国と仰ぎ見て、日本人であろうとして耐えつづけたことが、逆に沖縄戦をはじめとする多くの悲劇を招いてきたのではないでしょうか。私にはそう思えてなりません。
併せて竹中労氏の「琉球王国 汝花を武器とせよ」もお薦めする。