以前から交友のある某女子からのお勧めで、諏訪大社に古くから伝わる謎多き「御室神事」をテーマとしたドキュメンタリー作品「鹿の国」
ロードショー公開ではないので上映館が少なく甲信越では、岡谷市スカラ座で上映している事がわかりウィークデーに遠征して鑑賞して参りました。
岡谷市スカラ座 ショッピングセンター内とかではなく街中にポツンとあります。シアターはそれなりの数があり普通にロードショーも上映しています。
1Fロビー ウィークデーでしたがけっこうな人が来られていました。
ホンモノの鹿の頭らしいです。
【観た感想】
舞台は信州・諏訪盆地。日本で最も古い神社のひとつといわれる諏訪大社の祭礼を追ったドキュメンタリー映画です。
諏訪大社でかつて行われていた御室神事(みむろしんじ)、鹿を生贄にする御頭祭、穴巣籠の密儀など、それら特異な古代から続く神事に密着し、その神秘的な世界を描いています。
まず、全体を通じて映像が本当に美しい。諏訪の豊かな自然、そして伝統的な祭りの様子が、まるで私たちを古代に誘うかのようでした。
古代からの伝統や神事という題材も、非常に興味深かったです。
特に注目すべきは、諏訪大社でかつて行われていた畏怖と謎に包まれてきた「御室神事」を古代より伝わる古文書などを頼りにその神秘的な神事の全容を役者さんたちが再現をしています。
けして見ることなど叶わなかった謎の神事ですが、この映画を通して、諏訪地方に伝わる「ミシャグチ」と呼ばれる特異な信仰と人々との関り。文化にも触れることができました。
また、鹿と人との関わり、自然への畏怖など、様々なことを考えさせられました。
ただ、ドキュメンタリーとしては、もう少し掘り下げて説明が欲しかった部分もありました。神事の背景や意味合いについて、難解なところが多かっただけにもう少し詳しく解説して欲しかったと感じました。
この映画は、鹿の保護と伝統の保護という、現代社会が抱える難しい問題にも触れています。鹿を生贄にするという伝統を守りながら、鹿を保護していくことの難しさ。この映画を観た人それぞれが、様々なことを考えさせられるのではないでしょうか。
諏訪大社の神事を通して、諏訪という土地の歴史や文化に触れることができたのも、この映画の魅力です。諏訪の自然や人々の暮らしを通して、日本の原風景に触れることができたような気がします。
【まとめ】
映画「鹿の国」は、映像美、題材の面白さ、メッセージ性など、様々な魅力を持った作品でした。ドキュメンタリーとしての完成度には、もう少し期待したい部分もありましたが、諏訪の神秘的な世界に触れることができた貴重な体験でした。諏訪信仰のその特異性に改めて痛感できる作品でした。
興味があれば、是非鑑賞する事をお勧めします。
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