響けブログ

音楽コドモから「音楽コドナ」へちょっと進化。ドラムとバイオリンと小鼓を弾く、ヒビキの音楽遍歴。

ビンテージ・ベーゼンドルファーの若い音色が、調律で甦る。

2010-02-04 | ライブハウスへ行こう!


でもって、夫の言うように、角煮丼であるとか、まぐろ丼であるとか、水餃子とかおつまみセットであるとか、ビールなどを食べたり飲んだりしていると、にわかに出演者が登場となる。

山下さんがマイクを持って──さっき表見たらさ、今日の公演は「ビッグトリオ」って書いてあったよ。──ポンタさん、「へえー」みたいな。

おうように始まるのだが、今年の白龍館のベーゼン(しかもビンテージ)は、ぴたっと調律済み。さっきまで鍵盤柄のエプロンをつけて入念に調整していた、もうそのまま映画に出てもらいたいような調律師のおじさんが、まろやかなベーゼンの音色はそのままに、大きいスケールをとればとるほどバランスが生きてくるような鋭い調律で、音の「立ち」っていうんですかね、なんというのか、ちゃんと形のある1音1音を作ってあったからだ。

一方山下洋輔氏は、こういっては何かとも思いますが、調律してなければしていないで、してあればしてあるで、すばらしい演奏なのだった。調律してある場合はしかし、やはり複音楽的なことが展開しやすかったり、ボーカルというかメロディを際だたせたり、和音と分離させたり(不協和音のようなものも使いやすい)、という方向でややアカデミックな高度さを備えた印象になる(と私は思った)。

特にこれがまたすばらしい笛ゲストの天田通さんという方が、コントラバスフルートという……

「世界に100台ぐらいはあると思いますよ。ま、全部使われてるとは限らないけれど」

という巨大フルートのような──コントラバス同様、床への設置のために巨大な「針」みたいなのがついている──楽器、バスフルート、フルートと吹きこなされるのだが、なにしろお名前からして「天」に「通」というくらいの方だから、エリック・ドルフィーのLast Dateのようにすごいことになっていると、山下洋輔さんが、「言いたいことはわかった」って感じに、その場で曲をどんどん作っていってしまうのが圧巻な感じでありました。

しかしそれにしても……、山下洋輔さんが連れてくる笛と太鼓は、ただごとではありません。

ヒビキにとってもあまりに印象深かったのか、翌日になるとヒビキ、さっと電子ピアノに向かって、かなりさくさくとピアノを弾いておりました。ドラムより、印象に残ったのかも。こうなると、調律もほんとに大切なパートという他はありますまい。

Last Date

Westwind

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