とある朝、ヤマハP200は、とあるひとつの音が出なくなった。ある音というのはひとつ低い「ラ」である。カンのいい方は、気づいていらっしゃるように、これはかなりやらしい音、つまりよく使いそうな鍵である。
しかも、発表会曲のボッケリーニのメヌエットはバイオリン初級王道のシャープ3つ、ということはイ長調、すなわち「ラ」(A)が主音なのである。
しょうがないのでオクターブ振替たり、適当に弾いたりしていたが、キーを押したのに音が出ないと、どうも指を痛めるようである。だんだん指も痛くなってきたので、トランスポーズ機能を使って鍵盤の高さをずらしてみたが、今度はどうも音色が違ってしまって、細かいこととはいえ、高いような低いようなへんな音になる。
というわけでさっそく修理に来てもらうことになった。
本体をがばっと開けると、電源部と、キーボード回りのふたつの部分がある。キーボードの回りにが基盤が並んでいて、この回路に水が入ったらしいのが故障の原因だそうだ。プリントの回路とはいえスペースにはかなり余裕があるので、錆びているところがこことわかる大きさである。
中にあったたくさんのゴミも取り除いて、すっかりきれいになったP200。きれいになって弾いてみると、なんとなくだいぶキーのタッチが軽くなったように思われ、弱音もだいぶ弾きやすく、段階的ながくんと音量が下がるようなこともなくなったように感じられた。プログラム的にそうなるとはとうてい思えないんだけど、なにかのちょっとした具合がそのように印象させるのだと思う。人間の道具としては(あるいは脳としては)、「電子」ピアノはキャリアが短いのである。
しかし、そんなこともつかのま、クラシックイタチ、こんどは右手薬指の爪の真横を怪我してしまった。これが意外と痛くて結構パソコンのキーボードを打つのもいや、という感じ。まいったな、なのである。
「だいじょうぶ?」
と言ってくれるヒビキのバイオリンは、さっき練習したところ、もはや行き方も間違えなくなっていた。(なぬー、いつの間に!)これまでは一度だって、全部行き方が合っていたことなんかなかったヒビキだが、奴は着実に本番へと向かっているらしい。
なになに、これってもしかしてシナリオ通り?
[しんぱいな発表会]
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
しかも、発表会曲のボッケリーニのメヌエットはバイオリン初級王道のシャープ3つ、ということはイ長調、すなわち「ラ」(A)が主音なのである。
しょうがないのでオクターブ振替たり、適当に弾いたりしていたが、キーを押したのに音が出ないと、どうも指を痛めるようである。だんだん指も痛くなってきたので、トランスポーズ機能を使って鍵盤の高さをずらしてみたが、今度はどうも音色が違ってしまって、細かいこととはいえ、高いような低いようなへんな音になる。
というわけでさっそく修理に来てもらうことになった。
本体をがばっと開けると、電源部と、キーボード回りのふたつの部分がある。キーボードの回りにが基盤が並んでいて、この回路に水が入ったらしいのが故障の原因だそうだ。プリントの回路とはいえスペースにはかなり余裕があるので、錆びているところがこことわかる大きさである。
中にあったたくさんのゴミも取り除いて、すっかりきれいになったP200。きれいになって弾いてみると、なんとなくだいぶキーのタッチが軽くなったように思われ、弱音もだいぶ弾きやすく、段階的ながくんと音量が下がるようなこともなくなったように感じられた。プログラム的にそうなるとはとうてい思えないんだけど、なにかのちょっとした具合がそのように印象させるのだと思う。人間の道具としては(あるいは脳としては)、「電子」ピアノはキャリアが短いのである。
しかし、そんなこともつかのま、クラシックイタチ、こんどは右手薬指の爪の真横を怪我してしまった。これが意外と痛くて結構パソコンのキーボードを打つのもいや、という感じ。まいったな、なのである。
「だいじょうぶ?」
と言ってくれるヒビキのバイオリンは、さっき練習したところ、もはや行き方も間違えなくなっていた。(なぬー、いつの間に!)これまでは一度だって、全部行き方が合っていたことなんかなかったヒビキだが、奴は着実に本番へと向かっているらしい。
なになに、これってもしかしてシナリオ通り?
[しんぱいな発表会]
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |