研究室のようなところで働いていた時、検査室の人がウズラのつがいを上司に持ってきた。
ペットのような感じで飼うことになった。食堂で昼食の残りを少しナプキンに入れて持ち帰り、与えていた。多分専用のエサもあったのだろう。
ある朝出勤してみると、ざわざわと大騒ぎになっていた。婦長さんが、朝方首を絞められるような悲鳴を聞いて目が覚めたと騒いでいたのだ。
犯人はウズラだった。つがいだとばかり思っていたのが実は雄同士だった。覇権争いか知らないが喧嘩をして悲鳴をあげていたのだった。
研究室のような所の隣に小さな部屋があり、その隣にトイレがあり、その隣が婦長さんの当直室だった。
婦長さんに怒られて謝るしかないので取り敢えず謝り、ウズラは元の持ち主に返された。
何もあんなに大げさにしなくとも…とも思ったが、逆の立場だったら何事かと驚いたに違いない。ウズラは雄雌の区別が難しいらしい。可愛がったつもりだったが、それ以前の問題だった。