私がひとりで生きていかなければ、と思ったのは母が亡くなってからである。
母はメールが出来たのでやり取りしていたが、メールが急に途絶えたので駆けつけたら暗闇の中にひとり居た。
頭がボーっとしていたので、私の家に連れ帰った。
それから2年間母と一緒に暮らした。それは貴重な楽しい時間だった。
お互い頼り頼られつつ生きて来た。
私ひとりで3食を食べさせることは体力的に無理だったのと、美味しいものを母に食べさせたくて思いついたのがお手伝いてを雇うことだった。
車の運転が出来るから、母が急逝昔住んでいたところなど連れて行ってもらい、母も喜んでいた。
母が胸部大動脈瘤破裂で急逝して、暫くお手伝いさんはいたが、私が寝てばかりいて何もしないから身体がダメになると思ったので、辞めてもらった。
さあ、これからひとりで生きなければいけない、と考え、何となく医師会に電話した。
すると訪問看護師と訪問リハビリを寄こして欲しいと言うと、いいですよと言われた。
ヘルパーさんがいるなぁと思い、母が利用していたデイサービスの所に電話したらいいですよ、週に2回、1.5時間ずつ使えますと実に簡単に決まった。
- 求めなさい。そうすれば与えられます。捜しなさい。そうすれば見つかります。たたきなさい。そうすれば開かれます。(マタイ7:7)
- 聖書に書いてあるその通りになった。
私は入院セットをボストンバック2つ用意していて、パジャマを季節のものと入れ替えればよいようにしていたので、リュックに1日分の入院道具を持って病院に行き、入院が決まったら、母に電話してボストンバックを近くのクロネコから送ってもらっていた。
出来るだけ誰にも迷惑を掛けないように…。
その母も居なくなって、本当にひとりになった。
それでも何とか楽しく生きていけるのは、ヘルパーさんや看護師さん、OTさんのお陰だと感謝している。