リハビリに行けるようになって、この部屋を飛び出して行けることに喜びを感じている。
特に、車椅子は自分で漕げます、とリハビリの先生に言ってカルテに書いてもらって一人で行動できるようになってから、羽の生えた鳥みたいな気分だった。
このテントで囲まれた部屋は一向に変わらず、ここを出ることが忍耐から解放されるようであった。
帰りにはドトールのアイスコーヒーを買って帰るのが常になった。
家では毎日、ホットだけど飲んでいたから…。
K大病院に入院していた時は、個室だったので、毎日朝と昼、サブウェイでコーヒーを持ち帰っていたので、顔を覚えられた。
それと母の調子が少し悪かったので、毎日葉書か手紙を出していた。
懐かしい思い出である。
何かをしていなければならない性格、出来るだけ有意義にしたい性格らしい。
そうだ。投書も汚い字で書いた。あとは出すだけだ。
今日は朝、足のピンを抜いた。
夕方、また傷を見に来られると言う。だから荷物の整理も出来ない。
ボストンバックをベッドの上に置くことになるから…。
ここを去る時間がどんどん迫って来る。