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内外行動日記です。blog復帰しました^ ^

自然免疫、獲得免疫を踏まえ、ワクチンを考える。

2023-02-17 14:56:18 | 学問
ワクチンを打ち抗体を作るということは、自然免疫だけではなく、獲得免疫まで発動させる必要があります。
自然免疫と獲得免疫の違いは、自然免疫は好中球やマクロファージがそのまま非特異的に貪食してくれるのに対し、獲得免疫では抗原提示を行いヘルパーT細胞を活性化させ、特異的な免疫を発動させる必要があります。いわゆる犯人の指名手配みたいなものです。
その過程で、ワクチンにはアジュバンドという名目で添加物という異物を必ず加えます。そうしないと生体は異物と判断しないから獲得免疫が発動しないからです。今回のmRNAワクチンはLNP(脂質ナノ粒子)にあたります。
有機水銀やアルミニウム、ホルムアルデヒドなども同じてす。
この異物が万人に良いものであるはずがなく、何百、何千、何万人の中で、時には小さな疾病を引き起こし、人によっては後遺症が残り、人によっては死に至らしめます。

蕎麦を食べて健康になる人もいれば、アレルギーで死に至る人もいるわけです。
酒も小麦粉も同じ、花粉だって同じことです。
ヒトにはそれぞれ体質というものがあり、受けつける受けつけないは人それぞれなんです。

だから当たり前のことを声を大にして言いますけど

『万人に効く薬なんて存在しません。』

だから健康な人は極力医療に関わらないで欲しい
というのが僕の考え方です。

そんな健康な人を巻き込むワクチンを推奨しているのがWHOであり、政府であり、厚生省であり、医師会です。
ワクチン接種と救急車の発動回数と死者増加の全てに相関関係があるのは偶然でしょうか?
接種率を上げることを目標にし、接種証明を必要とすることが如何に矛盾しているのか、理解しなくてはいけないと思う。

何も考えずに4回も5回も接種し、させている人たちはホントに考えて調べることをしたほうがいいと思います。
上からの命令だけで動くなら人間でなく、機械でもできることだと思いますので。

僕は先輩の医師にボロく○言われて、友人からは反ワクチンの陰謀論者なんて言われたこともあったけど、
効果があって、安全性が確立していれば、反対する理由なんてどこにも無いんです。
一定の割合に死者が出て、さらにそれよりも高い割合で後遺症が起こり、人によっては数年後の病気のタネとなり得る。そんな血管(わざと字間違えています。)だらけのワクチンだからボロク○否定しているわけです。

免疫学を1から学び直したいち歯科医師の個人的な意見です。思いのまま記載しました。

このシリーズはあと2回記載する予定です。
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センメルヴェイス反射

2020-05-19 14:53:38 | 学問
『センメルヴェイス反射』という言葉がある。
「通説にそぐわない事実を拒否する傾向にあること」です。
一般にはよくあることです。
ウィーンの総合病院の医師、イグナーツ・センメルヴェイスは、1847年に、産褥熱(出産と共に母親が熱を出して死亡する)は当時、妙な病気として、原因がわからなかったのですが、医師が出産に手を出すと母体が死ぬこと、産婆さんが出産に手を出すと死なないことを発見した。
当時は細菌という概念があまり無かったのですが、つまり、医師の手指から何か出ているのではないかとなり、医師の手指消毒を徹底させることで産褥熱が下がったことを発見した。つまりは消毒が不十分であったことが原因ではないか、と述べた。

しかし、当時主流派の医師達は、「長年医師達が素手で多くの母子を殺してしまっていたこと」を受け入れられず、センメルヴェイスの発見した意見を一蹴あるいは無視した。

1850年センメルヴェイスは当然反論しましたが、意見は黙殺され続けることになりました。

1860年センメルヴェイスは著書を発表し、主流派医師達を激しく非難しました。

1865年センメルヴェイスはそれが原因で頭がおかしいとなり、精神科病院に送られてしまい、嫌だと逃亡を図ったら、守衛達に取り押さえられ、暴行され、その時のケガがもとで死亡しました。

つまり、通説にそぐわない事実を主張するとこういう目に合うわけです。かつて、ガリレオガリレイも地動説を唱えましたが、意見が通ることはありませんでした。日本でも『村八分』と言って多数の意見に合わせておかないといじめを受けたりします。まさに「出る杭は打たれる」です。

何が言いたいのかというと、
「世の中を動かすことができる人達が必ずしも考え方が正しいとは限らない」
ということです。
逆に言えば
「考え方は正しくとも、世の中に影響を与えられない人」
が沢山いるということです。
何が正しく何が正しく無いのかは自分の頭でよく考えることだと思います。
自分の頭で考えて行動できる日本人が今どれだけいるのか?です。









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『がん』の話1、悪性腫瘍はなぜ『がん』と表記するか??

2020-01-10 06:00:55 | 学問
『がん』について私の見解を述べてみようと思います。
『がん』は日本人の年間死亡者が37万人を超えるため、1日に約1000人もの尊い命が
失われていることになります。
グラフでは悪性新生物と記載されていますがこれが『がん』です。
学生の頃、疾病は6つに分類され、6大病変として習いました。
6大病変とは
・奇形
・循環障害
・退行性病変
・進行性病変
・炎症
・腫瘍
です。歯科の分野で最も縁があるのは『炎症』ですが、『がん』は腫瘍に分類されます。
腫瘍は
1.良性腫瘍
2.悪性腫瘍
に分類され、悪性腫瘍は上皮性のものを『癌腫』非上皮性のものを『肉腫』と呼びます。
『がん』は漢字で『癌』と書きますが漢字の『癌』だと悪性腫瘍の上皮性の癌腫のみを指すため、
一般的にはわかりやすい表記のため悪性腫瘍全体をひらがなで表記し『がん』と呼んでいるわけです。
だから今回も私は『がん』と表記しています。
がんは治らない病気と思われがちですが、その理由として、正常な細胞とがん細胞では機能の違いがひとつの理由として考えられています。正常な細胞は細胞分裂を繰り返す際にテロメアを消費するため、細胞分裂の回数が決まっていると言われています。しかしがん細胞は、細胞分裂の際にテロメアを消費しますが、テロメアーゼという酵素を出すため、このテロメアーゼは消費したテロメアを復元する効果のある酵素で、がん細胞は細胞分裂を半永久的に繰り返すことが出来ることが、恐れられている理由とのことです。
だから『がん』は遺伝子の疾患である。と学生時代に習ってきました。
しかし、どうやらこの考え方を変えるべき時が来たなと感じています。
だからこそ、久しぶりに悪性腫瘍について私の見解を述べさせて頂きます。
詳しくは次回の『がん』の話2で述べますが、
・糖質制限
・体温を上げる
このたった2つの条件で劇的に変化するとのことです。
ある医師は『がん』は3ヶ月以内に治ると述べられています。
まったくもって眼から鱗です。
この辺りの話は次回述べます。
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経済における三つの思想

2018-11-15 09:31:46 | 学問
経済って簡単に普段からもちいらている用語だが、その言葉の意味はとても重いものです。
最近では経済は経世済民(けいせいざいみん)を略したものであると色々なところで目にします。
けいせいざいみんとは世をおさめ、民を救うことを言います。
つまり、経済とは民を救うために行う政策のようなものなのです。
そんな経済において、人によって考え方が全く異なる思想が存在しているのをご存知でしょうか。
1.古典派、新古典派
2.ケインズ派、ケインズ主義
3.リフレ派

古典派とは昔からある考え方で、民間の経済が滞っている時、つまりお金が無い時は政府も節約しなさいという考え方です。
ケインズ主義は、民間のお金が滞っている時は政府がお金を使い、民間が潤っている時は政府も節約する考え方です。
リフレ派とは経済とは通過の現象であるという考え方です。
このあたりを理解するにはそもそもお金とは何だろうか?という根本的な部分の理解が必要です。
今回は思想について述べさせて頂くため、割愛させて頂きます。

さて、三つの経済の思想、はたしてどの考え方が正しいのでしょうか?
ここを紐解くためには先ほど述べた経世済民けいせいざいみんという考え方と、インフレ、デフレといった状況、ミクロ視点、マクロ視点といった見方から分析するとわかりやすいかもしれません。
国や自治体のような大きな視点はマクロ視点。個人、家庭のような小さな視点はミクロ視点とします。
例えば現在の日本政府は約2パーセントものインフレ目標を掲げています。日本の現在の経済の状況はデフレです。
1.古典派、新古典派は政府の支出を抑えることで、無駄使いを無くし、財政を補おうとします。
主な政策としては増税です。今回で言うなら消費税の増税がこれにあたります。

2.ケインズ派、ケインズ主義は1とは逆にデフレ化では政府の支出を増やします。
政府の支出を増やすことで民間の支出を促すわけです。増税ではなくむしろ減税を行います。

3.リフレ派は、デフレを通過現象として考えるため、金融緩和を行います。
足りなければどんどん行いデフレ脱却するまで行います。インフレ下では金融緩和を辞め、引き締めていきます。

今現在日本政府が行っている政策は1と3の考え方です。
政府は支出を減らし、消費税を増税し、一方で金融緩和を行い円を増やしています。
しかし未だにデフレ脱却には至っていません。
なぜでしょう。
それは、政府と個人、家庭では視点が違うからです。マクロ視点とミクロ視点です。
ミクロ視点では、お金を使い続けてしまうと破産してしまいます。そのため、ある程度支出を抑える
必要があります。一方でマクロ視点では、政府は日銀に通貨発行を支持することで、お金を増やすこと
ができます。それで国債、政府の借金を返済することもできるわけです。
事実、政府の借金が増えたのは、1997年以降、国が支出を減らし、消費税を増税してからです。
それから20年もの間デフレ化が進んでいるわけです。
いつまでこんなこと繰り返すのでしょうね。、

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ネイルアート

2011-10-02 20:09:38 | 学問
今日は知人の結婚式に参加してきました。

そこで同席された知人の爪を見てびっくり!

オシャレな装飾がしてありました。

さて、このネイルアートに歯科の技術が使われていること、ご存じでしたか??

「接着」

という技術です。

爪と物質の融合です。
そもそもどのようなメカニズムになっているのでしょう??

まず、爪のような硬組織と物質は普通、くっつきません。
くっつくためには引っかかりがひつようです。

ツルツルの面よりも、ざらざらな面のほうが滑りにくいことはイメージできると思います。
そこで、まず表面をざらざらにします。
この動作を10~30%程度のリン酸を用いた15秒程度の酸処理によって行われることが多く1の動作として
「1:エッチング」と呼んでいます。

そして、爪には無機物である硬組織と、有機物である線維組織があります。
しなーっとした、この線維組織をボリュームを出すように立たせる動作、これを2の動作として
「2:プライマー」と呼んでいます。

これで、硬組織のタグ、線維組織のタグが出来ましたので、一層の接着材を流し込み、固めます。
この3の動作を
「3:ボンディング」
といい、これにより、ツルツルの面が接着面に変化します。
レジンタグなんて呼んでいます。

完成した接着面に材料を塗布し、再び固める。
この動作を繰り返し、ネイルアートは完成します。

むし歯を取り切り、削り取った面を接着面に変え、材料を詰める。
コンポジットレジン修復とネイルアート

一見全く違う分野のようですが、共通する点が多々あるんですね(^^)


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「国際法」について

2011-08-05 02:27:05 | 学問
最近よく(最近だけではないのですが)「国際法違反だ」
というフレーズを耳にします。

最近では日本の国会議員が韓国で入国拒否され、国際法違反だ
なんて聞きました。

では「国際法」とはなんでしょう??

法律を分類するとき、国内の法律が存在します。
それに対し、国際法というのがあると考えるとよいかもしれません。

国内では法を破ると捕まり、法の秩序で裁かれます。
つまり、国内法では、法の施行を行う機関があるわけです。

一方国際法では法を施行する権力がありません。
つまり、国家が悪いことを行っても制裁することができない。ということになります。

これは、世界政府という機関が存在しないためです。
まあ、漫画の世界ではよく見ますが(^^;

そもそも国家間とは平等であり、各国家は戦争を行う権利がある。そうです。
自衛でなく、侵略であっても戦争を行いたければ戦争をしても良い。ということです。
宣戦布告は国家の権力で、弱くて負けたらそれでおしまいです。
例を挙げると、湾岸戦争
イラクはクウェートを侵略しましたが、多国籍軍がイラクをクウェートから追い出した戦争です。


なんだかとても怖いお話になってしまいましたが、何が言いたいのか??
というと、国際法で、戦争を防ぐことはできないですよ。
ということです。


国際法は慣習法と国際条約から成ります。

慣習法、とは外交の慣習を示し、これは二国間の条約がそれにあたります。
お互いが得とするので守りましょう。といった意味が込められています。

国際条約(Modas viverdy)は、争いの中の暫定的協定で、最終的な解決を先延ばしにする、妥協案。
といった考え方です。


つまり、A国とB国が条約を結んでいるにもかかわらず、B国が破ることがあるとします。
その場合、A国がB国を制裁できないと、何も国際法を適用できないのです。
言い換えると、A国はB国に国際法を守らせるだけの国としての強さがないと、国際法を守らせることはできないわけです。
だから、国益を巡り、両国間に争いがあるわけです。

ですので、国際法裁判所も、A国、B国の両方が行くという取り決めがあり、初めて機能するわけで、どちらかが行かない方針を取れば、永遠に機能しないのです。


1748年にモンテスキューが、「法の精神」を表しました。
これは、三権分立を示し、三権とは、
「独裁制」「貴族性」「民主制」の三つです。
独裁制は、堕落すると、僭主制(個人が権力を持てばなんでもOK)
貴族制は、堕落すると、寡頭制(少ない頭数の支配)
民主制は、堕落すると、愚民制(国家を解体する愚かな政治)

これら三つは堕落する可能性を秘めているので、三つを組み合わせれば落ち着くんじゃないの??
という考え方と見ればいいのでしょうか。

大統領制は、大統領、議会、裁判官から成りますが、
大統領:独裁制
議会 :貴族制
裁判官:民主制
と三権分立を使いこなした制度です。
一方議員内閣制は、独裁制が存在しません。

どちらが良いかはわかりませんが、国際法を知るには、国内の法律を知らないと何もわからないのです。

難しいお話ですね(^^;



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放射線の単位について

2011-03-23 21:43:12 | 学問
東京都の水道水から1リットルあたり約200Bq(ベクレル)の放射性ヨウ素を検出したと発表され、またも混乱をしている状況です。今度は水を買いだめしている人が増え、スーパー、コンビにから水が消えてきています。
いくら何でも、報道に過剰反応しすぎではないのか??と思います。
原子力安全委員会は飲料水に指標を定めており、それは
1リットルあたり300Bq(ベクレル)

小児の場合は
1リットルあたり100Bq(ベクレル)
とのことです。

さて、ここで登場したBq(ベクレル)って単位に戸惑った方は大勢いらっしゃると思います。
Gy(グレイ)とSv(シーベルト)はここ最近馴染みのある単位になりました。
しかしまた新しい単位の登場です。
ここで一度、放射線の単位を項目別におさらいしてみたいと思います。そもそも放射線の単位はどのようになっているのか??
実はややこしいのには理由があります。そのややこしい理由まで述べてみたいと思います。

・照射線量(C)・・・・単位 : C/kg(クーロン毎キログラム)
・吸収線量(D)・・・・単位 : Gy(グレイ)
・線量等量・・・・・・・単位 : Sv(シーベルト)
→実効線量(H)と等価線量(E)に分かれる。

・放射能・・・・・・・・単位 : Bq(ベクレル)
・放射線のエネルギー・・単位 : eV(電子ボルト) 

それぞれどこを基準に見るか??で、単位を分けていると言えます。

1、照射線量(C/kg)
空気1kg中に1Cのイオンを作るガンマ線、エックス線の量をいう。
→つまり、一定の場所における空気を電離する能力の量を示したもので、「照射線源」を基準としている。

2、吸収線量(Gy)
1kgあたり1Jのエネルギーの吸収がある時の線量をいう。
→つまり、放射線を照射された物質に吸収されたエネルギー量を示したもので、「物体」が基準になる。

3、線量当量(Sv)
吸収線量(Gy)×WR(放射線荷重係数)×修正係数で表される。

3-1、実効線量(Sv)
「人(全身)」 が基準になる。各組織の障害の感受性(荷重係数)を考慮して加算した線量をいう。

実効線量(H) = 吸収線量(D)× WR(放射線荷重係数) 

3-2、等価線量(Sv)
「人(局所)」 が基準になる。被曝を受けた臓器によって障害の程度が異なる。

等価線量(E) = 実効線量(H)× WT(組織荷重係数)

WT(組織荷重係数)・・・・・・各臓器の確率的影響のリスクを考慮して決められた値
生殖腺:0.20 骨髄、結腸、肺、胃:0.12 膀胱、乳腺、肝臓、食道、甲状腺:0.05 皮膚、骨:0.01 その他:0.05 

4、放射能(Bq)
放射性同位元素が放射線を出す能力をいう。放射線と放射能を混同することが多いので注意。
1Bqは1秒間に原子核が1個崩壊する量の放射能を表す。

5、放射線のエネルギー(eV)
電子が1Vの電圧で加速されて得る運動のエネルギーを言う。放射線のエネルギーを表す単位としてよく用いられる。 


なぜややこしいのかというと、理由は2つ
一つ目の理由として、
Sv(シーベルト)とBq(ベクレル)は比べようがないのです。
理由は放射能の大小では、放射線の種類やエネルギーの大きさ、放射線を受ける身体の部位などは考慮できないからです。
しかし、放射性物質を特定し、摂取した放射性物質の量と被ばく線量の関係を表す実効線量の係数をあらかじめ求めておくことで、おおまかに計算が可能です。これは、国際基準ではなく、学会の設けたおおまかな基準であることを前もって理解してください。

実効線量係数 = 線量(Sv) / 放射能(Bq)

吸入と経口の場合で異なり、質量数131のヨウ素の放射性同位体の場合の経口投与で計算してみます。
係数は 2.2×10-8(mSvの場合は2.2×10-5) です。
この実効係数も学会により目安にすべきある程度の基準値が出ているようです。

では、BqをSvに換算するには
線量(Sv) = 実効線量係数 × 放射能(Bq)となります。

つまり、今回の水道水を例にとると、1リットルあたり200Bqの放射能を有する水を1kg(約1リットル)飲んだ時の放射性ヨウ素の吸収線量を計算してみます。

線量(Sv) = 2.2×10-8 × 200(Bq) となり、

線量(Sv) = 4.4×10-6 → 0.0000044(Sv) 

線量(mSv)= 0.0044(mSv)

線量(μSv)= 4.4(μSv)となります。


自然放射線の一時間あたりのおおまかな基準値を0.05μSv/hとすると、
一日あたりの自然放射線の被曝量は1.2μSv程度となります。
1リットル飲料しても、おおよそ4日分の安全な自然放射線による被曝量以下の計算になります。

だから、報道は、成人が摂取しても問題ないですよ。但し、小児は感受性が高いので注意を怠らないようにしてください
という意味と私は解釈しています。
そもそも、温泉の被曝量はこの比ではありません。
とはいえ、この基準値は、おそらく厳しく改定されるでしょう。

二つめの理由として、
昔と現代では単位が異なるということです。
照射線量(C/kg)は以前は(R:レントゲン)でした。
同様に、
吸収線量(Gy)は(rad:ラド)
線量等量(Sv)は(rem:レム)
放射能 (Bq)は(Ci:キュリー)
でした。
レントゲンもグレイもシーベルトもラドもレムもキュリーも全て人の名前だったと思います。
何が言いたいのかというと、古い教科書や文献を調べると単位が現在と違うのです。
これがまたややこしい。
例えば、チェルノブイリ原発事故の資料に目を通すと、単位がrad:ラド やCi:キュリー
で出てくるため、今回の福島第一原発と比べる際にちょっとした計算を行わないといけないのです。

これは、国際単位(SI単位)として、共通化したためです。
国際単位系(SI)は、メートル条約に基づき
MKS単位系(長さにメートル(m)、質量にキログラム(kg)、時間に秒(s)を用いる)
この3つの単位の組み合わせでいろいろな量の単位を表現していくことです。


すると、Bq、Sv、Gyなどは全てSI基本単位に属し、上記のCiなどは非SI単位になります。



・追記 ~放射性ヨウ素について~

小児は腺組織が発達しており、中でも甲状腺はヨウ素を貯め込む組織です。
ヨウ素は本来安定した元素で、原子番号が53、中性子数が74、つまり質量数が127で安定しています。
しかし、質量数238のウランの核分裂によって生じた放射性ヨウ素は質量数が131です。
これは、中性子数が多いため、不安定であることを示し、一定期間(約10日前後)で崩壊します。
その際に出す放射線は、内部被曝となります。
内部被曝では、ガンマ線だけでなく、組織荷重係数の高い、アルファ線も加わるため、危険視されています。
あらかじめ、体内に安定した質量数127のヨウ素を貯めておけば同位体である質量数131の放射性ヨウ素が吸収されないので、一時期薬局でヨウ素が不足になったり、とろろこんぶを買い占める騒動が起きたのだと思います。
原発の事故問題が解決し、約2~3週間経過した後には放射線ヨウ素の脅威は激減するでしょう。
現地、被災地、色々と考えると心苦しいものがあります。一刻も早い復旧に向け、できる限り協力していきたいものです。

今後、半減期の短いヨウ素から、半減期の長いセシウムが話題になるでしょう。
放射性セシウムは137と134がほとんどで、
134の半減期は約2年
137の半減期は約30年

調べると色々わかります。




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放射線の感受性について

2011-03-22 01:44:23 | 学問
よく、記者会見などで、『人体に影響が出るレベルではない』と聞くことが多いです。
何故問題ないのか?→それは、問題のある基準値を知っておくことが大切だと思います。
放射線について正しい知識を持っていただき、メディアの情報に左右されずに各個人で適当な対策がとれるようになってもらいたいものです。
私は医療従事者という立場上、他の職業に比べ、当然被曝量は多いです。
ですが、身体に影響は出ません。影響が出ない理由、影響が出る基準も理解しているつもりです。

医療従事者の立場からまた放射線について述べたいと思います。
今回は身体の各部位によって影響が異なることについて述べたいと思います。

1、放射線の感受性について(ベルゴニー‐トリボンドーの法則 【Bergonie-Tribondeau's law】)

身体の各部位によって放射性感受性は異なります。ここだけで良いので押さえていただけたらと思います。
◎放射性感受性
・最高 : リンパ球、骨髄、腸、精巣、卵巣
・高い : 水晶体(眼の部分)、皮膚、口腔、食道、胃、尿管
・中  : 成長期の骨や軟骨、結合組織
・低い : 骨、肺、腎臓、肝臓、脾臓、甲状腺、副腎
・最低 : 神経、筋肉

これらは以下の法則に従います。

→  ベルゴニー‐トリボンドーの法則 【Bergonie-Tribondeau's law】

放射線に対する細胞の感受性は増殖の活動力に比例し、分化の程度に反比例する。ことを言います。

増殖・・・1個の細胞が2個に、2個の細胞が4個に増えることを言う。「細胞分裂」と同意
分化・・・それぞれの細胞が役割を持つこと、つまり機能することを言う。

細胞は「分裂(増殖)」を繰り返すことで数を増やし、「分化」することで、機能を身につけていきます。

→まとめると

 �細胞分裂の頻度の高い細胞ほど感受性が高い

 �将来行う細胞分裂の数が多いほど感受性が高い
 
 �形態・機能が未分化な細胞ほど感受性が高い

細胞分裂している間は被曝しやすく、構造が単純なものほど被曝しやすいということになります。



分裂の周期は

間期  →  有糸分裂期(M期)  →  間期    となりますが、
 
間期はさらにG1期、S期、G2期に分けられます。
 M期 : 放射性感受性が最も強い時期。有糸分裂の時期をいい、ほとんどの細胞で1時間くらい。
G1期 : 活発なため、放射性感受性が最も低い。G1期の間にDNA合成に必要な酵素が活性化される時期です。
 S期 : M期の次に放射性感受性が高い。核のDNAの複製がおこる時期である。
G2期 : G1期に次いで感受性が低い。分裂の準備の最終段階が始まり、タンパク質の合成が増加する時期です。

以上より、細胞分裂頻度の高い組織ほど感受性が高いことがわかります。
例外として、リンパ球は、細胞分裂しませんが、アポトーシス(細胞の自然死)しやすいので感受性が高いのです。


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放射線の被曝と防護の原則について

2011-03-17 05:50:19 | 学問
原発事故により、被曝の心配をされている人は少なくないと思います。街中ではマスクを着用する人が増えたイメージもあります。こういう時に必要なことは、
「正しい知識を持つこと」だと思います。
放射線を取り扱う医療従事者の立場から、私なりにまとめてみましたので参考にしていただけたらと思います。

まず、放射線防護には3原則と呼ばれているくらい明確な原則があります。
これだけで良いので押さえていただけたらと思います。
それは、「距離」「時間」「遮蔽(しゃへい)」です。「きょりじかんしゃへい」と呪文のように唱えて暗記した記憶があります。
1、距離:線量は線源までの距離の2乗に反比例するため、線源より遠いほど安全です。避難勧告が出ているのはそのためです。
2、時間:線量は放射線場にいた時間に比例して増加するため、時間が短いほど安全です。
3、遮蔽:線源と被写体の間に「物」があるほうが良い。効果的なのは、閉め切った建物の中です。屋内待機がその例です。




放射線はα線やβ線で知られる粒子放射線とエックス線やγ線の電磁放射線に分類できますが、
粒子放射線は電離作用が強いため、放射線荷重係数は高いですが、透過性がそれほど高くないのが多く(中性子線は除く)、我々に影響が出ることほとんどありません。
α線は紙1枚で、β線はアクリル樹脂板で遮蔽できるくらい透過性が低いものです。

それに対し、電磁放射線であるガンマ線、エックス線そして電磁放射線の中でも中性子線は透過力が高いため、ここを警戒をする必要があります。
鉛や金といった密度の高い物質で効果的に遮蔽することができます。
コバルト60のγ線の場合、コンクリートならば厚さ30cmごとに、鉛板ならば厚さ5cmごとに線量を10分の1にまで減らします。
だから、我々のレントゲン室の壁や扉には鉛が入っているのです。

放射能の強さを表す単位には

Bq(ベクレル) :1秒間に1個の原子核が崩壊する単位
Gy(グレイ)  :物質に対する吸収線量の単位
Sv(シーベルト):人体に対する線量等量の単位

があります。ここで放射線と放射能についてはっきりしておこうと思いますが、

放射線とは : 全ての電磁波および粒子線のこと。
       →物質を通過する時に原子や分子をイオン化させる能力がある「電離放射線」を「放射線」と呼んでいる。

放射能とは : 不安定な原子核が崩壊して放射線を出す能力のこと



そもそも被曝(ひばく)とは、人体が放射線にさらされることですが、
被曝したときの放射線の量の単位はシーベルト(Sv)と標記し、
1 Sv = 1000mSv (ミリシーベルト) = 1,000,000 μSv (マイクロシーベルト)
以下の計算式で成り立ちます。

 Sv(シーベルト)=WR(放射線荷重係数)×Gy(グレイ)

グレイ(gray、記号:Gy)
→放射線によって1kgの物質に1ジュールの放射エネルギーが吸収されたときの吸収線量を1グレイと定義します。

放射線荷重係数(WR)
→放射線種によって値が異なり、
エックス線・ガンマ線・ベータ線ではWR=1、
            陽子線ではWR=5、
          アルファ線ではWR=20、
   中性子線ではエネルギーによりWR=5~20の値をとります。
放射線はガンマ線を基準にしますので、係数(WR)は1で計算するため1Sv(シーベルト)=1Gy(グレイ)で見ます。
厳密には、ここに距離、時間、遮蔽の三原則と方向も加わるので、Gyが高いからといってSvも高いわけではありません。
だから、現時点では安心してよいと私は思っています。

ヒトは一年間に2.4mSv = 2,400μSvもの線量を自然に被曝しているといわれています。
日常の被曝の基準値を以下に述べると
 0.05mSv = 50μSv   → 胸のエックス線集団検診(1回)
 0.2 mSv = 200μSv  → 東京―ニューヨーク間の宇宙線の増加
 0.6 mSv = 600μSv  → 胃のエックス線集団検診(1回)
 1.0 mSv =1000μSv  → 一般公衆の線量限度(年間)(放射線業務従事者は除く)
 2.4 mSv =2400μSv  → 1人あたりの自然放射線の世界平均(年間)
(宇宙から0.39/大地から0.48/食物から0.29/空気中のラドンから1.26  → 合算して2.4)
 6.9 mSv =6900μSv  → CTスキャン(1回)
10.0 mSv =10000μSv → ブラジルのガラパリ地方の自然放射線(年間)


放射線業務従事者が被曝して良い基準値は以下の通りです。
  5mSv = 5000μSv  → 3か月間に被曝してよい放射線の限度
 50mSv = 50000μSv → 1年間に被曝してよい放射線の限度
100mSv = 100000μSv → 5年間に被曝してよい放射線の限度、1回の緊急作業で被曝してよい放射線の限度
但し、妊娠している女性はこれにあてはまりません。
これは、以下に述べる全身被曝の影響で、100mSv以下では臨床症状が認められていないこと。と更に安全マージンをとってあることから決められた基準といえます。

全身被曝によって現れる症状は以下のように記載されています。
 100mSv = 100000μSv これ以下は臨床症状が認められていない。
 250mSv = 250000μSv で白血球の減少
 500mSv = 500000μSv でリンパ球の減少が、
1000mSv = 1000000μSvで急性放射線障害。悪心(吐き気)、嘔吐など。水晶体混濁が
2000mSv = 2500000μSvで出血、脱毛など。5%の人が死亡
これ以上の全身被曝は致死率が上がり、7000~10000を超えると100%に及ぶといわれています。

このへんの基準値をふまえてニュースや新聞に目を通すとわかりやすいと思います。
この辺を基準に、放射線量をどのくらい被曝しているか計算してみるといいでしょう。
各都道府県別の放射線量は文部科学省のホームページに記載されています。
ここがアクセス集中で混んでいる場合はhttp://eq.で調べれば他のサイトでも閲覧可能です。

被曝量/年間 = 時間ごとの平均線量×24時間×365日

でおおまかですが、計算可能です。
自分の住んでいる県が、世界平均の基準値2.4mSvと比べてどのくらいの計算になるか??
また、ブラジルのガラパリ地方の10mSvと比べてどうか??
この辺を計算すれば安心できるはずです。
ぜひお試しください。ヒトは地球にいる限り、豊富な鉱物から放射線を浴び続けています。

そして、mSvとμSvで混同しやすいこと、さらに年間なのか??1回なのか??
この単位まで良く目を通すべきでしょう。

後日、放射線の感受性、確率的影響、確定的影響、遺伝的影響について詳しく述べたいと思います。






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