以前、『矯正的挺出術』の部分で、生物学的幅径を回復させることが目的と述べましたが、ある患者さんより、「生物学的幅径」って何??って質問を頂きました。
よく考えてみると、歯医者さん向けでわかりづらかったですよね(^^;
生物学的幅径(Biologic Width)とは、ひと言でいうと、
「骨を基準に見た歯と歯ぐきの付着の一定の幅」
のことです。それらは常に決まった幅を持っています。
詳しくは以下に記載します。
写真は、歯と歯周組織(歯槽骨、歯根膜、歯肉)の断面です。
歯は歯槽骨という骨に埋まっており、それを覆うように歯肉(歯ぐき)が存在します。
sulcus (歯肉溝)で、0.69ミリの幅
epithelial attachment (上皮性付着) が0.97ミリの幅
connective tissue attachment (結合組織性付着)が1.07ミリの幅
上皮性付着はヘミデスモゾームにて結合されています。
つまり、生物学的幅径(Biologic Width)は、
0.97 + 1.07 = 2.04ミリ
の幅があることを示します。
ただ、臨床的にはどちらも1.0ミリで扱いますので、2.0ミリです。
なぜsulcus(歯肉溝)が含まれないかというと、頬舌側、近遠心側で幅が違うからです。頬舌的に幅は狭く、近遠心的に幅が広いため、0.69ミリなんて幅だけをを覚えても、全く意味が無いのです。
これは 補綴を行う際に、マージンがScallop形態をとる理由です。
この幅がどんな意味があるのか?
それは、生体は、この幅を保とうとするため、歯垢や歯石が原因で歯ぐきが腫れてくると、骨は幅を保つため、溶ける(吸収する)わけです。
だから歯周病になると
骨が無くなる → 歯ぐきが下がる → 歯が揺れる → 抜ける
といった一連の流れになるわけです。
よく、歯周病は、歯ぐきの病気だと思われやすいですが、歯周病は、生物学的幅径を確保するために、骨が無くなることなので、れっきとした『骨の病気』なのです。
写真は「入門・自家歯牙移植―理論と臨床―」『下地 勲 著』 より
よく考えてみると、歯医者さん向けでわかりづらかったですよね(^^;
生物学的幅径(Biologic Width)とは、ひと言でいうと、
「骨を基準に見た歯と歯ぐきの付着の一定の幅」
のことです。それらは常に決まった幅を持っています。
詳しくは以下に記載します。
写真は、歯と歯周組織(歯槽骨、歯根膜、歯肉)の断面です。
歯は歯槽骨という骨に埋まっており、それを覆うように歯肉(歯ぐき)が存在します。
sulcus (歯肉溝)で、0.69ミリの幅
epithelial attachment (上皮性付着) が0.97ミリの幅
connective tissue attachment (結合組織性付着)が1.07ミリの幅
上皮性付着はヘミデスモゾームにて結合されています。
つまり、生物学的幅径(Biologic Width)は、
0.97 + 1.07 = 2.04ミリ
の幅があることを示します。
ただ、臨床的にはどちらも1.0ミリで扱いますので、2.0ミリです。
なぜsulcus(歯肉溝)が含まれないかというと、頬舌側、近遠心側で幅が違うからです。頬舌的に幅は狭く、近遠心的に幅が広いため、0.69ミリなんて幅だけをを覚えても、全く意味が無いのです。
これは 補綴を行う際に、マージンがScallop形態をとる理由です。
この幅がどんな意味があるのか?
それは、生体は、この幅を保とうとするため、歯垢や歯石が原因で歯ぐきが腫れてくると、骨は幅を保つため、溶ける(吸収する)わけです。
だから歯周病になると
骨が無くなる → 歯ぐきが下がる → 歯が揺れる → 抜ける
といった一連の流れになるわけです。
よく、歯周病は、歯ぐきの病気だと思われやすいですが、歯周病は、生物学的幅径を確保するために、骨が無くなることなので、れっきとした『骨の病気』なのです。
写真は「入門・自家歯牙移植―理論と臨床―」『下地 勲 著』 より