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内外行動日記です。blog復帰しました^ ^

ゆず 虹 【PV】

2009-11-23 14:49:11 | 日記
ゆず 虹 【PV】


いい曲ですね♪
元気が出ます。
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親知らずが痛い時

2009-11-21 16:32:21 | 歯科臨床
『親知らず』
という用語を誰もが聞いたことがあると思います。
別名は『智歯』前から数えて8番めの歯になります。

この手前の7番目の歯(第二大臼歯)は12歳を目安に生えてくるのに対し、
8番目の親知らずは、20歳前後を目安に生えてきます。
つまり、20歳代の数多くの方がこの『親知らず』との戦いが起こっているのです。

写真を見ると歯が横を向いているのが見えますが、これは、親知らずが生えきれずに生えてくる前に手前の7番にぶつかって止まってしまったためです。
なぜこのような現象が起きてしまうのでしょうか。

人類の発生から進化を考えてみると、アウストラロピテクス、北京原人、と呼ばれる原始の人々の顎は大きく、発達していました。
一方で比べて現代人の顎が小さいのは周知の事実かと思います。
しかし、現代人のほうが食生活は豊かで歯も大きい傾向があるようです。

つまり、昔の人は顎が大きく歯が小さい。
    現代人は顎が小さく歯が大きい。
特に女性のほうが男性に比べ、この傾向は大きいかと思われます。

顎が小さく歯が大きいのですから、当然歯の生えるスペースは狭くなります。
成長も20歳前後で止まるため、歯が生えきれずに横を向いて止まってしまうのです。

これによって痛み、腫れ、顎関節への影響、下歯槽管への影響、等
いわゆる親知らず(智歯)が原因で様々な影響が出るようになってきました。

その一つが写真の○で囲った部分の炎症『智歯周囲炎』です。
私は24歳の時にこの症状が起こり、智歯を4本、母校の大学の恩師の教授に抜歯してもらいました。

上顎は直ぐに治癒しましたが、下顎は治癒に時間がかかりました。
下顎のほうが骨が堅く治癒には時間がかかるため、腫れも起こりますし、痛みも出やすいのです。

この親知らずですが、痛み、腫れが出ない場合も多く、その場合は無理に抜く必要は無いと考えています。
触らぬ神に・・・・といった考えで(^^;

抜く時は条件があります。
・痛み、腫れが出た時
・口が開かなくなった時
・手前の歯『7番』に悪影響が出る時
・周囲の顎骨に悪影響が出る時
・親知らず自体が虫歯になってしまった時
・etc
です。
要するに、親知らずが他の組織に悪影響が出す時は抜歯するわけです。

しかし、抜歯には危険が伴います。
その中で最も恐れているのが、上顎では鼻腔、下顎では下歯槽管への影響です。
これは、インプラントも同じことが言えます。

特に下顎で、下歯槽管を損傷すると、そこには動脈、静脈、神経が3セット入っていますので、大量出血、神経麻痺等のトラブルの危険性があるわけです。

ですので、私は智歯抜歯を行う際には必ずレベル分けを5段階で行いレベル4までは抜歯し、レベル5については大学病院に紹介するようにしています。
・レベル1:単純抜歯(残根含む)
・レベル2:横を向いているが、切開、剥離を行わず、歯の分割だけで可能なもの
・レベル3:粘膜の切開、剥離が必要でさらに骨削合、歯の分割が必要なもの
・レベル4:上記に加え、さらに歯根の分割、または完全水平埋伏歯
・レベル5:歯が下を向いていたり、下歯槽管に影響が出そうなもの。アンキローシス

これらはあくまで、患者さんとラポールがとれており、かつ、全身疾患の問題がクリアできている20~30歳代の場合に限ります。

というのも年齢が40歳代を越えると骨質も堅く『しなり』が無くなり、通常の抜歯も困難になるケースが増えるからです。

抜歯は慣れると誰でも出来ますが、落とし穴のある手術なのです。

よくインターネットで親知らずを放置すると大変なことになります。
と脅かすような記載を見ますが、最も大切なことは、
・手前の歯へ影響が出るか?
・歯の周囲に影響が出るか?
なのです。

無理に抜く必要は決して無いのです。


      


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TOKYO DENTAL SHOW 2009

2009-11-11 15:30:00 | 日記
11月8日の日曜日は、診療をお休みさせて頂き、東京デンタルショー2009に参加して来ました。
毎年新しい材料、機材が出ていますが、今回は治療用ユニットを見るのが目的です。
今、ウチの歯科医院は設備も整い、スタッフも充実してきたため、治療環境も高いレベルで提供できています。
今後、より多くの患者さんに充実した治療環境を整えるため、治療のユニットが必要になってきたわけです。

ユニットと言いましても、
・MORITA
・YOSHIDA
・OSADA
・タカラベルモント
・GC
・SIRONA
・KaVo
etc
とメーカーだけでもたくさんあり、さらに、そのメーカーにも各種の機種が存在します。このデンタルショーのメリットは、あらゆるメーカーの歯科ユニットをその場で一度に体感できることです。

私は今回のデンタルショーで治療ユニットを3つに絞りました。
医院で入れているのはOSADAのユーフォリア。
装備等を考えると最高ランクの治療ユニットです。
また、OSADAさんのアフターフォローには本当に感謝しています。

今回も同じメーカーにするか、他社のメーカーにするか、悩むところです。

車を買う時、服を買う時、本当に悩むと思います。
今回の買い物は車を買うに匹敵するのでよ~く考えてからコストパフォーマンス、アフターフォロー、高級感、総合的に判断して決めたいと思っています。
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ラバーダム防湿法2 ( う窩処置 )

2009-11-03 02:21:18 | 歯科臨床
前回記載したラバーダム防湿法ですが、その応用例を1例紹介します。
今回はむし歯の除去方法について記載したいと思います。
歯医者さんにとって最も基本であることですが、基本すぎるゆえに軽視されている分野でもあります。

写真は5番(下顎右側第二小臼歯)の遠心隣接面のカリエス(むし歯)です。
ラバーダム防湿を行うことのメリットは
・術野が明確になる
・唾液による窩洞の汚染を防ぐ
ことです。

歯は構造上、『エナメル質』→『象牙質』→『歯髄』の順です。
           C1       C2     C3
エナメル質のカリエスが C1
象牙質のカリエスが   C2
歯髄に達するカリエスが C3
と、歯科検診では構造上の分類でむし歯を診断することが多いです。
今回は象牙質のカリエス(C2)が対象になります。

エナメル質は人体でも最も硬い組織です。この組織はいわゆる『バリア』なのです。ですのでC1はあまり氣にはなりません。
しかし、エナメル質と象牙質の境い目『エナメル象牙境』よりむし歯は急激に広がりを持つのです。


エナメル質は硬い組織で痛みもほとんど感じませんのでタービンで除去します。
問題が『象牙質』です。
象牙質のむし歯は
・多菌層
・寡菌層
・先駆菌層
ここまでが『う蝕象牙質第一層』
・混濁層
・透明層
・生活反応層
ここまでが『う蝕象牙質第二層』
とあります。
第一層は細菌感染しており、第二層は細菌感染がなく、痛みを感じる
そのため学術的には第一層(多菌層、寡菌層、先駆菌層)
までを除去する必要があります。

私のやり方は、以前はADゲルでカリエスを軟化し、手用のスプーンエキスカでみみかきのようにカリカリと削る方法を行っていました。
エキスカはすぐ切れなくなります。
切れないエキスカは使っても全く削れず、余分な力が加わり患者さんが苦痛を訴えやすくなります。
そういう時、エキスカの刃部を茶色のシリコンポイントで研磨するのです。
するとエキスカは再び切れ味を取り戻し、虫歯の除去が容易になります。
これは、スケーラーのシャープニングと同じ要領です。

現在では、エキスカよりも、PMTC用のハンディコントラを用いて新鮮な良く切れるラウンドバーを用い、超低速回転で(回転が目で見えるくらい)トルクをコントロールしながらむし歯を取っています。80%以上の方が無麻酔です。
むし歯の処置方法は色々と行ってきましたが、この方法が私の中では最も術中、術後の苦痛が少なく、かつむし歯の取り残しが少ないと思っています。

このむし歯を取る治療こそが、歯医者さんの基本中の基本であり、かつ最も難しい治療のひとつだと考えています。
私の治療で時間の計算が立てにくいのがこのむし歯を取る治療です。
麻酔を行い、タービンで除去してしまえば20秒で終わるような処置です。
しかし、長期的予後を考え歯髄を保護し、歯の切削を最小限に、かつ苦痛を与えないように行うことは至難なことなのです。
上記のやり方で10~20分近くはかけないと、むし歯を取り除き、予後を安定させることは難しいと思います。

冒頭で、基本中の基本ゆえに軽視されていると述べましたが、今の歯科雑誌でむし歯の処置方法を記載している歯医者さんが本当に少ないのです。

歯周外科、再生療法、インプラント、矯正、審美、
歯科の分野は華やかな分野が多数存在します。
が、その前に何よりもこの『むし歯』の治療を基本から徹底的に学び、技術を習得する必要があるのです。
若手歯科医師は、専門分野だの言う前に、しっかりと基本を抑えなくてはいけないのです。

コメント (3)
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