髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

「ポポロクロニクル ~白き竜~ 下巻」 レビュー & 感想

2015-03-29 21:00:58 | 「ポポロ」シリーズ&「金の月のマヤ」関連
作は「田森 庸介」氏
絵は「福島 敦子」氏
出版社は「偕成社」


上巻のあらすじとしては
ルーベンの森に住む少年「ムルカ」は木を切っていて、その森の護りを任された猪に似た「モロク」と争っていた時
一頭の白き美しい竜が三頭の黒い竜に追われているのを目撃する。そこから始まる少年「ムルカ」の冒険の旅

下巻のあらすじを書いてしまうと上巻のネタバレとなってしまうので下部ネタバレ欄を参照の事!
後、下巻のレビューという事もあってコピペ文が目立つので注意(無論、全部が一緒じゃないよ)

PSのゲーム「ポポロクロイス物語」の時系列として前の話
年代は明かされていないがキャラの状況から言ってポポロⅠから20年前後は前と言える。


良い点
・懐かしのキャラ多し

悪い点
・ゲームとの展開が異なる
・挿絵小さ目

良い点の解説
・懐かしのキャラ多し


悪い点の解説
・ゲームとの展開が異なる
ゲーム中で説明されていたことと本での展開が異なる所がいくつか出て来る。
本との話で上書きという認識が出来るかで評価は違ってくるだろう。

・挿絵小さ目
「福島敦子」氏の絵が描かれているのだが
本の上下の余白に描かれている物ばかりでババン!と1ページ~2ページ
大きくキャラが描かれているものが殆どない。
魅力的な絵だけど寂しい。



この本を読むにあたって上巻を読むのは勿論の事、その前に
「ポポロクロイス物語」シリーズを制覇する事で更に面白くなる。
ポポロクロイス物語』『ポポローグ』『ポポロクロイス物語II』『ポポロクロイス ~はじまりの冒険~』『ポポロクロイス ~月の掟の冒険~』の5作品である。
ピノン編である『はじまりの冒険』や『月の掟の冒険』などで出て来た設定などがいくつか出て来ているのであるからだ。

「あの設定をここで使うか~」

と、世界観により深みを与えるエッセンスとなっている。
知っている人なら更に楽しくなる。
忘れかけている方は5作品全部となるとつらいだろうからせめてポポロ1ぐらいはクリアするのはいかがだろうか?

「ポポロクロイス」シリーズ→「ポポロクロニクル」

がいいのなら、じゃぁ、

「ポポロクロニクル」→「ポポロクロイス」シリーズ

という本を読んでからゲームをプレイするという形。
つまり、ポポロクロニクルをポポロシリーズの入門編とするのは
あまり向いていない。
様々なキャラが出て来るがゲームの方が先に作品が出されているのでキャラとの絡みがないからだ。

「あれ?ポポロクロニクルでは面識有る筈なのに…」

って事になってしまうからな。
悲しいがこの「ポポロクロニクル」
別の分かりやすい言い方をすれば「後付け」でしかないからな。
だから、話の展開などに違和が生じてしまうのは致し方ないのだ。

そもそも話の展開の仕方はプレイヤーを意識した作りになっているもんな。

だから2004年までのポポロシリーズ(「月の掟の冒険」まで)を全制覇した人なら買うべき本。
(ピノン編、2作品に関してはゲームではなくアニメ視聴でもOK)

かつてプレイした父や母の方が自分の子供にポポロシリーズに触れてほしくて
この作品を読ませるというのはあまり良くないんじゃないだろうか?
それならポポロとは別世界観の「「金の月のマヤ」」シリーズの方が適切と言える。



上下巻読み終えてネタバレなしの感想を一言だけ言うなれば

『詰め込み過ぎ』

色んなシリーズの要素を上手く使っていたけどそこまでねじ込む必要があったのかなとは思う。
時系列的に後の話である各シリーズに影響が出ているんだよね。
キャラに面識のあるとかないという以上の話でチラホラと…
ってなるとこの「ポポロクロニクル」の話を踏まえた上での「ポポロクロイス物語」などのシリーズを
新たに作り直さなければならないんじゃないかなと髭人は感じる。

それに、この本の直後が「ポポロクロイス物語」に直結してはいない。
今までの攻略本などで田森氏が伏線を匂わす発言などがあって、それらの回収がまだ全てされていない。
「ポポロクロニクルⅡ」が出るんじゃないだろうか?
いや、出す必要はあると思う。






本の大きめの画像
(下部にいる「ガミガミ魔王」は「パウロ」と同じ年齢である)


PS)ちなみに、「ポポロクロニクル」
一時、原作者であらせられる「田森 庸介」氏のHPである「タモタモの部屋」で一時的に公開されていたので髭人は下巻の展開も知っているんだよね。(現在では当然、削除されている)
フッフッフ…(ちょっと優越感)
期間限定とのことでコピペして後でゆっくり読みましたよ。
今回の本は、その時の物とは若干修正されていますよ。
まぁ、展開が当時と劇的に変わっている訳ではないにしても原作者様のHPをマメにチェックしている人は今回の本を買わないなんて事はないんだけどね(笑)

PS2)「金の月のマヤ」の時は最終巻の時、「福島敦子」氏の複製原画が当たるキャンペーンがあったから、今回もあるかなってちと期待したんだけどな…
無かったよ。(当選した時の記事
色々事情があるだろうから「毎回やれ!」とは言えんわな。

ここから先がネタバレなしの感想だ!!
(内容を知りたくなければコメントなど入れようと思わず今すぐブラウザを即閉じだ!)























上巻のあらすじを述べるのなら

「妖精王」と契約で共にポポロクロイスに行く「マルコシアス」
「ムルカ」は魔法旅団にいた記憶喪失の少女「フレア」に出会った。
予言の歌や精霊を操つる歌を歌う不思議な少女であった。仲良くなったものの一時別れる。
「ポポロクロイス」に着き契約を終えたマルコシアスとも別れた「ムルカ」は
「ポポロクロイス」の王子「パウロ・パカプカ」が行方不明だと知り
「ペトロフ」国王に王子救出の代わりに「ランス」という人探しを頼み、救出に向かう。
その際、森の魔女「ギルダ」に会いつつ…
鉄でできた城に入った「ムルカ」は「パウロ」を救出に成功し、城主「ガミガミ魔王」のロボットを破壊し
「ガミガミ魔王」自らが崩壊させ、脱出に成功する。
「ペトロフ」国王は心当たりがある「ランス」に会えるようにポポロクロイスのほこらに「パウロ」と共に向かわせる。
その時に突如として再び現れた「フレア」と共に「ランス」出会う。
その「ランス」とは白き竜である「サニア」の父の弟「エスペランサ」が人の姿をして隠居している竜であったのだ。
「サニア」に刺さった「竜の剣」を抜くには竜の血を持つ者ではなければならないと儀式を施さなければならなかった。
それに対して恐れる「ムルカ」と「フレア」は一歩身を引いた時、
竜という事に驚き気絶している「パウロ」が前に残ったという事になり、竜の血を受ける事となる。
竜の血を受けた「パウロ」、「ルーベンの森」に行けば記憶が戻るかもしれないと感じる「フレア」と共に
森に戻る為に海上から向かう事にした所、『ガミガミ魔王』が急襲し乗っていた船が損傷し
漂流しようという所で「バスカル」という老人が海上に現れ、力を貸してくれた…

って所で上巻は締められる。


さて下巻などにも出て来たキャラクターや用語などをいつらかまとめてみましたよ。


『ムルカ』…上巻の『モロク』により大地の力を授かった。後の白騎士。
      滅びたアヴァロニアの王子。本名は『ポロス・ノインシュタイン』
      『ポロス』とは北の空に輝く極星という意味。

『フレア』…記憶喪失の少女、精霊を歌で操る。実は『愛の女神』が乗り移っている。
      遙か東に住み、山火事で両親を失っていたところを『愛の女神』拾われた子である。

『サニア』…白き竜。竜族の王『アンドレイオス』の娘。
      操られた父から『竜の剣』を受け、黒い竜に追われ、妖精の森に逃げ込み剣を抜いてくれる者を待つ。

『パウロ・パカプカ』…ポポロクロイスの王子。『ランス(エスペランサ)』により竜の血を受け、竜の剣を扱えるようになる。
    後に『ポポロクロイス』第十六代国王となり『サニア』と結ばれ、『ピエトロ』や『エレナ』をもうける

『アギーレ・ノインシュタイン』…アヴァロニアの国王。死亡している。

『セレス・ノイシュタイン』…アヴァロニアの王妃。死亡している。

『トロイ』…『ムルカ』の育ての父、元アヴァロニア国の近衛隊長

『ヤズム』…元アヴァロニア国の近衛副隊長、後の「はじまりの冒険」のラスボスである。
     マイラの呪いにより『闇の精霊』となった。

『マンボ・リンディホップ』…ロマーナ第18代国王

『ブルース』…ロマーナの大臣

『ルンバ』…マンボ王の娘、後の『ジルバ』の母

『サルサ』…マンボ王の娘、『ルンバ』の妹。後の『ジルバ』の叔母という事になる
      踊りの精霊を操る。

『ネクロス』…人を肖像画にする魔法を使いロマーナを乗っ取ろうと画策する。本性は竜

『エスペランサ』…古の勇者、ポポロⅡの老竜神の弟、竜王の座を兄と争い竜王の城を去った。
       兄の年老いた姿を見て「老竜神(ろうりゅうじん)を名乗るが良い」と言い放つ。
       『サニア』の叔父

『アンドレイオス』…『エスペランサ』の兄であり『サニア』の父でもある。
          竜族を束ねる王であるが、『闇の女王』に操られ娘の『サニア』に『竜の剣』を突き刺した。

『マルコシアス』…古の勇者

『ピピカ』…ロトト山の黄金の城の城主

『オレク』…ピピカの后、本性は『オレクシス』

『ヒューリー』…通称『緑の騎士』。中の人の本性は『ムルカ』の父である『トロイ』が転生した姿
        『ヤズム』からの手傷が深く『妖精王(メディア)』が転生の術を施した為である。
        その際、若返り、純粋に人間族とは言えなくなったので
        『ムルカ』にはそれを教えず、『トロイ』は死んだと伝える。

『ロシモフ』…ルーベンの森を守護するご神木。動ける。ポポロⅡに出て来る。

『虹の騎士団』…アヴァロニアを建国した伝説の騎士団

『虹の騎士』…虹の鎧を与えられたものに与えられる称号

『キングナイト』…古の勇者。全ての騎士の王。騎士であるため、仕えるべき主君を探している。

『闇の女王』…正体は「マイラ」。「ポポロクロイス物語Ⅱ」のラスボス。神族で「ユリウス」の娘。
       美の女神だったが他の美しい物を妬み、悪行ばかりするので父の逆鱗に触れ
       呪いにより醜く姿を変えられ、国を追われ、
       虎視眈々と世界を我が手にしようと目論む。

『ギガンガ』…双頭の竜

『リンドブルム』…小型竜の闇化したもので、口から出す特殊な鳴き声で谷の地形を読み解ける。

『ガルガロ』…闇の世界に封印されし古の虫

『ダーナ神』…闇の世界を支配する者。死者の魂を見守り、深淵でカオスを見張る神。「ユリウス」の姉
      つまり『マイラ』は姪という事になる。






「サルサ姫」が「ガミガミ魔王」の事を

「この人、大丈夫なの?」
「ちょっと、おかしくない?」

と、頭の事を気にしているのがちと笑える。
実際に見たら誰もが同じ事を言うだろう。
それを受け入れしまっていた人たちがアウトなのかもしれない。
でも、人に受け入れさせるキャラの濃さがあるわな(笑)

「緑の騎士」「金の月のマヤ」にも同じ奴が出て来るけど同一人物なのだろうか?
ちと気になるね。うん。


上巻のレビューでも言ったけど
「パウロ」が竜の血を受けて「サニア」に刺さる「竜の剣」を引き抜くことになるんだけどさ。
あっさり抜いているんだよね。
「はじまりの冒険」の時に床に刺さる「竜の剣」を「マルコ」が抜こうとして抜けなかったのを
「ピノン」があっさり抜けるというのと同じ流れだな。
「ムルカ」が後の「白騎士」で「マルコ」が「白騎士」の子って考えると考えさせられるものがあるね。(呪いを受けてなかったのでマルコは痺れなかったが)
こう言った出会いが「運命」って言葉で片付けられてしまうのがなぁ…
まぁ、それが「デュオン」の意志と言われてしまえばそれまでなんだけどさ…

にしても、「マイラ」によって操られた「サニア」の父「アンドレイオス」
そういう展開だと、ポポロⅡのムービーに多大な影響が出ると思うんだけどな~。

ポポロⅡのムービーだと
「サニア」の体に乗り移った「マイラ」が竜族の石版を狙うと「老竜神(アンドレイオス)」から攻撃を受けるのだが…

サニア(マイラ)「娘をも殺そうというのか…」

と、竜族の王という立場を全うとする「老竜神」
そしてサニアにトドメを刺そうとしたときに過去の記憶がよみがえる。サニアがいう訳だ。

若サニア「どうして人間と一緒になってはいけないのですか!」と、訴えてきたり
子供サニア(竜)「お父様」と、慕ってくる所とかを…

人間の男に現を抜かし、勘当した娘。
いくらかの憎しみはあっただろうけどやはり娘の親。
トドメを刺すには忍びなかったのだろう
攻撃を躊躇った隙を突かれ「マイラ」に反撃に遭い
結果、石版を「マイラ」に奪われる。

でもさ…
これを「ポポロクロニクル」の展開に当てはめるとなると…
自身も同じ「マイラ」に操られていた経歴がある中、娘を殺そうとするなんて事は出来ないよな。

恥ずかしくて…

本来であれば「バルバラン復活阻止」という大いなる目的があるのにさ…

ムービーでの「サニア」の訴えと言い「パウロ」に惚れて駆け落ちしたからこそ
Ⅱのムービーに意味があるのにこの改変は髭人としては首をかしげる。
本の展開としては「アンドレイオス」は操られていたとはいえ娘を殺そうとした事実から

「心が変わったら帰って来い」

という訳だ。
予言の言葉を頭に置きつつ…
これじゃ、人間と仲良くなっても「黙認」って形になってしまうんじゃない?
「老竜神」の人間臭さが薄れる(竜族だけど)


別の点で気になる事といえば

自分が住んでいた家に冒険の記憶が一切ない「フレア」に住まわせる「ムルカ」
その住んでいた場所って位置的に「レオナ」の実家となるんだよな…
となると「フレア」は「レオナ」の母?
「ムルカ」本人にとっては複雑な心境になるな…



展開について気になる事を言って来たけど
ぼちぼちまとめと入りましょうか?
「ポポロクロニクル」上下巻について言って来たけどさ。

上手くまとめていると思う。伏線らしきものを回収している所もある。ファンにはうれしいという所である。

けども、態々1本のレールに多くのキャラクターを乗せる必要はなかったんじゃないかって思うんだよな。
単純に

「白騎士の章」「ガミガミ魔王の章」「パウロの章」「サニアの章」

なんて感じで独立させて後のキャラクターの過去を描くだけで良かったんじゃないかって…
それら別々のレールがある場所で短く連結し、別の所で分離するなんて展開で良かったんじゃないかって…

元々が「ポポロクロイス」って

イタリア語の「人々」を意味する「ポポロ」と
フランス語の「交差」を意味する「クロワ」の造語でしょ?

だから人々が交差する程度で良かったんじゃ…

あ!!忘れてた!

この本のタイトルは「ポポロクロニクル」だった!!

英語の「年代記・偏年史」を意味する言葉だった!

本のタイトル的には間違ってはいない。
ただ「クロイス」の「クロ」と「クロニクル」の「クロ」を合わせただけかと思ったが違ったのだな。
とはいっても、ゲームとの展開にちょっとズレが生じてしまうのはシリーズプレイ者として強く感じる所だ。

指摘した通り、ポポロⅡでのムービーの「老竜神」の心境はガラリと変わる事になるもの。


最後に、「マイラ」
色んなところで悪さしているな~。
PSPの「ポポロクロイス物語 ~ピエトロ王子の冒険~」で追加された「闇の獅子王」編
「パウロ」を操る鎧を出したのもまた「マイラ」だもんな。

ネット上で悪行を繰り返す黒幕に

「またお前か」

ならぬ

「またおマイラ」

って所なのかもしれない…
(バカか…しかもそんなに語呂よくね~!!)



髭人のポポロシリーズレビューがこれで終わった訳ではありません。
それはまた別の機会に…(アホか…)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿