元外資系企業ITマネージャーの徒然なるままに

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アメリカはトランプ前大統領で分断されたのか

2021-02-01 11:41:32 | 時事エッセイ
アメリカはトランプ前大統領で分断されたと言われるが、民主主義が正常に機能している国では民主党と共和党が激しく戦うのは当然のことなのではと思う。もちろん、暴力は絶対にしてはいけないことだし、嘘やデマはもちろんよくないが、それらはいつの世でも存在する。現に日本ではテレビと新聞が平然と政権よりに国民を誘導している。商業メディアの悲しい現実であるが、唯一の公共放送であるNHKも政権と、そのバックにいるアメリカや大手企業に支配されているとしか思えない報道である。分断されていると世論操作するメディア自身が、日本の民主主義はおろか、所得格差による階級の固定化という分断に貢献している。
欧米人の友達は多くはSNSで自分の支持政党を明白にして投稿する。誰でもが、あの人はトランプ支持者なのだ。あの人は民主党支持者だが、サンダースのような社会主義は嫌いで保守派を名乗っているとか、その人の政治に対する、またはどんな社会が理想なのかと言ったことが明白である。ただそれで会社の仕事がうまくいかないことは全くない。政治と職業は全く別の話で、そもそもそんなことが仕事に影響するようでは、すぐに干されてしまう。
政治の話はご法度、ましてや現政権の批判はきつく禁止されている日本では考えられないことだ。当然会社で政治の話をしていたら、特に今のような政治やメディアの劣化が激しい時代では、仕事にならないだろう。でもSNSや会社を離れた場所では、もっとするべきだと思う。
J・S・ミル「自由論」(斎藤悦則訳)の中に次ぎの記述がある。
「アメリカ人は、政府がない状態に放置しておくとすぐさま政府をつくりあげ、政治その他の公的な業務をしっかりとした知性と秩序と決断によって処理することができる。これこそすべての自由な国民のあるべき姿である。また、こういうことができる国民はまちがいなく自由だ」
明治維新前にミルが見たアメリカだが、バイデンアメリカ大統領が就任式直後に、国家再生に時間がないからと、すぐさま大統領令にサインしたのを見ると、自分たちで一から建国した、その伝統がまだ生きていると感じる。分断と言うよりは新しい建国の始まりであり、その為の激しいディスカッションが始まったとみるべきであると思う。
翻ってわが日本は明治維新でも一部の武士階級が起こした革命であり、一般市民は全然関与していない。あれから150年も経つのに、選挙の投票率は50%にも満たないほど相変わらずもの凄く低い。自分の生活に直結する政治への関心も、もの凄く低い。安保反対で学生運動が盛り上がった1960年代は、とても政治に熱かったと聞く。あれから学生運動の暴力ばかりが報道され、おとなしい家畜の思考停止状態に教育されてしまったのか、民主主義は何も進歩していないのは何故だろう。


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